TM-SQUARE 強化クラッチディスク SPEC 2 登場!

2015年06月17日(水)

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今夜は、TM-SQUARE 新製品 のお知らせであります!

(正確には、マイナーチェンジ モデル の登場です)

発売以来、みなさんに、ご好評をいただいております

ZC31S の 強化クラッチ。

そうです!  

圧着力 を 一般的な強化クラッチと、純正クラッチの中間となるように、

新規レートのダイヤフラムスプリングを採用し、

純正比 20% UP を実現した クラッチディスク と、

スポーツタイプ の ライニングを使用した クラッチディスク  のセット

TM-SQUARE 強化クラッチ が、マイナーチェンジしたのであります!!

※ 圧着力とは・・・・。

クラッチディスク は、クラッチカバーとフライホイールの間に挟まれています。

クラッチをつないだ状態では、クラッチカバーのダイヤフラム(スプリング)により、

クラッチディスク は強く押し付けられており、これらから発生する摩擦にて、

エンジン動力が、ミッションへと伝わります。

そして、このクラッチカバーが、クラッチディスクを 押し付ける力 を 「圧着力」 と呼びます。

もちろん、圧着力が高いほど、大きなパワーに対応できますが、

クラッチを踏む力が必要となり、クラッチが重くなります。 

それでは、何がマイナーチェンジしたのか、詳しく説明しましょう!!

まず、変更となった部分は、

クラッチカバー   →   今までと同じ製品です

クラッチディスク  →   SPEC 2 へ 変更しました

そうです、マイナーチェンジしたのは、「クラッチディスク」 のみです。

でもって、クラッチディスク の 何が変更になったかと言いますと・・・・・、

この部分に・・・・・・・・、

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波型ディスクスプリングを追加したのであります!

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理由は・・・・、

「半クラッチ領域のコントロール性を向上させるため」 なんですね~。

じつは、この波型ディスクスプリング、

純正クラッチディスク には、装着されているのですが、

よりダイレクトなフィーリングを求められる スポーツ対応品には、装着されていない・・・・・・。

イメージで解説すると、

半クラッチ から、クラッチをつなげる瞬間、

波型ディスクスプリング なし の方が、半クラッチ領域が狭く

波型ディスクスプリング あり の方が、半クラッチ領域が少し広く

なります。

だったら、

よりスポーティーな 波型ディスクスプリング なし の方がイイ!

となるのですが・・・・・・・、

じつは、スイフト (特に ZC31S) は、クラッチペダルを踏んで、

クラッチカバーを押すまでの間に存在する 各パーツに、

あちこちで、「タワミ」 が発生してしまうのです・・・・・・・・・。

ですから、クラッチカバー の 圧着力を向上させると、

この 「タワミ」 が、より大きくなってしまい、

その状況で、クラッチディスク を 

半クラッチ領域が、少ないタイプに交換すると、

非常にデリケートな クラッチミート となってしまうのです。

そこで!!

TM-SQUARE クラッチディスク SPEC 2 では、

純正同様 の 波型ディスクスプリング を採用し、

より扱いやすい仕様に、変更した次第でございます!

このTM-SQUARE クラッチディスク SPEC 2 の登場にて、

強化クラッチでありながら、クラッチミート の操作性が、より簡単となりましたので、

ストリート派にも自信を持ってオススメできる製品なのであります。ハイ。

また、もちろん、ライニング部は、

高温対応のハイグリップ スポーツタイプ を採用していますので、

吸排気 & ECU による パワーアップにも、サーキットの連続走行にも、とっても安心です。

ただ・・・・・、デメリットもあります・・・・・。

それは、価格が、¥2,000 アップ になりました。

(すいません・・・・・)

詳しくは、こちらで!

(TM-SQUARE 強化クラッチ WEB サイト)

以上、TM-SQUARE 強化クラッチディスク SPEC 2 のご紹介と、

クラッチに関する プチウンチク でした!!

田中ミノル式 ドラテク道場   「これが、荷重移動だ!」  開催のお知らせ!!

2015年04月24日(金)

 

いや~、田中の夢が、またひとつ 実現しそうでございます!

(じつは、田中には、ずっと、前から、

1回やってみたかった ドラテク企画がありました!!)

それはね・・・・・、

安全が確保された 広い駐車場で、

徹底的に、荷重移動のトレーニングを行うこと です!!

そう・・・、徹底的に! というところが、ポイント なんですよね~。

では、まず、

イベントの日程 & 場所 & 募集詳細 から!

日時

6/13 (土曜日) 

午前の部   8:00 ~ 12:30

午後の部   13:00 ~ 17:30

(完全 入れ替え制)

場所

富士スピードウェイ(FSW)   P7  駐車場

募集車両

FF コンパクト 車両

(そうなんです! 今回はスイフトONLY ではなく、FFコンパクト車両なら、オールOKです!!)

午前の部   16台  (8台 × 2グループ)

午後の部    16台  (8台 × 2グループ)

※ ヘルメット不要
  
   運転しやすい服装と、運動靴で、お越し下さい!


エントリー代

¥7,000!

でもって、

とっても気になる 内容は・・・・・・・、

田中が設定した 特設オーバルコース (散水あり) を

ひたすらグルグルと、走っていただこうと思っています。

そして、この トレーニングは、5部構成!

走行①  まずは、コースを覚えてみよう!

走行②  アンダーステア / オーバーステアを 出してみよう!

走行③  オーバーステア を 出してみよう!

走行④  荷重移動 を 有効活用してみよう! ①

走行⑤  荷重移動 を 有効活用してみよう! ②

※ 各セッション 2~3分といった走行時間です。

各走行前には、すべて、田中からのインストラクションがあり、

このセッションで、「何をすべきか」 を

徹底的にレクチャーを受けてからの走行となり、

また、コースは、ずっと固定となりますので、

運転に集中し、ドラテクとガッツリ向かい合うことができる

プログラムになっております。ハイ。

で、どんな方に、

このトレーニングを挑戦いただきたいかと言いますと・・・・・、

バッチリ と、適合する人!

サーキットデビューの ひとつ前のステップとして、基礎を徹底的に!

アンダーステア/オーバーステアを出してみたい!

アンダーステア/オーバーステアをコントロールしてみたい!

サーキットにて、タイムアップするためのトレーニングとして!

(そうです! サーキットをすでに走っている人にも、◎ なのです!!)

ハンドルで曲がる ではなく、荷重で曲がる! を理解/体感したい!

荷重移動によるコーナリングの真髄を 理解/体感したい!

反復練習により、徹底的に、荷重移動トレーニングを行いたい!

話を聞いて、頭で理解したことを、安全な場所で実践してみたい!

