「道場破り」 Vol 1  筑波1000  秘密の攻略法 (セットアップ)

2011年02月21日(月)

 

 

やっと、まとまりました。

「道場破り」 Vol 1 筑波1000 秘密のセットアップ 。

 

 

今回の持ち込みセットは、

 

タイヤ        F  クムホ V700  225-45-16   温間内圧  2.5K
                     R  クムホ V700  205-45-16   温間内圧  2.9K

ホイール       F  BBS(試作品) 7.5J 16 +30
              R  BBS(試作品) 7.5J 16 +46

スプリング      F  65-07-0700 (12.5k)
                    R  60-06-0800 (14.3k)

ダンパ 減衰    F  MAX 5戻し   R  MAX 8戻し

リヤスタビ     38φ

ブレーキパッド  F 03C   R 88B

LSD        TM-SQUARE LSD

ECU        TM-SQUARE SPORT ECU  7800レブ

車高        F 605mm   R 585mm (フェンダーアーチ ~ 地面)

トー         F  OUT 0:20    R  IN 0:00

キャンバー    F  -5.8度    R 並盛シム (+開発品)

 

 

という、いつもと同じ感じのSET 。

 

 

 

では、セットアップの前に、基本的な数値から、解説しますね。

 

まず、コンディション的には、
合計 5セッション(各20分) 走りましたが、
気温は、平均すると、4℃~6℃ あたりと、タイムアタック 日和でした。

 

で、水温は、93~95℃ で安定。
(純正サーモスタット)

じつは、このエンジン・・・・、
まだ、みんカラ のお友達のエンジンを使用しています・・・・・・。

 

 

え~っと、それから、油温。

オイルクーラーを装着していないこともありますが、驚くほど高いです!
な、なんと、140℃オーバー!!

 

今回から、油温計の計測ポイントを変更したことも影響していると思いますが、
少々、高過ぎますね・・・・・・。

冷却パーツ、考えなければ・・・・。

 

 

 

お次は、吸気温。

これはスゴイです! 走行中、外気温 +5~10℃ レベル でした。

やるなぁ~、TM-SQUARE インテークBOX !!

ゴールデンウィーク前には、
何とかリリースできるよう頑張っていますのでもう少々お待ちを!

また、「道場破り」 のついでに、いろいろと、データが欲しいので、
今回から、データ収集のため、いっぱいメーターを付けてみました。ハイ。

 

 

 

11 

 

 

 

 

そして、いよいよ本題。

 

 

クルマのバランスは、リアタイヤが温まるまで、かなりのオーバーステア・・・・・。
でも、温まると、OKレベルとなり、とにかく よく曲がります。

 

筑波1000 は、レイアウト的に、かなり回り込んでいるコーナーが多いため、
アンダーステア対策は、重要ですね。やっぱり。

 

今回、アンダーステア対策で、行ったことは、リアのトーをゼロ にしたことと、
(開発中のパーツ装着中)

リアのキャンバーを大盛りから、並盛に変更したことが、かなり効いている感じです。
(だから、リアタイヤが温まるまでは、オーバーステア なんです)

 

 

 

では、現場で行ったセットアップの話を。

タイヤの内圧

 

フロントは、 2.5k 2.8k 3.0k とトライしましたが、一番フィーリングが
良かったのは、2.8k 。

 

3.0kは、タイトコーナーで、ステアリングのレスポンスが良いのですが、
1コーナーでの、グリップがいまひとつ・・・・。

 

2.5k では、1コーナーのグリップは良いけれど、パワーを食われることから、
2.8k あたりが、一番マッチングしました。

 

リアは、 2.9K 3.1k と、トライしましたが、3.1k だと、縁石でハネるのが、NGでしたので、2.9k が、マッチングしました。

 

まぁ~、このあたりは、サイズや銘柄によっても、違ってきますので、
ご考慮くださいね。

ブレーキパッド

 

ブレーキの効き、リリース、前後バランスは、持込の F 03C(ZONE)  R 88B(ZONE) で、なんのモンクもありませんでしたので、KEEP。

 

しかし、このパッドのパフォーマンスは、スゴイです。ありえないぐらい、マッチングしますね~。
一度、開発者に会って、話を聞いてみたいです(笑)。

 

注  これはビジネストークではありません。 本気です。マジにそう思います。ハイ。

スプリングレート

 

今回のメインセットは、スプリングレートの合わせ込みでした。

 

