TM-SQUARE ZC32S リアキャンバーシム 正式リリースです!! ③

2016年09月29日(木)


 

さぁ~、今回は、リアキャンバー の解説です。

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キャンバーに関しては、かなりメジャーなので、

みなさんも、よくご存知だと思いますが、

こちらも、アライメント(タイヤがセットされる角度)の一種となります。


クルマの前方、または後方からタイヤを見ると、

垂直方向に微妙に角度が付いていますよね??



この角度をキャンバー角と呼び、



左右のタイヤが、カタカナの「ハの字」になっている 状態

→ ネガティブキャンバー

 


左右のタイヤが、カタカナの「ソの字」になっている 状態

→ ポジティブキャンバー


となります。







では、そもそも、キャンバーは、なぜ必要なのでしょう?

田中は、キャンバーの必要性には、2つ要因があると考えています。







まず一つ目は、十分なネガティブキャンバーが設定されていないと、

コーナリング中、タイヤが変形する(ヨレる)ことで、

タイヤの接地面が小さくなり本来のグリップを発揮できません。



もし、サーキット等、激しいスピードでコーナリングすると、

タイヤの外側のみ磨耗が進み、外側ショルダー部分が少し

削れるようであれば、やはり、キャンバーが不足している

症状となります。


このような場合は、コーナリング中にタイヤが変形した状態でも、

十分な接地を確保するため、あらかじめネガティブキャンバーを付けて、

対応する必要があります。









そして、二つ目は、クルマがロールすることで、キャンバーが必要になります。

下の図をご覧下さい。



(より解かりやすくするために、ダブルウィッシュボーン式サスペンションにて

解説を行っていますが、トーションビーム式サスペンションでも同じ内容となります)
















直進時、「横G」は、発生しませんので、ボディは傾きません。

よって、左右のキャンバーは、設定された角度どおりとなります。






しかし、コーナリング中、「横G」が発生すると、ボディは傾きます。

(下図は、右コーナー走行中の車両を、後方から見ているイメージ図となります)









外輪                                      内輪







すると、コーナーに対して、外側のタイヤ(左タイヤ)は、

キャンバーが大きくポジティブ方向に変化し、内側のタイヤ(右タイヤ)は、

キャンバーが大きくネガティブ方向に変化します。




このなると、グリップの要となる外側タイヤ(左タイヤ)は、

接地面が減ることから、本来のグリップを発揮できません。

よって、コーナリング中に、外側タイヤを的確にグリップさせるために、

キャンバーが必要になるのです。




なお、このボディの傾き(ロール)は、スプリングレートが低いほど

大きくなりますので、高レートスプリングより、低レートスプリングの方が、

より大きなネガティブキャンバーが必要となります。





そして、セットアップ的に、リアキャンバー値の基本となる考え方は、




① リアキャンバー値が大きい 

→ コーナリング中、リアのグリップが高い

→  アンダーステア バランス になりやすい



② ネガティブキャンバー値が小さい 

→ コーナリング中、リアのグリップが低い

→  オーバーステア バランス になりやすい




となります。


※ ある一定のキャンバー値までは、上記のバランスとなりますが、

あまりにも、キャンバー値が大きいと、リアのグリップが低くなることがあります。










なお、アンダー & オーバーステア バランス の

メリット/デメリットは、以下のとおりです。





アンダーステア バランス の場合


メリット   →  クルマが安定していること

デメリット  →  クルマが曲がりにくいこと




オーバーステア バランス の場合


メリット   →  クルマが曲がりやすいこと

デメリット  →  クルマが不安定なこと







以上のように、リアキャンバーによって、リアのグリップレベルが変化することから、

アンダーステア ⇔ オーバーステア と、クルマのバランスを変化させることが

可能となります。




なお、リアキャンバー値のセットアップには、

フロントのグリップレベルが大きく関与します。


フロントのグリップレベルが高く、オーバーステア バランスの車両では、

リアキャンバー値は、ネガティブ方向が強くなり、

フロントのグリップレベルが低く、アンダーステア バランスの車両では、

リアキャンバー値は、ネガティブ方向が弱くなります。




それに、サーキットレイアウトによっても、リアキャンバー値のニーズは変化します。


高速コーナーが多く、クルマの安定感を向上させたい場合は、

ネガティブ方向が強くなり、


タイトコーナーが多く、クルマが曲がることを優先する場合には、

ネガティブ方向が弱くなります。




要するに、適正なリアキャンバー値は、



現行のブリップバランス

フロントタイヤのグリップ力

サーキットレイアウト




をトータルで考えて、

バランスを取りながら合わせ込む必要があるのです。






いや~、少々複雑な話しになりましたが、

ご理解いただけましたでしょうか??







また、一番大切なことは、

トーインもキャンバーも、現在の数値をしっかり計測し、

どのキャンバーシムを装着すれば、どういったアライメント値になるのかを

事前に、シッカリと想定してから装着することが、何よりも大切なのであります。











ご注意①


アンダー/オーバーのバランスは、サスペンションセット、

タイヤチョイスを含めトータルで考えるもので、

リアキャンバーだけで、バランスを取るものではありません。


リアキャンバーは、バランスを取るためのひとつの要素(要因)であることを

十分にご理解いただいた上で、キャンバーシムをご使用下さい。

また、必ず装着前のトーイン/キャンバー値を計測し、

装着後のトーイン/キャンバー値を確認してからご装着下さい。






ご注意②


上記の解説は、弊社デモカーによる走行DATAを元に、

開発ドライバーである田中ミノルの私的な意見として掲載しており、

車両のバランス、安全性を保障するものではございませんので、

すべて自己判断にて、チョイスを行ってください。











では、次回(最終回)は、ドラテクを含めた

キャンバーシムの詳細をお届けしたいと思います!!