自分の理解と、実際のクルマの動きが、リンクしているか、確認したい!

頭で理解しながら、ドラテクを向上させたい!

適合しない人!

話を聞くより、とにかく走りたい!

ストレスを発散させたい!

スピードを出してみたい!

限界を越えた状態で、走ってみたい!

自分のドラテクを みんなに、見せつけたい!

自分のクルマの速さを みんなに、見せつけたい!

いろいろなコースを走ってみたい!

いろいろなカリキュラムを体験したい!

といった感じで、

駐車場等を使用した

一般的な、ドライビングレッスンとの違いとしては、


 一般的な、ドライビングレッスン             田中ミノル式 ドラテク道場   

盛りだくさんなトレーニング内容       →     荷重移動 に 特化した メニュー

アトラクション的な要素 アリ          →     アトラクション的な要素 ナシ

クルマのコントロールを身体で覚える    →     頭で理解して、徹底的に練習する

となります。

(なんとなく、テイストを理解いただけましたでしょうか?)

で、なぜ、田中は、このトレーニングを

企画したかったのか・・・・・・。

それはね・・・・、

このトレーニングって、

スポーツドライビングの基礎中の基礎であり、

そして、ドラテク的に、一番難しい 「荷重移動」 の

すべてが、凝縮されていると、田中は思うからです。

だって・・・・・・、

自動車メーカーが主催する ドライビングレッスン 等で、

このトレーニングの設定があると・・・・・、

前日に行われる リハーサル で、

現役レーシングドライバー達は、ず~っと、走っているぐらい、

ドラテク向上には、メッチャ 役に立つ トレーニング なのであります。

レーシングドライバーが、

このトレーニングを やり続ける理由・・・・・・・、

それは、楽器で言えば、まさに、チューニング!!

荷重移動トレーニングは、なんと言っても、

進入スピードと、ブレーキリリースのバランスが、キモとなりますので、

このバランス合わせを 徹底的に行うのであります。ハイ。

もちろん、田中も例外ではなく、

現役のころ TOYOTA さん 関連のイベントのリハーサルで、

「もう、イイ加減にしろ!」 と、怒られるまで、ず~っと、やってました・・・・・。

ですから、このトレーニングの

メリットと難しさを知り尽くした? 私、田中ミノルが、

「どのように走れば、荷重移動を自在に活用できるか!」 を

みなさんに、カンタンに、そして、徹底的に、レクチャーする企画

それが、田中ミノル式 ドラテク道場   「これが、荷重移動だ!」  なのであります!

最後に、何点か注意事項があります。

① 参加者全員が 「荷重移動が必ずできる」 わけではありません。

荷重移動を活用して、曲がれるようになれるか どうかは、個人差があります。

でも、確実にお約束できること、それは、「どうすれば、荷重移動を活用できるかを

頭の中で理解ができる」 ことです。

また、より荷重移動を理解いただくために、田中が運転する TM号に、

参加者全員、同乗いただけます!!

② 途中で、レッスンを続行いただけない場合があります。

田中、および、スタッフの指示に従っていただけない方や、

オイル漏れをはじめ、車両に不具合がある場合は、

レッスンを続行いただけないことがあります。

特に、本レッスンは、「頭で理解する」 ことと、「平常心でトレーニングする」 

ことを 重要視していることから、ヘルメットを使用せず、トレーニングを行いますので、

みなさんの安全を守るために、必ず、我々の指示に従って下さい。

③ 車両はノーマル車両で、まったく問題ありません。

もちろん、スポーツパーツが装着してある状況でも問題はありませんが、

足回り、ブレーキ等、まったくのノーマルで、問題ありません。

また、レンタカー等でのご参加でも、大丈夫です!

(あっ! レンタカー会社には、レッスンでの使用が可能か、確認下さいね!!)

④ 参加資格は、「田中の話を聞いていただける」 ただ、それだけです!

サーキット走行や、ジムカーナ等の経験 「ゼロ」 でも、

そして、スポーツドライビング ビギナーでも、まったく大丈夫!

(もちろん、ライセンス等も必要ありません)

レッスンの内容は、かなりハイレベルですが、

各走行前に、田中のインストラクションがありますので、シッカリ話を聞いて、

ステップ by ステップ にて、トレーニングを行ってください。

以上となります。

まぁ~、初めての試みですので、

田中がみなさんにお伝えしたいと思っていることが、

どれぐらい的確に、お伝えできるかは、未知数ではありますが、

先日、テストパターンとして、体験受講した 佐藤さんは、

「難しいけど、楽しくって仕方ない!!」 と、かなりの周回数を走ってましたね~。

ちなみに、本人いわく、

今まで、自分では正しいと思っていた ブレーキリリース と、

荷重移動を活用するための ブレーキリリース とでは、大きな違いがあり、

それがわかった瞬間、「急にまわりが明るくなった!」 と、

意味不明な言葉を発しておりました・・・・・・・・。本当に、わかったのだろうか・・・・・(笑)

でも、まぁ・・・、

「荷重移動を完璧に理解した!」 と帰りにも言っていましたので、

きっと、わかったのだろうと、思われます。

(そうです! 佐藤さんでも、わかるレベルですから、

ビギナーのみなさんも、安心してご参加下さい!!)

それから、このイベントは、FSW の主催となりますので、

エントリーは、弊社ではなく、FSW となります。

募集は、まだ先になりますので、

募集がスタートするタイミングがわかり次第、

また、このブログで、ご案内したいと思います!!

以上、 田中ミノル式 ドラテク道場   

「これが、荷重移動だ!」  開催 のお知らせでした!

 楽しみだなぁ~!!

エンジン
TM-SQUARE 強化エンジンマウント インプレッション!

2015年02月16日(月)

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今夜は、先日、発売しました

TM-SQUARE 強化エンジンマウント のインプレッションが、

早速届いておりますので、みなさんに、ご紹介したいと思います。

ちなみに、3箇所とも、

純正 → TM-SQUARE 強化エンジンマウント に、交換いただきました。

では、ノーカット & ノー編集 で、どーぞ!

本日、杉田さんに強化エンジンマウントキットを取付していただきました。

自身のブログに詳細をアップしても良かったのですが、何分素人ゆえ・・・。(苦笑

ダッシュのビリビリ音&アイドリング時の振動

純正比 200% UP

20%と見間違えていました。(汗

正直、期待は皆無で不安だけが頭をよぎります。(汗

装着後、緊張の瞬間

エンジン始動と同時に、ハンドルとシートから五臓六腑に染みわたる振動と、

官能的な”サウンド”が、身体と魂を揺さ振ります。

前車でも強化マウント入れていましたが、慣れるのにそう時間は掛かりませんでした。

しかし-

TM強化エンジンマウントキット

クラッチをを繋ぎ、アクセルを入れた刹那、

水面から勢いよく飛び立つ白鳥の様に、一気に加速していきます!

