TM-SQUARE ZC32S ボディワーク 空力解説 フロントバンパー ①

2014年02月13日(木)

 

さぁ~、今回から、本格的に はじまる

田中ミノル の ウルトラマニアック な 空力解説!

 

 

 

まずは、フロントバンパーから、早速、はじめてみたいと思います!!

 

 

 

 

 

ダウンフォース発生メカニズム Vol.1

 

「タイヤハウス内の圧力を 減少させるべし」

 

 

 

走行中、フロントバンパーの下を通過した空気の一部は、直接フロントタイヤに

当たることから、タイヤハウス内には、大量の空気が流れ込みます。

結果、タイヤハウス内は、かなりの正圧状態(圧力が高い状態)となり、

クルマが浮き上がろうとする力 (リフト) が発生してしまいます。

 

 

 

そして、ダウンフォースの大敵である このリフトを抑えるために、

タイヤハウス内の 圧力上昇を抑制すること が、とても重要となるのです。

 

 

 

 

 

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図のように、走行風(水色のラインア)が、タイヤを直撃することで、

タイヤハウス内の圧力が上がり、車体を持ち上げようとする力 (リフト) が働いてしまいます。

 

 

リフト の発生は、車体を地面に押し付けようとする力 (ダウンフォース) の大敵であり、

いくら他の部分で有効なダウンフォースを得ても、打ち消されてしまいます。

 

 

 

 

 

そこで、このリフト を抑制する 「キモ」 は、いかに効果的に、

タイヤハウス 内の空気を抜くことができるかどうかです。

 

そのためには、下図のように、車両前面に当った風を横方向に流し、

流速を上げて フェンダーアーチ の前方で、一気に剥離させることが、有効となるのです。

 

 

 

 

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このように、フェンダーアーチの前方で、風を一気に剥離させると、

この風に、タイヤハウス 内の空気が、下図、ピンクの斜線箇所(下図)から引っ張られる

ことで、タイヤハウス 内の空気が抜け、圧力が下がります。

 

 

 

 

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そして、より効果的に風を剥離させるためには、

クルマ の前面に当った空気が車両 サイド へと進み始める地点と、

最終的に空気が、剥離する地点までの距離を十分にとることです。

 

 

この距離が長く、形状的にも凹凸が少ないと、ボディに沿って進んだ空気は、

流速を上げて フェンダーアーチ の前方で、一気に剥離するのです。

 

 

 

 

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また、より多くの空気を タイヤハウス 内から引き抜くためには、

フェンダーアーチ の前方から、できるだけ外側に向かって、

角度が付いた状態で、風が剥離する方が有利です。

 

そこで! TM-SQUARE の フロントコーナー は、

特徴的なシルエットとなる 逆R(エグレ)形状になっているのです。

 

 

 

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この独特の形状により、フェンダーアーチ の前方から剥離する風は、

大きく外側に向かいますので、タイヤハウス 内から、大量の空気を

引き抜くことが可能となります。

 

 

 

 

いや~、フロントコーナー の形状って、奥が深いですよね~。

 

 

でも、まぁ~、このコーナー の形状が、ダウンフォース の

「キモ中のキモ」 となりますので、とっても重要な、部分なのであります。

 

 

 

 

 

では、次回は、

カナード & アンダーパネル の解説を行いたいと思います!

 

 

 

 

 

 

マニアック・・・・、ですね・・・・。