ADVAN A08B 田中ミノル式 インプレッション!

2020年05月04日(月)

いや~、またまた、メーカーさんに叱られるかも知れませんが・・・(笑)、今年になって、はじめて使用した、話題のタイヤ  ADVAN A08B (スタンダードコンパウンド)の 田中ミノル式 インプレッション をお届けしたいと思います。

まず、使用した車両は、弊社のデモカー 6号車 (ZC33S)でございます。

でもって、使用したサイズは、

フロント  225/45R17  
リア    215/45R17  

となります。

また、使用したサーキットは、以下の 4つのサーキットでございます。

筑波2000    NEW タイヤ
FSWショート  USED タイヤ
鈴鹿ツイン   USED  &  NEW タイヤ
スパ西浦    USED  &  NEW タイヤ   

 

では、はじめてみたいと思います!

ご注意

本ブログに記載した すべてのコメントは、今回使用した車両、今回使用したタイヤサイズに限定した、田中ミノル の個人的な見解(思い込みです)となり、 物理的な裏付けは、まったくございませんので、ご理解の上、お読み下さいね。

で、田中のファーストインプレッションは・・・・・・・・、

① 田中が大好きな ゴム密度の高い コンパウンド!
② ハイグリップなのに、想像以上の ロングライフ!
③ ちょっと斬新! 「変形角刈り」プロファイル!

といった感じで、詳細は、以下のとおりでございます。

コンパウンド

特性的には、ゴム密度が高いタイプという表現になると思います。

ソフトコンパウンドにより、路面とのグリップを上げるのではなく、高荷重に対応ができる剛性の高いコンパウンドにて、シッカリ荷重をかけてグリップさせるタイプです。

田中はとっても大好きなジャンルで、ゴム硬度(剛性)が高いことから、ブロックよれが少なく、シッカリ感が強いイメージとなります。

タイヤの温まり

新品タイヤの場合、路温が低くタイヤが冷えている状況では、かなり温まりに周回を要します。特に、リアに関しては、筑波2000 で、4~5Lap 鈴鹿ツインだと、7~8Lap が、必要となります。

しかし、タイヤウォーマーの使用や、タイヤを室内に入れてエアコンにて、事前に温めると、この温まりの問題は、大きく改善します。30℃付近まで温めておくと、計測スタートのラップか、1~2Lapのウォームアップで、タイムが出るかと思います。

また、一度でも使用した、USEDタイヤに関しては、低温からのスタートでも、比較的すぐに温まるというキャラクターを持っています。

プロファイル

トレッド面は、ラウンド形状ではなく、フラットな形状だが、全体的にテーパーが付いており、タイヤプロファイルにて、キャンバーが付くスタイルです。

田中ミノル式 表現方法では、「変形角刈り」

また、トレッド面が比較的フラットなことから、イニシャルキャンバーを合わせ込めれば、OUT側のタイヤは、コーナリング中、広い接地面を確保することができると思われます。

コンストラクション

コンパウンドのゴム硬度を含めて、コンストラクションは、かなり強い方向。
特に、タイヤが冷えている状況では、縁石を使用すると大きく跳ねが発生します。また、コンストラクションの強さは、タイヤの温度の上昇により、かなりマイルドになりますが、それでも、縁石を使用しない方が安定して走れます。

空気圧

コンストラクションが強いことから、空気圧は低めの設定が可能となります。
また、空気圧変化に対して、タイヤの特性変化は少ないイメージとなり、 スイフト & 225/45R17 の場合、2.0㎏/㎠ あたりが基準になると思われます。

ラップタイムの推移

ソフトコンパウンドにてグリップさせるタイプではないことから、継続使用によるラップタイムの落ち幅は、かなり限定的。(いや~、最近のハイグリップとしては、驚くぐらい優秀でございます!)よって、サーキットでのライフは、ハイグリップにしては、比較的長い方だと思います。


USEDタイヤ → NEWタイヤ にて、速くなるレベル

鈴鹿ツイン 約0.4秒 
(筑波1000 約20Lap + FSWショート 約80 Lap + 鈴鹿ツイン 約70Lap 使用の USEDタイヤ と NEWタイヤ の比較)

スパ西浦  約1.0秒
(鈴鹿ツイン 約20Lap + スパ西浦 約45Lap 使用の USEDタイヤ と NEWタイヤ の比較)