これまで3千回転でクラッチミートしていましたが、気が付けば4千付近まで吹け上がり

明らかなアクセルレスポンスの向上が見られ、ピックアップの良さは特筆ものです。

ミノルさん渾身のエキマニを導入した時の、あの興奮と感動が蘇りました。

レーンチェンジも同様に、以前と同じ舵を入れるとクルマが即座に反応し、

瞬く間に車線変更は完了します。

ブレーキの効き具合然り、コーナリング性能までもが、導入前とは全く次元の

違うマシンへと変貌を遂げたのです!

街乗り&法定速度ですらこの感じです、

サーキットにおけるパフォーマンスは如何ばかりでしょうか?!

もちろんわたしの腕ですから、タイムアップに繋がるかどうかは微妙ですが(汗)、

早く走行したくてウズウズしています。(苦笑

では肝心の普段乗りでのデメリットについて

音は言うに及ばず、振動と併せて長時間の走行により、ボディーブローのように効いてきます。

わたしの場合、お腹の痛い時は携帯トイレを持参した方が良いかも知れません。><

ダッシュボードも自力で換装したためビビり音があったのですが、

視界に入る全ての内装が悲鳴をあげ、ルームミラーに映ったわたしは、

「ムンクの叫び」を彷彿とする、焦りの中に有りました・・・。

と、ざっとこのようなファーストインプレッションですが、

導入するメリットとデメリットがハッキリと二分される

TM製品は他に無いのでは・・・、とすら感じています。

私的にですが、サーキットでのタイムアップと

普段乗りでの最小限の快適性を犠牲にするコンセプトで歩んでまいりますので、

変わらず末永く、愛車共々よろしくお願いいたします。

いや~、予想どおりというか、

予想以上のアクティブな内容でございます(笑)

でも、ホントこの商品は、

メリットとデメリットが共存する製品となりますので、

ストリートのデメリットより、

サーキットでのメリット重視なら、3点交換

ストリートの快適性を大きく犠牲しない範囲で、

サーキットでのメリットを求めるなら、1点交換(リアのみの交換)

と、ニーズに合わせて、チョイスして下さいね。

という意味では、本文中に・・・・・、

普段乗りでの最小限の快適性を犠牲にするコンセプト

とありますので、

もしかしたら、1点交換の方が良かったのかも・・・・・と、いう気もいたしますが・・・・(汗)、

きっと、サーキットを走ると、イメージが変わるかも、ですね~。

ということで!

サーキット走行後のインプレも、ぜひぜひ、教えてくださいね!!

以上、本日届いた、

TM-SQUARE 強化エンジンマウント の インプレッション でした!

エンジン
TM-SQUARE エンジンオイル 「M16A」 ペール缶 発売のお知らせ!

2015年02月12日(木)

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発売以来、全国のスイフト乗りのみなさんに、

大好評をいただいております 

TM-SQUARE 「M16A」 エンジンオイル。

「M16A」 エンジンオイル の詳細は、こちらから!

そうです!

サーキット & スポーツドライビング 完全対応の 粘度特性 (5w-40)  と、

富士フイルム にて、製造されている FTソフトマター の配合にて、

築き上げてきた、実績と信頼!!

いや~、本当にたくさんのみなさんに、

ご使用いただき、感謝、感謝でございます!

でね!

今夜は、この TM-SQUARE エンジンオイル に、

20L ペールが、バリエーションに加わりましたので、

そのお知らせなのであります!

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20L のペール と言えば、

「量り売り」 が可能となりますので、

オイルフィルターの容量や、オイルクーラーの有無にて、

若干、変化する必要なオイル量に完全対応!!

そうです! 必要な分だけ ご購入いただけますので、やっぱ、便利ですよね~。

ということで、全国の TM-SQUARE 製品の販売店のみなさま、

どうぞよろしくお願いいたします。

また、お値段は、¥47,000(税込み) となり、

すでに、在庫もございます。ハイ。

とまぁ~、

上記の 商品紹介だけでは、少々、田中のブログっぽくないので、

今夜は、なぜ、TM-SQUARE が、「M16A」エンジン 専用油 に、

5w-40 という粘度特性を チョイスしたか について、お話しましょう!

スイフトのエンジントラブルで、圧倒的に多い症状

それは、「4番メタルの焼き付き」 です。

(あっ、田中も、もちろん経験者です・・・・・・笑)

で、オイル開発をはじめた時、

とあるレース関係のエンジン開発を行っている重鎮に、

話を聞きに行ったことがあるんです。

そこで、スゴ~く勉強になった ひとこと・・・・・・・、

それは、「ロングストロークのエンジンは、メタルに厳しい」 という内容でした。

要するに、最近は、スポーツエンジンと言えど、

燃費を無視するわけには、いきませんよね。

すると、比較的、低い回転でも、

ある程度のトルクを発生する必要があります。

そうなると、どうしても、ロングストロークの方向となり、

スイフトスポーツの M16A エンジン も、例外ではありません。

たとえば、1600cc のスポーツエンジンと言えば、

B16A (VTECエンジン)

4G92 (MIVECエンジン)

4A-G  等が有名ですが、

ボア × ストローク を 見比べてみると、

ボア         ストローク 

M16A        78.0           83.0

B16A         81.0           77.4  

4G92         81.0           77.5

4A-G         81.0           77.0

要するに、同じ 1600cc でも、

この中では、「M16A」 のストロークが、一番長いと いうことになります。

でね、ロングストロークのエンジンで、

サーキット走行等、高回転を多用すると、

ピストンスピード (ピストンが移動するスピード) が、すご~く速くなってしまいます。

そうです! 同じエンジン回転数でも、ストロークの長いエンジンの方が、

ピストンスピードが速くなってしまうのです。

そして、このピストンスピードには、限界値というものがあり、

限界値に近づくと、ピストンとシリンダー間の抵抗も大きくなってしまうのです・・・・。

(だから、超高回転型のエンジンは、ショートストロークなんですよね・・・)

するとね・・・・・、

この抵抗が大きくなった状況で、加速、減速を繰り返すと、

ピストンを動かすことに大きな力が必要となり、

結果、メタルに大きな負担が、かかるんです・・・・・・。

(だって、強烈に引っ張られたり、押されたりするんですから・・・・)

おまけに、高回転を多用する状況では、

油温はかなり高くなっていますので、

エンジンオイルは、どうしても、粘度低下を発生しやすい状況となり、

油圧は低くなりがちです。

この状況で、大きな 「G」 で、オイルが片寄ったり、

アクセル OFF で、回転が低くなると、

オイルポンプから一番遠い、4番シリンダーに供給される オイル量が減少し、

メタルトラブル・・・・・・・・、となるわけです。

ですから・・・・、

この最悪の状況を避けるために、

そして、いつでも安心して、高回転で走れるように、

たとえエンジンオイルが高温になっても、

「しっかり、油圧がかかる 粘度設定 が、スイフトには、重要だ!」 という考えで、

作り込んだのが、TM-SQUARE 「M16A」 エンジンオイルなのであります。ハイ。

以上、TM-SQUARE が、スイフト専用油 として、

5w-40 をチョイスした理由! でした!!