持ち込みは、

F  700ポンド(12.5k)
R  800ポンド(14.3k)

だったのですが、どうしても、合わないコーナーがあったんですよ。

 

 

それは、 ⑦ のコーナーです。

 

 

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ドラテクでも、お伝えしましたが、このコーナーには、2つのラインがあります。

ひとつめは、イン側の縁石にガッツリ乗るライン。

そして、もうひとつは、縁石に乗らないラインです。

 

 

コースレイアウト的には、この縁石は、可能な限り利用したい。
(だって、コーナーのRが、かなり違ってきますからね・・・)

でも、縁石に乗った後、クルマがハネると、次のコーナーが厳しくなる・・・・・・・・。

だから、ショートカットできるメリットと、ハネるデメリットを天秤にかけて、
トータルで有利な方をチョイスするのが田中はオススメです。

 

 

でね、

 

F  700ポンド(12.5k)
R  800ポンド(14.3k)

 

の組み合わせだと、縁石に乗ると、ハネるデメリットの方が、大きかったので、
縁石に乗らないラインで走ってました。

 

感覚的に、
リアのレートが高いことが、原因だと感じたので、リアのレートを少し下げて、

 

F  700ポンド(12.5k)
R  700ポンド(12.5k)

 

の バランスに変更です。

 

結果、ハネのデメリットより、ショートカットのメリットが上回り、セット変更 ◎ です。

 

 

このことから、筑波1000では、もう少し、ソフトで走れるような気がします。

 

田中が思う、筑波1000 での、スプリングレートは、

F  550~700ポンド(9.8~12.5k)
R  600~700ポンド(10.7~12.5k)

あたりが、バッチリ 合うように思います。ハイ。

 

(TM-SQUARE トーションビーム使用時)

 

 

それから、フロントキャンバーは、前回のテストで比較を行い、
-4.5 より  -5.8 の方が、コンマ3秒ほど速いことが、実証されていますので、
持込の -5.8 を KEEP しました。

 

よく、「フロントキャンバー 付けすぎだよ~」 と、言われることがあるのですが、
一回付ければわかりますよ。なぜ、キャンバーが必要かね。
だって、田中が不要なこと、するハズないじゃないですか!

断言します。「スイフトのフロントは、キャンバーが必要なんです」

LSD

あと、筑波1000 でポイントになるのは、LSD です。

田中は今まで開発で走ったサーキットの中で、筑波1000が、一番 LSD の必要性が
高いコースだと思っています。

 

LSD と言えば、内輪の空転が・・・・・・・・、と、必ずと言っていいほど、解説されますが、
田中は、FFのスイフトにとって、一番 LSD の必要性を感じる部分は、アクセルの踏みはじめです。

 

この部分で、LSD が、どのように効くかにより、アンダーステアの量が、大きく左右されるんです。
ある面、全開になってからの、空転の部分では、各社ともほとんど差がない様に感じます。
(個人的な見解です)

 

でも、この LSD の生命線である、ほんの少しアクセルに足が乗った瞬間の効きは、
コーナリング性能を大きく左右します。

 

言うまでもありませんが、TM-SQUARE のLSDは、この部分を徹底的に
突き詰めた LSD ですから、

 

⑤ コーナーの立ち上がりなんて、
きっと、シビれていただけると思いますよ~。ハイ。

 

 

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以上、筑波1000 セットアップ編 でした!

 

 

今回も、かなりマニアックで、すいません・・・・・・・。

「道場破り」 Vol 1  筑波1000  秘密の攻略法 (ドラテク)

2011年02月18日(金)

 

 

 

いや~、
田中のノリではじめた 「道場破り」 ツアー。

みなさんから、コメントもたくさんいただき、
なんだか盛り上がりそうですよね~。

嬉しい限りです!

 

 

では、お約束どおり、
田中ミノル式 筑波1000 攻略法をお伝えします。

(走っているのはスイフトですが、
スイフト以外でも、攻め方は同じですので、ぜひご活用ください!)