また、タイヤカスの付着に関しては、一般的なハイグリップラジアルと同等レベルで、かなり付着します・・・。特に、キャンバーが足りない状況や、リアタイヤへの付着が多いです。まぁ、ハイグリップタイヤの宿命なんでしょうかね・・・、やっぱり・・・。

ドライビングスタイル

急激な荷重変化を起こさないドライビングがマッチします。

ハンドルを「スパッ」と切るタイプはNG。ドラテクを理解しながら、タイヤのグリップの立ち上がりに合わせて、ステアリングを切るタイプのドライビングがよろしいかと思います。

また、縁石を使用して、最短距離を走るドライビングスタイルより、縁石を使用せず、タイヤへの入力をマイルドにするドライビングスタイルがマッチングすると思われます。

セットアップの方向性

セットアップ的には、タイヤの剛性が強いことから、スプリングレートはソフト方向になると思います。特に、バンピーなサーキットや、コースレイアウト的に縁石を使用しなければならないようなサーキットは、レートダウンが必要になる可能性が高いです。

そして、 タイヤプロファイルにて、キャンバーが付きますので、車両側で設定するイニシャルキャンバー値は、少なめで大丈夫です。

また、唐突な荷重移動(荷重変化)を抑制したいので、ダウンフォースによって、路面にタイヤを押し付けられる、 ハイダウンフォース仕様は、マッチングがかなり良いように思います。

タテ/ヨコ グリップの融合

タテとヨコ のグリップを単品にて使用すると、かなりグリップしますが、減速を伴うコーナーの進入にて、タテとヨコ のグリップを融合(オーバーラップ)させると、グリップの落ち込みが大きいです。(やはり、イマドキのタイヤは、この方向性が強いです・・・・・)。

よって、進入時にブレーキを残し過ぎる走り方はマッチングがよろしくありません。ヨコをガッツリ使用したいときは、イメージ以上にブレーキリリースが必要となります。

また、NEWタイヤでは、この タテとヨコ のグリップをオーバーラップさせている状況でのグリップレベルが大きく向上しますので、この部分をうまく活用すると、タイムが出るイメージです。

その他

タイヤ重量なのか、転がり抵抗なのか、それとも、大きめのタイヤ外径なのか、理由は良くわかりませんが、コーナーからの加速が速く、次のコーナーの手前では、2~3 km/h スピードが乗ります。これは、大きな武器ですよね~。きっと。

また、走行中に、「シャーッ」という独特のロードノイズがします。
(強烈にマニアックな方なら、このコメントで、コンパウンドの詳細がわかるかも!! 笑)

そして、そして、今回も、すべて、田中の思い込みと、独断と、偏見となり、
公平性、信憑性は、まったくありませんが・・・・・・・・・・・・、

禁断の 最新ラジアル ポイント表 を作りましたので、ご参考までに!

タイヤメーカーのみなさまへ。

このたびは、了解も取らず勝手に掲載し申し訳ございません。
もし、何か支障がございましたら、すぐに削除いたしますので、ご一報いただけましたら幸いでございます。   

田中ミノル

それでは、最後に、鈴鹿ツイン(道場破り)のアタック後に収録しました、
ADVAN A08B の解説動画をジックリとお楽しみ下さい!!

いや~、以上、
田中ミノルの スーパーマニアック インプレッション でございました!

PS スイフトマイスター2020 に、ご参加予定のみなさんへ

ADVAN A08B は、

× レディース
× NA-0
× NA-1
× TC-0
× TC-1
○ NA-2
○ OPEN

現時点の判断では、上記のタイヤ規定になる予定です。
(変更となる可能性もございます)

    本ブログにてご紹介した製品等のお問い合わせは、こちらのフォームから!!
    (お送りいただいた内容は、本ブログには掲載されません)

    ※送信後、3営業日以内に返信が無い場合、メールアドレスの入力誤りや、送信エラー等の可能性があります。その場合は、恐れ入りますが mail@tm-square.com までご連絡をお願い致します。

    POTENZA RE-71RS 田中ミノル式 インプレッション!