エンジン
TM 強化エンジンマウント ZC31S リリースです!

2015年02月05日(木)

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先日のブログ でもお伝えしました、

TM-SQUARE の新製品

強化 エンジンマウント(ZC31S専用品)

いよいよ、製品も入荷し (在庫、ありますよ~!) 

販売スタート! なのであります!!

そして、みんカラ の お友達にいただいた アイデア にて、

TM-SQUARE の強化エンジンマウントは、単品販売も、可能としてみました!

エンジンマウントキット(1台分3個セット)    ¥46,500

エンジンマウント フロント左側         ¥15,000

エンジンマウント フロント右側         ¥22,000

エンジンマウント リア              ¥19,000

でね!

単品販売 可能ということで、

早速、 3号車 (ZC31S 純正サスペンション) の

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エンジンマウントを 1つだけ交換して

エンジンマウント フロント左側         純正品

エンジンマウント フロント右側         純正品

エンジンマウント リア              TM-SQUARE 製品

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会社に乗ってきたのですが・・・・・・、

うっ~ん! これは、抜群ではありませんか!!

この仕様なら、ストリート メイン の ユーザー にも、

自信を持ってオススメ できますね~!

田中のコメントは、

ミッションの入り    ダッシュのビリビリ音    アイドリング時の振動

3個セットで使用        ◎         純正比 200% UP      純正比 200% UP

リア 1箇所のみ        ○          純正比 50% UP        純正比 30% UP

「エンジンマウント リア」 を交換することによって、

ミッションの入りと、アクセルレスポンスは、明らかに向上するのですが、

デメリットは、かなり小さく、

ダッシュのビリビリ音、アイドリング時の振動 とも、

田中的には、あまり気にならないぐらいの範囲でした。

(音楽等が流れていれば、わからないと思うぐらいです)

ですから、メンティナンスの一環として、

(エンジンマウントは、長期間使用すると、だんだん動きが大きくなりますからね・・・・)

この 「エンジンマウント リア」 のみの交換なら、ストリート派 のみなさんにも、

自信を持ってオススメできます。ハイ。


音や振動より、サーキットのパフォーマンス優先なら        →  3個セット

すでに、リアには、強化品が装着済みなら              →  フロント 左右

快適性をあまり犠牲にしない範囲で、シフトフィールUP なら   →  リア

と、ぜひぜひ、ニーズに合わせて、チョイスくださいね!

ちなみに、「匠の日」 / 「匠工房」 での 交換工賃は、

エンジンマウント フロント右側 & フロント左側   →   両方で ¥5,000

エンジンマウント リア   →  ¥7,000

を予定しています。

そうだ!

「エンジンマウント リア」 のみの交換で、

乗り味がどのように変化するか、気になる方は、

次回の「匠の日」で、3号車に乗って、ご確認下さいね!

(3月には開催できると、思われます・・・・・)

以上、ZC31S NEWパーツ リリースのお知らせでした!

 
 
 
 
 
 
 
 

-その他パーツ-
ワイドレンジドアミラー ZC32S  仕様も、設定されております!

2015年02月05日(木)

最近、立て続けに、

「ワイドレンジ ドアミラーの 32用 は、リリースしないんですか?」 って、

ご質問をいただきました。

 

 

 

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ずいぶん前に、リリースしている商品なのですが・・・・・、

もしかして、みなさんに、ご案内していない? と、

急に不安になり、本日ブログを書いている次第でございます。

TM-SQUARE ワイドレンジドアミラー の広告文章を引用しますと、

スイフトのドアミラーって、どうも死角が多い・・・・・。

特に、シートを交換したり、シートレールをローポジ化すると、高速道路の合流や、

車線変更のときに、思わず「ヒヤッ!」 とすることが、多々ありませんか?

TM-SQUARE ワイドレンジドアミラー は、凸面ミラーの採用により、

ドアミラーの後方視界を拡大。斜め後方の死角を最小限に抑制することが可能となります。

「見えない」 ことで発生する接触事故の防止や、サーキットでの駆け引きに貢献する、

ドライバビリティに優れた、ドアミラーです。

また、防眩効果が高い、特殊コーティングを使用していますので、

後続車のヘッドライトによる、夜間の眩しさも、大幅に減少します。

そして、TM-SQUARE の ロゴ は、レーザーエッチング タイプを採用しました。

裏面にカッティングシートを貼付すると、ロゴ の色が変化しますので、

ボディーカラーに合わせた、コーディネイトも可能となりました。(2012年12月 仕様変更)

取付けは、とっても簡単。 付属の脱脂クリーナーで、純正ミラーをシッカリ脱脂して、

製品の裏面にすでに貼ってある、両面テープにて、純正ミラーの上から固定するだけです。

(純正ミラーは取り外さずに、純正ミラーの上から両面テープで貼り付けて使用します)

製品には、ミラーの貼付けに便利な、吸盤も付属しています。

といった感じでございます。

ワイドレンジドアミラー WEB サイト

お値段は、


ZC31S  →  ¥12,500

ZC32S  →  ¥12,500

どちらも 専用タイプ となり、

両アイテムとも、在庫は、◎ です!

以上、TM-SQUARE ワイドレンジドアミラー のご紹介でした!