 

 

あっ・・・・・・、まず、ご注意ですが、
この攻略法は、田中ミノル式 ということで、
試されたことで発生した、トラブル等には
まったく持って責任が持てませんので、
そこんとこ、ご理解してお読みくださいね。

 

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最終コーナーを駆け上がってくると、
短いストレートのアウト側を走行します。
(ピットアウトしてくるクルマには注意を)

ちょうど、スタートラインあたりで、
ギアを、 2 → 3  にシフトアップ。
1コーナーへ向かいます。

 

① の 1コーナーは、3速のまま進入し、
イン側のクリップをシッカリとるのですが、
重要なのは、ブレーキングのタイミングと強さです。

まず、タイミングですが、
コースに慣れるまでは、
ブレーキ そしてステアリングの順。

 

そこそこ慣れてくると、
ブレーキとステアリングが、ほぼ同じタイミング。

 

ラップタイムが速くなってくると、
ステアリング、そしてブレーキングの順となります。

 

よって、ブレーキの強さも、
ステアリングより先にブレーキのときは、
強く踏むことができますが・・・・・・、

 

同時とか、ステアリングが先になると、
強く踏むことができません・・・・・・・・。

 

もし、同時とか、ステアリングが先の状態で、
ブレーキを強く踏むと、一気に、サヨナラ です。

 

でも、ステアリングを切ってから、
ブレーキを踏むということは、
進入スピードもかなりあるということですよね。

だから、どうしても、強く踏みたくなる・・・・。

ここは、自分との戦いです。

 

では、どう戦えばよいか。

それは、ブレーキを やさしく、長く踏むんです。
(これは、かなりのポイントとなります!)

ただ、コーナーの中の中まで、ブレーキを残すのではなく、
やさしくしか踏めない分、イメージより、5m ぐらい 
コーナーの中まで、ブレーキを残すという感じです。

 

すると、フロント荷重が効いて、クルマは、曲がり出します。

 

このとき、いつまでも長くブレーキを残したり、
曲がりはじめてから、スピード感に負けて、ブレーキを強く踏むと、
リアがブレイクして オーバーステアになりますので、ご注意を!

 

でもって、クリップ近辺で、リアが軽くなったら、
アクセルを踏んで、バランスさせます。

 

アクセルを踏むと、荷重がリアに移りますので、
ブレイクしそうなリアが、落ち着きを取り戻し、
そのまま、加速状態で一気に ①コーナーをクリアーします。

(この感覚が、たまりません・・・・・)

 

 

もちろん、② の部分は、インベタとなり、
ベッタリと、イン側にくっ付いてください。

すると、コーナー出口では、自然とアウトに、ハラんでいきますので。

 

 

1コーナーを速く走るコツは、

1. 思い切った進入スピード
2. やさしく、少しだけ長いブレーキング
3. リアがブレイクする前に、アクセル

です。

 

進入の部分を、たとえるなら・・・、
狙った角度に、①コーナーの先へ、クルマを投げ込む感じです。
(あくまでも、イメージですよ!)

 

この ① の部分では、
進入スピードと、ブレーキングのタイミングと量で、
アンダーもオーバーもドライバーが作ることが可能です。

 

詳しくは、ZONE WEBサイト 
ブレーキングマイスターへの道 をご参照ください。

 

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1コーナーをハイスピードでクリアーすると、
次のヘアピン ③ は、自然にアウトから進入できます。

 

ギアを 3 → 2 へシフトダウンして、
インにステアリングを切り込みます。

 

ここでのポイントは、ブレーキのリリースです。
少し早めにリリースをはじめ、リリースと同時に
ステアリングを早めに切り込みます。

(早めとは、タイミングの話で、ステアリングを
切るスピードではありませんのでお間違いなく)

 

ライン的には、イン側の縁石に、ガッツリと乗ります。
この縁石は、低いので、思い切って利用してください。

 

後は、向きが変わるのを待って、アクセルオン。

 

縁石から降りるときに、少々、バタバタしますが、
そのまま、アクセルを踏み続けます。

 

で、このとき、アウトいっぱいまで行ってしまうなら、
それはOKなのですが、
いっぱいまで行かなくても、クリアーできるなら、
コースの真ん中レベルでも問題ありません。

 

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次の ④ コーナーまで、シフトアップは、
必要がありませんので、そのまま2速でブレーキング。

この ④ コーナーのラインは、インからでは、少々、出口が厳しいのですが、
ド・アウトから、大きくクリップを外すのも、あまり効率的ではありません。

 

 

このコーナーで、重要なことは、
⑤ コーナーで、しっかりクリップをとることとです。

 

だから、田中は、クルマのバランスで ④ コーナーを
どのあたりから進入するかを決めます。

 

バランスがよければ、
コースの中央から、少しインサイドを狙って進入し、
(④のクリップは少し空けます)