    2020年03月03日(火)

    いや~、もしかしたら、メーカーさんに叱られるかも知れませんが、先日、REV SPEED さんのお仕事にて、POTENZA の NEWアイテム RE-71RS を試乗する機会がありましたので、田中ミノル式 の インプレッション をお届けしたいと思います。

    ご注意

    本ブログに記載した すべてのコメントは、今回使用した車両、今回使用したタイヤサイズに限定した、田中ミノル の個人的な見解(思い込みです)となり、 物理的な裏付けはまったくございませんので、ご理解の上、お読み下さいね。

    テストに使用した車両は、

    CUSCO さんのデモカー (ZC33S)
    ストリート仕様のダンパー & スプリングレート
    LSD(1Way タイプ)、ECU チューニング  といった仕様。

    また、使用したタイヤサイズは、205/50R16 × 4本履き

    テスト方法は、はじめに、71R(NEW)で、計測5Lap
    その後、 71RS(NEW)で、計測5Lap  と、
    NEWタイヤ同士をガチで比較するパターンでした。
    (いやはや、贅沢なテストでございます!!!)

    では、はじめましょう!

    まず、メーカーさんからの事前インフォメーションとしては、

    ① プロファイル

    変形丸刈り!
    まぁ~、いま流行の左右非対称の形状違いとなり、
    タイヤでキャンバーが付くタイプでございます。
    ( これで、71Rより 、コーナリング中の接地面積が、6%アップらしい・・・)

    ② コンパウンド

    かなりソフトなイメージです。
    低温路面でも、ガッツリ食い込み
    グリップを発揮するトップコンパウンドだそうです。
    (路面との接触面積が、71Rより、11%アップらしい・・・)

    ③ トレッドパターン

    左右非対称パターンを採用。
    OUT/INのパターン剛性を適正化して、コーナリング グリップと、
    応答性(ハンドリング性能)を両立しているということでした。

    ④ ラップタイム

    スバルBRZ チューニングカー 265/35R18 筑波2000 
    最速ラップタイム 2.0% 短縮 (71Rとの比較)
    平均ラップタイム 1.1% 短縮 (71Rとの比較)

    トヨタ86 215/45R17 筑波2000 
    最速ラップタイム 1.4% 短縮 (71Rとの比較)
    平均ラップタイム 0.9% 短縮 (71Rとの比較)

    ⑤ 耐摩耗性

    パターンの高剛性化、ならびに、左右非対称プロファイルによる
    接地圧分布均一化により、71Rより5%アップらしいです。

    といった感じでございました。

    で、田中のファーストインプレッションは・・・・・・・・、

    ① スーパー ソフトコンパウンド!
    ② RE-12D に、かなり近い立ち位置!
    ③ 流行の「変形丸刈り」プロファイル!

    といった感じで、詳細は、以下のとおりでございます。

    ソフトコンパウンドによる 強力グリップ

    タイプ的には、ゴム(コンパウンド)でグリップさせるタイプです。
    71Rより、もっと、ソフトコンパウンドでございます。
    もし、機会があれば、タイヤ屋さんで、71RS のコンパウンドを触ってみて下さい。きっと、驚くと思いますよ~。

    ですから、

    冬のワインディングとか、
    セミウエット路面とか、
    初めてのサーキット走行といった、

    少々、不安な状況では、かなり心強いですよね~。

    開発ドライバーの 佐々木マサ 氏によると、

    サーキット専用タイヤとしてのカラー強い、12Dと違い、
    1セットで、ストリートも、ワインディングも、サーキットも、
    ハイレベルにカバーしたいユーザーに向けて開発を行った

    ということでした。

    ただ、とは言っても、ガッツリタイムが出るソフトコンパウンドですので、サーキットにて、タイヤの限界を越えた状態で連続周回すれば、レスポンスが悪くなり、摩耗的にもかなり厳しいと、田中は思います。

    ですから、このタイヤをサーキットで使用するならば、グリップ限界の中で 、余裕を持って走ることが重要だと思います。そうすれば、タイヤの温まりが早く、グリップが高い特性を、大きな武器として活用できると思います。

    また、佐々木マサ 氏 の言うとおり、ワインディングにおいて、気温/路温の低いシーズンの走りはじめや、セミウエットの状況では、ソフトコンパウンド の恩恵が大きいと思います。

    変形丸刈り プロファイル で、キャンバー不足を解消!

    「変形丸刈り」を詳しく解説しますと、トレッド面の形状が、
    タイヤのセンターから、ショルダーにかけて、左右の形状が異なって、ラウンドシェイプになっているという意味合いで、以下のイメージでございます。

    図のように、タイヤの中央からOUT側に向かってタイヤのプロファイルを変形
    させる (センターに対してOUT側を小径にする)ことにより、1G状態では、タイヤの中央に対して、OUT側の接地圧が低くなったり、少し路面との間にクリアランスができたりしますよね?