駆動系パーツ
田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説  「曲げるための LSD 有効活用法」⑥

2015年01月26日(月)

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今回解説するLSD 装着のメリット。それは、

「コーナー進入時 (減速時) と、高速コーナーで、安定感が増大する」

という 内容なのであります。
(この安定感とは、リアの安定感を指し、
オーバーステアになりにくいという意味合いです)

では、まず、コーナー進入時 (減速を伴うコーナーの進入時) から
解説しましょう!
減速を伴うコーナーへ進入する場合、ブレーキング + シフトダウン
によって、クルマは大きく前傾していることから、リアの荷重が少なくなり、
セットアップによっては、オーバーステアが発生しやすい状況となります。

特に、進入部分が複合コーナーになっていて、
手前コーナーの 「G」 が残ったままのフルブレーキでは、
とてもピーキーな特性となりやすく、場合によっては、
クルマの安定感と相談しながら、ブレーキの強さを決める必要もあります。

このように、コーナー進入時、リアの安定感が不足している状況では、
LSD を装着すると、大きなメリットになります。

なぜなら、LSD の装着によりロック率が上がると、
クルマは真っ直ぐ走ろうとしますので、直進安定性が向上し、
このブレーキング時の唐突なオーバーステアを抑制してくれるからです。

また、少々、余談ですが、よく、1way タイプのLSD では、
減速側の カム角が設定されていないため、

「減速時は、LSD によるロックが発生せず、左右のタイヤがフリーになる」 

という話を聞きますが、これは間違っているように思います。

理由は、いくら減速側の カム角が設定されていなくても、
イニシャルトルク分 LSD は、ロックされるからです。

ですから・・・、減速時の効きが比較的マイルドな
1way タイプのLSD でも、コーナー進入時の安定性は、
オープンデフと比較すると向上します。

※ 上記の解説は、4輪のタイヤがすべてグリップしていることが
条件となります。タイヤが、グリップしていない状況では、
LSD の効きが強い方が、オーバーステアのバランスになることもあります。

では、タイヤがグリップしている状況における デフのロック率と、
減速時の安定感、そして、アンダー/オーバーのバランスを図解しましょう。

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上記のように、デフのロック率が高くなると、減速時の安定感が増し、
ドライバーは、思い切ったメリハリのあるブレーキングが可能となります。

結果、高い進入スピード & 大きな荷重移動を活用でき、それを組み合わせて、
より曲がりやすい状況をドライバー自身で作れることも、
LSD 装着のメリットのひとつです。
(もちろん、LSD のセットアップにも左右されます)

そして、LSD の装着による 強く安定したトラクションは、
高速コーナーにおいても、とても大きな武器になります。

なぜなら、オープンデフ等、デフのロックが弱く不安定な状況だと、
路面の小さなギャップに影響を受け、トラクションが小刻みに変化し、
オーバーステアの原因となる場合があるからです。

また、仮にオーバーステアバランスには至らない場合でも、
この不安定なトラクションは、ステアリング操作や、アクセルON/OFFに、
かなり神経を使う ピーキーな特性となり、ドライバーは自信を持って
攻めることができなくなってしまいます。

そこで、LSD を装着すると!飛躍的にトラクション性能が向上し、
連動して直進安定性も向上。また、トラクションの変化量も少なくなる
(一定のトラクションが安定してかかり続ける)ことから、
独特の 「ドッシリ感」 が生まれ、高速コーナーにおける安定感が増大します。

この安定感は、ドライバーの恐怖心を大きく抑制し、躊躇なくアクセルが
踏めるというメリットとなりますので、特に、トラクションが安定しない車両、
トラクションを掛けづらいハイパワー車両においては、
ドライバビリティを大きく向上させることが可能となります。

それに、トラクションが強く安定していることで、同じスピードで
高速コーナーに進入し、同じようにアクセルを踏んでいても、
エンジンパワーが、より効率よく路面に伝わることから、
コーナーの出口では、スピードが少し速くなるというメリットも加わります。

以下は、デフのロック率と、高速コーナーでの安定感、
そして、アンダー/オーバーのバランスを図解しています。

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デフのロック率が高い場合は、高速コーナーで安定しているという
メリットはありますが、少々曲がりにくくなり、バランス的には、
アンダーステア方向へ。

そして、LSDのロック率が低い場合は、曲がりやすいというメリットは
ありますが、安定感が弱くなり、オーバーステア方向のバランスとなります。

以上のように、減速時/高速コーナーともに、デフのロック率は、
クルマの安定性に対し大きく関与しています。

そして、安定性が向上すると、クルマは、アンダーステア方向のバランス
となることから、どれぐらいの強さでLSD を効かせるかによって、
そのクルマのキャラクターも決定付けられてしまう
とても重要なパーツなのであります。

また、減速時/高速コーナー における
LSD セットアップアップ の 「キモ」 は、
アンダーステアは、さほど強くない状況で、十分な安定性がある
「ちょうどイイ効き」 に設定することです。

さぁ~、今まで、6回に渡りお届けしてまいりました

田中ミノル式
FF 機械式 LSD 完全解説 「曲げるための LSD 有効活用法」

LSDの解説をメカニズムの図解や、複雑な計算式を使用するのではなく、
ドライバー目線(ドライバーが感じ取るフィーリング)のみで、
解説を行うという かなり無謀な企画でしたが、
みなさん、ご理解いただけましたでしょうか?

LSD を使用すると、ドライバーは、どのように感じ、
LSD をどのように活用すれば、速く走れるのか・・・。

ということを、一部でもご理解いただけていたら、田中は嬉しいですね~。

最後に、もう一度、おさらいすると・・・、

みなさんに活用していただきたい LSD のメリットは、

 オープンデフでは、反応してくれない、タイトコーナーの
  アクセルを踏み始める ポイントで、的確にトラクションが反応してくれる

② タイトコーナーのクリッピングポイント周辺で、ほんの少しアクセルを
開くと、アンダーステアが抑制され、急激にクルマが曲がり始める
  (LSD乗り)

③  コーナー進入時(減速時)と、高速コーナーで、安定感が増大する

といったことです。

そして、田中の個人的な見解となりますが、LSD を装着したことに対して、
少々注意が必要な部分は、

 ミッションオイルの交換頻度が高くなる

 アクセルON にて、LSD の ロック率が変化する状況で、
  少しだけ、直進安定性が悪くなる部分がある
  (ステアリングをホールドしていれば問題ない範囲です)

 LSD がロックすることにより、少し走行抵抗が増える
ことから、LSD
のメリットを有効活用できないと、
ラップタイムにアドバンテージがない

 LSD のセットアップ、使用するオイルによっては、
チャタリングが発生し、
ストリート走行での快適性が失われる

 キャンバーがガッツリと付いている場合、内輪の内側角の磨耗が進みやすい

と、なります。

なかなか、書きにくい部分ではありましたが、
みなさんが、今後、LSD を投入するかどうかの判断材料として、
メリットだけではなく、注意点も必要かと思い、誤解を恐れず、
書いてみました。

いや~、かなりの 長文となりましたが、以上が、

田中ミノル式 
FF 機械式 LSD 完全解説 「曲げるための LSD 有効活用法」 となります!

最後に、本ブログを書くために、たくさんのみなさんに、
ご協力いただきました!

TOM’S  レーシングエンジニア の TJ  さん

モーターファン イラスト レーテッド 編集部の M さん

モータージャーナリスト の S さん

内容を確認いただきました K 先生

心からお礼申し上げます。
ありがとうございました!