 

アンダーステア気味なら、
潔く、インに、スペースを空けながら、
アウトから、少しだけ、スピードを落として、大回りします。
(ほんの少しだけですよ)

 

で、⑤ をガッチリとクリップして、加速状態で、コーナーを抜けます。

 

 

⑤ コーナーの出口 外側は、フラットな縁石があり、
広くなってはいるのですが、
外側は、路面が落ち込んでいるため、
あまり、早くから、縁石の外側を使うのは危険です。

 

特に、クルマの向きが、ある程度変わっている状態で、
外側に行くのは良いのですが、
向きが変わっていない状態(ステアリングをかなり切り込んでいる状態)で、
手前から、アウトいっぱいまで行くと、マジ、ヤバイです。

 

アンダーステア状態で、ハンドルを切ったまま、
コースアウトすると、横転の危険性、アリアリですので、十分ご注意ください。

 

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⑤ を2速で立ち上がったら、⑥ の少し手前で、
2 → 3 へシフトアップ。

ここは、コーナーに切り込むタイミングで、
シフトアップしますので、タコメーターがゆっくり見られません・・・。

リミッターに当たらないように、落ち着いて、
的確に、シフトアップする必要ありです。

 

全開で、⑥をクリアーすると、
少々、右にG が残っているタイミングで、ブレーキング
3 → 2 とダウンし、⑦ に進入します。

このコーナーでも、ブレーキは、
強く踏みたいのを、グッとこらえて、やさしく長くです。

 

ここのクリップは、ラインが2種類ありますが、
セットアップによって変わってきますので、
詳細は、セットアップ編で解説しますね。

 

で、 ⑦ をクリアーすると、⑧ あたりで少し、アクセルオンとなり、
⑨ の手前で、いったん踏んだアクセルが少し戻ります。

 

ここでのポイントは、アクセルを 全開 → 全閉 にするのではなく、

⑧ では、ハーフスロットル。

⑨ では、一瞬全閉に近い、ハーフスロットル と
いう感じとなります。

 

要は、アクセルによって、姿勢を、大きく前後させないことと、
ボトムスピードを上げることが重要なのです。

 

また、このアクセルワークを可能とするために、不可欠なことは、
⑦ を できるだけハイスピードで、クリアーすることと、
進入時に、ブレーキングで、あまり前荷重に、しすぎないことです。
(ブレーキにより、減速し過ぎない)

 

⑦ のスピードが低いと、⑧ でたくさんアクセルが必要となり、
⑨ の手前でアンダーステアを招きます。

 

また、前荷重が強すぎる(ブレーキが強すぎる)と、
アクセルオンで、クルマがギッタンバンタンして、
ボトムスピードが上がりません・・・・・。

 

でも・・・・・、⑦ の出口でスピードがあれば、
タイヤのグリップがトラクションに、あまり使われないことから、
横方向のグリップに余裕ができ、コーナリングスピードが上がります!

 

53

 

 

ハイスピードで、⑧ を通過したら、
⑨ に向けて、少しアクセルを戻し(全閉にはなりません)、
曲がるのに必要なだけ、荷重を前に移し、
フロントが、クリップに向けて、反応してくれたら、アクセルオンで、⑩ へ向かいます。

 

⑩ のアウト側は、かなり余裕がありますので、
ガッツリ 使用しても良いのですが、

⑤ と同様に、向きが変わっていない状態
(アンダーステアで、ステアリングを大きくきっている状態) で、
縁石まで行くと、かなり角度も悪く、危険です。

 

ここのアウト側の縁石を使用できるポイントは、
必ず向きが、縁石までに変わっていること(出口方向を向いていること)です。

 

あとは、コントロールライン付近で、2 → 3 へ、
素早くシフトアップすると、OK!

 

 

以上、田中ミノル式 筑波1000 秘密の攻略法 でした!

 

 

いや~、マニアックですね・・・・。
田中のドラテク・・・・・・・。

ここまで書いて、気が付きました・・・・・・・・・・。
(おそらく数回読み直していただかないと、少々難しいかもしれません・・・)

 

こんなマニアなドラテクを、
みなさんが、どう思われるか・・・・・・・、
必要とされているのか・・・・・、とっても心配です・・・・・。

 

でも、レーシングドライバーが読んでも、
少しぐらい、役に立つぐらい、奥の奥まで書いたつもりです。

 

 

 

みなさん、いかがでしたでしょうか??