    要するに、タイヤのプロファイルによって、キャンバーを付けたのと同じ状況が作れるのであります。

    ですから、コーナリング中にキャンバーが必要とされる外側タイヤに、キャンバー角が不足している車両にとっては、スポーツ走行をするのに、かなりの好都合となります。

    また、IN側に関しては、タイヤの角を落としたような形状にすることにより、
    コーナリング中、どうしてもキャンバーが付いてしまう内側のタイヤ接地を安定して確保することと、IN側の角だけが、一気に摩耗してしまうことを抑制するのに、とっても有効なのであります。

    ※ コーナリング中、クルマはロールすることで、外側のタイヤには、イニシャルキャンバーが必要となり、反対に内側のタイヤは、キャンバーが付き過ぎてしまい、タイヤIN側の角だけが接地してしまいます。

    上記の理由により、変形丸刈りプロファイルは、コーナリング中、操舵やロールにより、タイヤへの入力が変化しても、タイヤの接地面を安定して確保するというメリットがあります。

    が、しかし・・・、プロファイルがフラット(角刈り)なタイヤ形状に、 サスペンションやアライメントによって、セットアップが合わせ込まれた状況では、Maxの接地幅が少し狭くなることがあります。
    また、変形丸刈りプロファイルは、 車両重量とタイヤ幅のバランスによっては、荷重不足から、うまく接地が稼げないといった、デメリットが発生することもあります。

    もちろん、田中の個人的な見解ですが、変形丸刈りプロファイル は、

    イニシャルキャンバーが、適正値より少ない車両
    車重とタイヤ幅のバランス的に、あまりタイヤ幅が広過ぎないタイヤチョイス
    スプリングレート的に、ある程度ロールをするレートチョイス

    だと、マッチングが良いように思います。

    反対に、

    ガッツリとキャンバーが付いている車両
    軽いウエイト + 太いタイヤ幅 のタイヤチョイス
    ロールの少ないハイレートスプリング


    だと、 変形丸刈りプロファイル をうまく活用できないように思います。

    ちなみに、この 変形丸刈り の 変形具合は、タイヤのサイズごとにデザインされており、ナローサイズは、より丸刈り度合いが強く、ワイドサイズは、角刈りに近い 丸刈りになっているということでした。

    タテ/ヨコ のグリップは、融合させ過ぎると NG

    まぁ~、こちらも、イマドキと言えば、イマドキですが、
    減速を伴うコーナーの進入にて、タテからヨコへ、グリップの方向を変換させる領域で、ちょっとグリップが薄くなる特性があります。

    ですから、進入時にブレーキを残し過ぎる走り方にはマッチングが悪いです。

    でも、反対に、ブレーキ/コーナリング の単品使用時は、かなり強力にグリップしますので、ブレーキの残し方をかなり少なく意識すると、きっとうまく使いこなせるように思います。

    かと言って、ブレーキをまったく残さず、ブレーキを完全にリリースして、ステアリングを「スパッ」と切るようなドライビングじゃ、まったくグリップを有効に使用できません・・・・。

    あくまでも、タテからヨコへ、グリップの方向を変換 するとき(タテとヨコが、オーバーラップしている時)は、少々、タテを弱めに意識すると、イイ感じになると思います。

    コンストラクションは、かなりソフト方向

    こちらは少々、ビックリでした。
    ハイグリップ スポーツラジアル のイメージから、ある程度、剛性が強いのか・・・・、と思いきや、非常にソフト(マイルド)系のケーシングでございました。

    ですから、メリットとして、

    縁石がガッツリ使用できる
    路面の変化や、ギャップに対して、ピーキーな特性がない
    乗り心地が良い


    といった部分があります。

    反対に、デメリットとしては、

    温感時のレスポンスが悪い
    空気圧の変化に対して、タイヤ特性の変化量が大きい


    といった部分もあると思います。

    まぁ~、このあたり、田中の勝手な想像では、

    このコンストラクションの特性により、

    「ビギナーでも、ガッツリとハイグリップの恩恵にて、
    恐怖感なく、スポーツドライビングを楽しめる!!」

    そんな思惑があるように感じました。

    ラップタイムは、71R より速い

    筑波1000 ZC33S 田中ミノル ドライブで、71R と、71RS を比較すると、
    0.4秒 71RS の方が、速かったです。

    なお、田中が走行した すべてのLapタイムは、REV SPEED に載っておりますので、ご確認いただければ、幸いです!!