そして、長編ブログに、お付き合いいただきました みなさん!!
ありがとうございました!!

駆動系パーツ
田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説  「曲げるための LSD 有効活用法」⑤

2015年01月24日(土)

p18

では、今回は、LSD が装着されていて、
はじめて活用できるドラテクのお話です。

(そうです! この部分が、LSD 装着における
最大のメリットなのであります!!)

LSD を 「コーナリングパーツ」 として活用する
田中ミノル式 「曲げるための LSD 有効活用法」
それは、タイトコーナーのクリッピングポイント周辺における
ドラテクにあります。

そして、いよいよ、そのドラテクを伝授したいのですが・・・・・、
その前に、まず、オープンデフと、LSD の「トラクション配分の違い」
を理解いただく必要があります。

オープンデフ →  いつでも、左右均等に トルク (トラクション) を伝える

LSD   →  伝える トルク (トラクション) が、状況により左右で変化する

重要なこと、それは、LSD を装着した場合、
直進状態では、エンジンの トルク (トラクション) は両輪に均等に
振り分けられますが、コーナリング & 荷重移動 により、
タイヤのグリップに左右差が発生すると、分配されるトルク (トラクション)
は、左右均等ではなくなるということです。

ちょっと、混乱しますよね・・・・。
だって、LSD が装着されているほうが、いつも左右のタイヤが同じ強さ
(トルク) で、駆動されている、イメージがありますからね・・・。

でもね・・・、よ~く考えてください。コーナリング中、
左右のタイヤのグリップは、いつも、同じではありませんよね?

たとえば、100馬力のエンジンを搭載していて、ストレートでは、
左右のタイヤから、各々50馬力分のトラクションを路面に伝えていたと
しましょう。この状態から、コーナーに進入すると、外輪には、
大きく荷重がかかり、グリップは向上しますが、
内輪は、荷重が抜けた状況となり、グリップは低下します。

こうなると、たとえ デフロック 状態であっても、タイヤのグリップ分しか、
トラクションは路面に伝わりませんので、内輪 30馬力分  外輪 70馬力分
といったように、エンジンのトルク (トラクション) は、
タイヤのグリップによって、左右に分配されてしまうのです。

そうです! ここで言う、トルク (トラクション) の強弱とは、
「路面に伝わるトルクの強さ」 となりますので、
タイヤのグリップ状態によって、変化することになるのです。

問題は、この左右のタイヤに伝わるトルクが、どのように、
振り分けられるかですよね。

それを カンタンに理解するためには、もうひとつ覚えなければならない
法則があります。その法則とは・・・・・、LSDでは、

「負荷が低い方から、負荷が高い方へ、トルクは流れる!」

ということです。

要するに、エンジンから発生したトルクは、負荷が高いタイヤには、
多く割り振られ、負荷が低いタイヤには、
あまり割り振られないということです。

コーナリング中、大きく荷重移動されている状態
(外輪→荷重大 内輪→荷重小) では、タイヤのグリップが左右で異なり、
大げさに言えば、外輪 275幅のタイヤ、内輪 125幅のタイヤ といった
感じとなり、圧倒的に外輪のグリップが高くなります。

この状況で、アクセル(加速)や、エンジンブレーキ(減速)を使用すると、
外輪の負荷(グリップ)が大きいことから、内輪にかかっていたトルクが、
外輪に振り分けられることになります。

結果、外輪の方が強いトラクションを発揮する・・・、というのが、
LSDの正体 (田中ミノル式 ドラテクには、一番欲しい特性)
なのであります。

だって、クリッピングポイントからの加速中に、外輪のトラクションが
強いということは、すご~く曲がることにとっては、好都合です!

たとえば、直進状態であっても、駆動輪の 右に 275幅のタイヤ、
左に 125幅のタイヤ (外径は同じと仮定)を装着した場合、
大きなトラクションをかければ、クルマは左に曲がろうとしますよね?

ですから・・・、
コーナリング中、外輪へ振り分けられるトルクが強い状況では、
とっても曲がりやすい環境が発生するのです。

では、ここまでの解説を図によって、おさらい してみましょう!
まず、直線状態では、左右均等にトラクションはかかります。
(ここは、LSD 装着車でも、オープンデフでも同じですね)

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でも、コーナーで荷重移動が発生すると、内輪のグリップが減少し、
外輪のグリップが増加します。

すると、LSD の場合、トルクが外輪に振り分けられますので、
とっても曲がるのに、有利な状況が発生するのです。

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ただ・・・・、
この曲がりやすい環境を作るには、ドラテクが必要となります。

なぜなら、LSD を装着すれば、どんな状況でも、
クルマは曲がりやすくなるのではなく、
ドラテクを駆使し、ある一定の条件を満たしたときに この
「曲がりやすい環境」 が作れるからです。

では、ドラテクを交え 順を追って、タイトコーナーにおける
LSD有効活用方法を伝授しましょう!

まず、「トラクション性能の向上」でも解説しましたように、
ブレーキングを伴うコーナーの場合、ドライバーの作業は、

① アクセル OFF
② ブレーキング(減速のためのブレーキング)
③ 徐々にブレーキリリース(曲がるためのブレーキング)+ ステアリング
④ 完全にブレーキリリース + 最大舵角

の順です。

たとえば、FF 車両 & 左コーナー で考えると、
グリップの100%をヨコ方向に使用している 上記④ の状況では、
大きな荷重移動が発生していますので、タイヤのグリップは、
右フロント → 大  左フロント → 小 の状況となります。

そして、この状況から車速が落ちる等、少しでもグリップに
余裕ができれば、ドライバーは、ヨコ方向のグリップが不要になる分のみ、
ほんの少しアクセルを踏み、タテのグリップを使用することが可能となります。

もちろん、ここで、ドライバーが少しでもアクセルを踏み過ぎると、
曲がる(ヨコ方向のグリップ)と、加速する(タテ方向のグリップ)の両方を
要求されるフロントタイヤは、グリップの限界を越えてしまい
アンダーステアが発生してしまいます。(グリップの80%をヨコ方向に
使用している状況で、30%のトラクションを加えた状況等)ですから、
グリップのギリギリを狙って、ほんの少しだけアクセルを踏み始めます。

すると・・・・・、このアクセルにより、LSD のロックが始まります!