    ということで!
    TM-SQUARE TV の動画でも、ガッツリ解説を行っておりますので、ぜひ、ご覧下さい!!

    そして、そして、 すべて、田中の思い込みと、独断と、偏見となり、
    公平性、信憑性は、まったくありませんが・・・・・・・・・・・・、

    禁断の 最新ラジアル ポイント表 を作りましたので、ご参考までに!

    タイヤメーカーのみなさまへ。

    このたびは、了解も取らず勝手に掲載し申し訳ございません。
    もし、何か支障がございましたら、すぐに削除いたしますので、ご一報いただけましたら幸いでございます。   

    田中ミノル

    ということで、怒られることを覚悟して、作ったブログではございますが、みなさんのニーズに合った、タイヤチョイスに、少しでも貢献できたら、うれしゅ~ございます。

    ということで、
    以上、RE-71RS 田中ミノル式 インプレッション!
    でございました!!

    PS スイフトマイスター2020 に、ご参加予定のみなさんへ

    POTENZA RE-71RS は、

    × レディース
    × NA-0
    × NA-1
    × TC-0
    × TC-1
    ○ NA-2
    ○ OPEN

    現時点の判断では、上記のタイヤ規定になる予定です。

      本ブログにてご紹介した製品等のお問い合わせは、こちらのフォームから!!
      (お送りいただいた内容は、本ブログには掲載されません)

      ※送信後、3営業日以内に返信が無い場合、メールアドレスの入力誤りや、送信エラー等の可能性があります。その場合は、恐れ入りますが mail@tm-square.com までご連絡をお願い致します。

      田中ミノル の 勝手に、タイヤ比較! (A052 vs V700)

      2017年06月20日(火)

       

      別に、誰かに頼まれたわけではなく、

      お金をもらっているわけでも、ありませんが、

      4月に行われた REV SPEED ミーティング の事前テストにて、

      ADVAN A052  と、 KUMUHO V700 を比較する機会がありました。

      でね、タイヤメーカーのみなさんには、

      とっても、迷惑なお話ですが・・・・・、

      タイムアタック大好き! な、みなさんに、

      田中ミノル式の とっても偏った、

      そして、超個人的なインプレッションを お届けしたいと思います。

      もちろん、本ブログの内容には、正当性も、裏付けもなく、

      もちろん、タイヤの内部構造等を切り刻んで、

      比較確認も行っておりませんので、なんの公平性もないことを

      ご理解の上、お楽しみいただければ、ありがたいです。

      また、すべては、偏った 超個人的な見解ですので、

      実際に使用されて、田中のインプレッションと、

      大きく性能、イメージが違っていても、

      田中ミノル および、株式会社ミノルインターナショナル は、

      一切の責任が取れませんので、

      すべては自己判断であることを ご了承の上、お楽しみいただければ、幸いです。

      では、はじめてみたいと思います!

      じつは、このタイヤテストを行う前は、RE-71R を使用していましたが、

      どうも、製造タイミングによってグリップに変化があるように感じたので、

      (きっと、田中が夢か何かを見ていたのだと思いますが・・・・・・・)

      ADVAN A052  と、 KUMUHO V700 を比較して、速い方のタイヤを

      REV SPEED ミーティングに使用しようと思ったのが、今回のタイヤ比較の背景です。

      また・・・・・、

      今回の比較は・・・・・・、

      タイヤサイズが違っており、

      まったく同じ条件での比較ではありませんでした。


      ADVAN A052

      F 225-45-16    R 205-50-16

      KUMUHO V700

      F 235-40-17    R 215-45-17

      本当は、ADVAN A052 も、17インチでテストしたかったのですが、

      サイズバリエーション がありませんでしたので、

      上記のサイズにて、比較しました。

      では、タイヤを各項目別に、比較してみましょう!

      まずは、キャラクター から!!


      ① コンパウンドのキャラクター

      ADVAN A052   →  密度が低い ソフトコンパウンド系

      KUMUHO V700  →  密度が高い ハードコンパウンド系

      まぁ~、一般的には、

      ソフトコンパウンド = ハイグリップ といったイメージが強いですが、

      これは状況によって逆転することも多々あります。

      そう! 使用環境によっては、ソフトコンパウンドより、

      グリップが高い ハードコンパウンド という状況も、存在するのであります。


      ② トレッド面の厚みに対するキャラクター

      ADVAN A052   →  ゲージと呼ばれる トレッド部が厚い

      KUMUHO V700  →  ゲージと呼ばれる トレッド部が薄い

      これは、ちょっとマニアックな表現となりますが、

      トレッド部(タイヤが路面と接してる部分)の厚みの比較となります。

      この厚みの中には、

      ベルトと呼ばれる構造が、ゴムでサンドイッチされている部分と、

      タイヤのブロック(山)の部分があり、これらの厚みをトータルし、

      ゲージと呼ばれます。

      まぁ~、カンタンに表現するならば、

      タイヤを輪切りにした時のトレッド部の厚みと言えば、

      ご理解いただけると思われますが、いかがでしょうか?

      そして、上記、①②にて、大まかなタイヤのキャラクターが決定します。

      ADVAN A052   →  厚いゲージに、密度の低い ソフトコンパウンド

      KUMUHO V700  →  薄いゲージに、密度の高い ハードコンパウンド

      で、このキャラクターにより・・・・、

      ③ タイヤの温まりやすさ

      これは、圧倒的に、ADVAN A052  にアドバンテージがあります。

      まず、ゲージが厚いと、ゴムとゴムにサンドイッチされた

      ベルト(構造部分)が動くことで発熱します。

      ちなみに、レーシングカーのスタート前、フォーメーションラップ等で、

      ジグザグ運転しているのは、この構造部分にヨレを発生させて

      タイヤ温度を上げているんですよね~。

      おまけに、ADVAN A052 は、

      温まりやすい ソフトコンパウンド との組み合わせですから、

      温まりに関しては、ADVAN A052  に、圧倒的なアドバンテージが、あるのです。

      対して、KUMUHO V700 は、ゲージが薄く、ハードコンパウンド ですので、

      特に、路温の低い冬場とか、路温の低いWETコンディションでは、

      なかなか、タイヤが温まってくれません・・・・・・・・・・・・・・・・。

      ④ 低荷重でのグリップ

      こちらも、圧倒的に、ADVAN A052  にアドバンテージがあります。

      厚いゲージに、密度の低い ソフトコンパウンド の組み合わせですので、

      やはり、低荷重には強いです。それぐらい、低荷重の状況では、

      トリモチのような、ゴムのグリップが、有効なのだと思います。ハイ。

      そう言えば、昨年、スイフトマイスター決定戦のスーパーラップにて、

      ADVAN A052 が、強力なパフォーマンスを発揮したのは、

      1) FSW ショート は、大きな荷重がかからない コースレイアウト!

      2) 季節的に、とっても低い路面温度!

      3) 十分にウォームアップができない スーパーラップ方式のタイムアタック!

      といった、要因がバッチリと、ADVAN A052 にマッチングしたから、

      だと田中は思います。

      でも反対に・・・・・、

      ⑤ 高荷重でのグリップ

      これは、KUMUHO V700 の方が、圧倒的に、◎ です。

      薄いゲージに、密度の高い ハードコンパウンド 

      そして、とっても剛性のあるケーシング の組み合わせですから、

      ドラテクにより、ガッツリとタイヤを上から押さえ付けて

      高荷重の状況を作れるドライバーは、

      剛性感ある 強烈なグリップを手に入れることができます。

      そして、このグリップ感の凄いところは、

      グリップする → もっと荷重がかかる → もっとグリップする → もっと荷重がかる・・・・・、

      といたように、強烈な相乗効果にて、

      ガッチリ とグリップして、まさに、オンザレール の状況となります。

      そうです!  

      この相乗効果を発揮するには、

      大きな荷重を受け止められる 「剛性」 が何よりも必要なのです。

      だって、大きな荷重を受け止めることができれば、

      その荷重は、大きなグリップになるのですから!!