そうです! 荷重移動により、外輪に荷重が片寄っている状況で、
LSD がロックされることで、トルクを負荷の強い外輪に振り分けますので、
外輪のトラクションは、内輪より強くなり、
「一気にクルマは曲がり始めるのです!」

このクリッピングポイント周辺で、ほんの少しアクセルを踏む
(アクセル開度5%~20%レベル) テクニックこそが、
LSD乗り」 と呼ばれるドラテクなのであります。

ポイントはアクセルを踏む量です。
もし、クルマが加速するぐらいアクセルを踏めば、
タイヤの限界を一気に超えて、アンダーステアとなります。

だから、ここのアクセルは、加速のアクセルではなく、
LSD をロックさせるためのアクセルが必要となります。

また、ここでアクセルを踏むために、進入のスピードを控えたり、
スローインファーストアウトのラインを使用すると、アクセルを踏む
タイミングで、荷重の移動量が少なくなることから、効果が半減します。

ですから、しっかりコーナーへ飛び込んで、クリッピングポイント直前に、
十分に荷重移動している状況を作り、

「ここからアクセルを踏んだらアンダーになるだろうなぁ・・・」

というポイントから、LSDをロックさせるために、
加速させないように、ほんの少しアクセルを開く。

このテクニックこそが、LSD乗り」 の正体であり、
LSD を最大限に曲げることに、有効利用するドラテクとなります。

ポイントをまとめますと・・・・、

1) タイヤがグリップしていること
2) 大きな荷重移動が発生していること
3) 早いタイミングで、ほんの少しのアクセル

という組み合わせが必要となり、一番曲がりやすい状況を作るには、
荷重の移動量、アクセルを踏む量とも、かなりピンポイントです。

(ここは、いろいろなパターンをトライして、
一番曲がるパターンを探してください!)

そして、FF 車両の場合、駆動輪と、操舵輪が同じですよね・・・・・。
ということは、ハンドルが切れた状況で、LSDがロックし、
外輪のトルクが強くなりますよね・・・。

そうです、この曲がるのには、とても好都合なそして、
特殊な状況によって、クルマは、驚くほどグリグリと曲がり出します!

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ですから、はじめは、LSD をロックするためだけに、
ほんの少し踏んだアクセルは、「クルマが曲がること」 によって、
どんどん開けることが可能となり、「アッ」という間に、全開となります。

では、この一連の操作をドライバーの心境を元に解説すると・・・、

① レイトブレーキ気味に飛び込んで、うまくブレーキリリース
(コーナーのボトムスピードを上げるイメージ)

② 完全にブレーキリリースするポイントを ほんの少し早めに設定

③ ここからアクセル踏んだら、絶対にアンダーになるなぁ・・、
というポイントとスピードで、ほんの少しだけアクセルON
(なぜだか、身体にちょっとだけ力が入る・・・・)

④ するとLSD がロックされ、クルマはどんどんインを向く!
タイヤのグリップを超えた、なんだか異次元の曲がり!!

⑤ クルマは強烈に曲がるので、アクセルも一気に開いていく

⑥ えっ・・・、こんなハイスピードのまま、曲がれちゃった

といった感じとなります。
(伝わりましたでしょうか・・・?)

かなり、複雑な話となりましたが、
これが、FF 機械式 LSD のメリットであり、
「曲げるための LSD 有効活用法」なのであります。

ですから・・・・、曲げるためにLSD を活用するには、
上記のような独特のドライビングと、このドラテクに完全リンクした
LSD のセットアップ が必要となり、この両方が そろわない と、
いくらLSD を装着しても、

「タイムが速くならない・・・」
といった状況が発生してしまうのです。

ドラテク的に、よくあるNGパターンとしては・・・・、
オープンデフの時と同じように、アクセルがガッツリ踏める状況になってから、
一気に アクセルON! とか・・・・、
(クリッピングポイント付近にて、ほんの少しだけのアクセルが踏めない)

ブレーキリリースの精度が悪く、クリッピングポイント手前で、
アンダーステアを出してしまう とか・・・・、

進入スピードが甘く、クリッピングポイント周辺で、
大きな荷重移動状態を作れない とか・・・・、

アクセルを早く踏みたいので、立ち上がり重視のラインで進入・・・・では、
まったくLSD を有効に使用できませんので、
上記のドライビングに心あたりのある方は、
ぜひぜひ、田中ミノル式 LSD ドラテクを試してみてくださいね!

では、次回(最終回)は、減速時のメリットを解説します!

駆動系パーツ
田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説  「曲げるための LSD 有効活用法」④

2015年01月23日(金)

p17

さぁ~、今回からは、実際にドライバーがどのように
LSD を活用すれば、「今までより速く走れるのか」 といった部分を
お伝えしたいと思います!

ただ・・・、ここから先・・・・、
ドラテクの基本を理解する必要があるんですよ・・・。

ですから!エキスパートの方には、 「もう、知ってるよ!」 と
言われそうですが、「おさらい」 ということで、
少々ドラテクにお付き合いください。

タイヤの タテ グリップ / ヨコ グリップ
まず、タイヤには、
タテ方向のグリップ (ブレーキ & トラクション) と、ヨコ方向のグリップ
(コーナーに対して踏ん張る力) の2種類のグリップが存在し、
ドライバーはそれらを組み合わせて、グリップの限界内で走っています。

このグリップを余すことなく有効に使用するためのドラテク術である、

田中ミノル式   タテ + ヨコ ≦ 10 の法則

詳しくはこちらを!

その①
その②
その③
その④ 

要するに、減速を伴うコーナーにおいて、タイヤの タテ グリップ と、
ヨコ グリップ を 組み合わせることで、進入から立ち上がりまで、
ずっと、タイヤのグリップを Max に活用するためのドラテクなのであります。

では、本題に、いきますよ~!
LSD 装着によるメリット、まずは、みなさん よ~くご存知の
「トラクション性能の向上」 です。

LSD を装着すると、コーナリング中に、大きな荷重移動により、
たとえ内輪のグリップが、大きく低下しても、しっかり、外輪には、
エンジンパワー(トラクション)が伝わります。

ですから、内輪が空転することで、外輪のトラクションが途絶える
オープンデフと比較して、アドバンテージがあるのです。

しかし、メリットは、「トラクションが強いこと」 だけではありません。
特に、クリッピングポイント近辺で、ドライバーが、アクセルを開けた瞬間は、
とても大きなメリットが存在しますので、ちょっと、その状況をイメージして
みて下さい。

ブレーキングを伴うコーナーの場合、ドライバーの作業は、

① アクセル OFF
② ブレーキング(減速のためのブレーキング)
③ 徐々にブレーキリリース(曲がるためのブレーキング) + ステアリング
④ 完全にブレーキリリース + 最大舵角

の順で、クリッピングポイントを迎えますよね?

そして、クリッピングポイント周辺にて、少しでも、グリップに余裕が
できた瞬間、この余裕 (グリップ) を無駄なく使用するために、
ドライバーはアクセルを踏み始めます。

この状況を FF 車両のフロント外輪で考えると、タイヤの タテ グリップ と
ヨコ グリップ の関係は、下記のグラフ(面積)のように表記することが
できます。

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ちょっと、説明を加えると、ブレーキのリリースが完全に終了した後、
タイヤのグリップは、ヨコ方向のみに使用され、そして、曲がりながら
車速が落ちることで、少しヨコグリップに余裕が生まれる瞬間
(上図 A の部分) に、ドライバーはアクセルを踏みはじめます。

しかし、オープンデフ の車両では、このドライバーからクルマへの指示は、
反映されません。なぜなら、この状況でドライバーがいくらアクセル踏んでも、
内輪の空転により、外輪にトラクションが伝わらないからです。

結果、このクリッピングポイント周辺で、タイヤのグリップを有効に
活用することができず、ドライバーは、内輪の接地が強くなるまで、
「待つ」 しか手がありません。

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また、この指示(アクセルON)に対してクルマが反応しないことから、
ドライバーは、その先に存在する とっても重要なドラテク
(次回に説明します)を活用できないという大きなデメリットがあるのです。

いや~、ついに 核心に迫ってきました
田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説 「曲げるための LSD 有効活用法」

では、次回は、LSD 装着における 最大のメリットとなる、
究極の LSD 活用法 と ドラテク を 一気に、そして、ジックリ と
解説したいと思います。

みなさん、いよいよ ですよ~!
(明日の夜に、アップできるよう 頑張ります!!)

駆動系パーツ
田中ミノル式  FF 機械式 LSD 完全解説  「曲げるための LSD 有効活用法」③

2015年01月22日(木)

p15

今回は、前回の 「イニシャルトルク」 に続き、「カム角」 の解説を
しましょう。

LSD には、ドライバーが、アクセルによって、加速/減速(除く、1way)と
いったアクションを起こしたとき、デフのロックが強くなるように、
カム と呼ばれる ものが、装着されており、その カム の角度のことを
「カム角」と言います。

そして、このカム角 を機構的に説明するのではなく、ドライバー視点にて、
ドライビングに必要な部分だけを 超カンタン に、説明するならば、

LSD の効きが、一番強いポイントを決定するファクター」

となり、下図  B のポジション が、カム角の大小により、変化するのです。

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このように、LSD の効きが、

一番 「弱い」 ポイント を決定するのが、イニシャルトルク で、
一番 「強い」 ポイント を決定するのが、カム角

なのであります。

また、カム角の違いによる LSD の効きをイメージグラフで表現すると、
下記の感じとなります。

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いかがでしょうか?なんとなく、イメージが伝わるでしょうか??

このように カム角 は角度の表記となり、

角度が大きいと、より速く、そしてより強く ロック し、
角度が小さいと、マイルド に ロック する方向となります。

※ 効きの強さとスピードは、LSD の種類、イニシャルトルク、
使用オイルによっても変化します。

また、この カム角 は、加速側、減速側の 2種類が設定されており、
FF の場合、加速側 (アクセルON にて、加速している時) の 方が、
減速側 (アクセルOFF にて、エンジンブレーキが効いている時) より、
LSD の効き (ロック) が強くなる設定となっています。

なお、どの程度のロックを強いと感じるかは、ドライバー、セットアップ、
使用タイヤ、使用ステージによって、大きく異なりますが、
誤解を恐れずに、角度と効きの強さをイメージでお伝えすると・・・・・・・、

加速側
40度未満  →  カム角 小   効き弱め
40~50度  →  カム角 中   効き中間   
50度以上  →  カム角 大   効き強め

減速側
0~5度   →  カム角 小   効き弱め
5~20度   →  カム角 中   効き中間   
20度以上  →  カム角 大   効き強め

といった感じです。

たとえば、 加速側 60度  減速側 0度 であれば、
加速側は、強め 減速側は、弱め のセットアップ。

加速側 45度  減速側 30度 であれば、加速側は、
強めと弱めの中間  減速側は、強め のセットアップとなります。

※ 上記の評価基準は、田中ミノルの個人的見解となります。

そして、LSD は、カム角 の組み合わせから、
以下の3つのジャンルに分類されることもあります。

加速側と、減速側のカム角が同じもの  →  2way
(加速側と、減速側が、同じ強さでロックされるタイプ)
たとえば、加速側 45度  減速側 45度 等。

加速側と、減速側のカム角が違うもの   → 1.5way
(加速側に対し、減速側のロックの方がやさしいタイプ)
たとえば、加速側 50度  減速側 10度 等。

※ 減速側 0度 を除く

加速側(カム角設定あり)、減速側(カム角 0度)のもの   →  1way
(減速側は、カム角にてLSDがロックしないタイプ)
たとえば、加速側 40度  減速側 0度 等。

FF 車両の場合、一般的には、1.5way と、1way が、主流となりますが、
1.5way の中には、減速側のカム角が、1度でも、30度でも、1.5way
表記となりますので、少々混乱しますね・・・・・。

要するに、同じ1.5 way 表記であっても、1way と、
ほとんど変わらないものから、かなり、2way 寄りのものまで、
幅広くありますので、この way 表記ではなく、

たとえば、45-10 とか、60-05 といったように、カム角 で覚えてしまうと、
もっと、その LSD のキャラクターが、明確に理解できるかも知れないですね。

いや~、今回も、マニアックですいません・・・・・・。

前回 & 今回のポイント をまとめますと、

加速時のロックの強さ
 →  イニシャルトルク + 加速側のカム角 で決定

減速時のロックの強さ
 →  イニシャルトルク + 減速側のカム角 で決定

加速も減速もしていないときのロックの強さ
 →  イニシャルトルク で決定

といったことです。

以上のことから、セットアップの方向性としては・・・、
加速も減速もしていないときのロックと、減速時のロックをマイルドにして、
加速時のみロックを強めたいなら、
イニシャルトルク弱め、加速側のカム角(大)、減速側のカム角(小)となり、
加速時も、減速時も、そして、加速も減速もしていないときのロックも
強くしたいなら、イニシャルトルク強め、加速側のカム角(大)、
減速側のカム角(大)となります。

このように、LSD の効きの領域を 「イニシャルトルク」 と、
「カム角」 で設定し、この範囲の中で、アクセル の ON /OFF により、
LSD の効き(ロック率)を変化させる。

そして、このロック率の変化を活用し、コーナリング に アドバンテージ を
発生させること、それが、LSD を使用する メリット となるのです。

以上で、LSD の基本的な機能の解説は、終了となり、
次回からは、いよいよ!!LSD を ドライバーが、どのように活用することで、
速く走ることが出来るのかを ドラテクを交えて解説したいと思います!