      対して、厚いゲージ & 密度の低い ソフトコンパウンド の 

      ADVAN A052  では、

      グリップする → もっと荷重がかかる → タイヤがヨレる → グリップダウンする・・・・・、

      といたように、トレッドの内部にヨレが発生することで、

      大きな荷重をかけると、グリップダウンしてしまうのです。

      よく、ドライバーコメントでは、

      高荷重の状況で、「グニャグニャする」 とか、

      荷重をかけ過ぎると、「タイヤがヨレる」 とか、

      「トレッド部分が動く」 とか、

      「温まるとレスポンスが悪くなる」 

      といった感じになりやすいと、思われます。ハイ。

      ⑥ 高温時のグリップ

      これも、KUMUHO V700 の方が、圧倒的に、◎ です。

      「高荷重でのグリップ」 にて、説明しましたように、

      タイヤが温まると、厚いゲージ & 密度の低い ソフトコンパウンド の

      ADVAN A052  では、タイヤの内部にヨレが発生します。

      すると、このヨレによる摩擦で、トレッド内部の温度は、どんどん上昇し、

      でもって、温度が上がることで、このヨレはもっと大きくなってしまうのです・・・。

      要するに、厚い部材はヒステリシスロスが大きいので、

      運動エネルギーを熱エネルギーに変換しやすくなることから、

      必要以上にタイヤ内部の温度が上がり、ヨレを発生させてしまうのであります。

      まぁ~、どうしても、    厚い部材  =  蓄熱しやすい 

      となりますので、路面温度の高いシーズンは、少々厳しい状況となるのであります。

      ちなみに、ブローの原因となる、ブリスターは、

      タイヤの構造部分にて、強烈に蓄熱することにより、

      タイヤの内部がオーバーヒートして、タイヤ表面に穴があく現象なんですよね~。

      以上の理由により、高温時のグリップを比較すると、

      薄いゲージ & ハードコンパウンド により、

      タイヤ内部の温度上昇が限定的で、タイヤのオーバーヒートに強い

      KUMUHO V700 に、アドバンテージがあるのです。

      いかがでしょう・・・・・?

      なんとなぁ~く、タイヤのキャラクターは、伝わったでしょうか??

      誤解を恐れることなく、

      V700 と、A052 の向き/不向き、得意/不得意、といった観点から、

      各項目別に、田中がマッチングが良いと思うタイヤは・・・・・、

      低荷重状態でのグリップ 力          →   A052

      高荷重状態でのグリップ 力          →   V700

      低い路温での温まりやすさ           →   A052 

      高い路温でのシッカリ感             →   V700

      冷間時のグリップ 力               →   A052

      温間時の剛性感                 →   V700

      温間時のレスポンス               →   V700

      コーナリングはステアリング命!        →   A052

      コーナリングは荷重移動の有効活用!   →   V700

      重量の軽い車両(軽量化が進んだ車両)  →   A052 

      と言った感じとなります。

      (クドイようですが、すべて、田中の独断と偏見と思いつきですので、

      物理的、化学的な根拠は何ひとつありません・・・・・・・・・・・・・・・・)

      で、4月に行われた REV SPEED ミーティング

      このアタック本番 で、田中がチョイスしたのは・・・・・・、

      KUMUHO V700

      (タイヤウォーマー使用)

      で、ございました。

      ま、タイヤウォーマーを使用することで、

      V700 のデメリットを最小限に抑制し、

      TC2000 における高荷重に、ヨレることなく、対応できる V700 をチョイスしました。

      で、もし、タイヤウォーマーが使用できなければ、

      A052/V700 のどちらにするか、かなり迷ったと思います。

      だって・・・・・、

      A052 チョイスなら、タイムアタックのチャンスは、 1Lap のみ!

      きっと、2Lap 目になると、「トレッド内部の動き」 により、タイムは伸びないし・・・・、

      反対に、V700 で、タイヤウォーマー無しなら、リアタイヤが温まるのに、

      7~8Lap は、必要となりますので、超オーバーステアの状況で、

      冷静にタイヤを温めるという リスクが生じてしまいますからね・・・・・・・・・・・・・。

      また、スイフトは、NAですから、

      周回しても、パワー的にパフォーマンスは落ちませんが、

      エンジンが熱を持つ前にアタックする必要のある ターボカーなら、

      きっと、A052 チョイス になったと、思います。

      ですから・・・・、

      アタックは、1Lap で決める自信がある   →   A052

      数Lap 走らないとタイムが出ない      →   V700

      といった、一面もあると、思います。

      以上、忖度0% & 超個人的な思い込みによる

      田中ミノル の 勝手に、タイヤ比較! (A052 vs V700) でした!!

      誰にも、怒られませんように・・・・・・・・・。