なぜ BBSの 鍛造 ホイールは、強いのか?

2010年02月17日(水)

今日は、鍛造ホイールの

強さの秘密を赤裸々に・・・・・。

 

 

鍛造と鋳造のアルミ密度の違いは、

ミクロ100倍写真にすると、一目瞭然です。

 

一般的な鋳造組織は、

アルミの粒子が粗く、

結晶がバラバラの方向を向き、

パンのように荒くなっているのに対して、

 

BBSの鍛造組織は、餅のように緻密です。

 

 

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一般的な鋳造アルミの粒子

 

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BBSの鍛造による粒子

 

 

このように、鍛造することにより、

金属組織の粒子が緻密で均一となり、

強度アップが図れるのです。

 

反対に、鋳造は、

アルミの粒子が粗いだけではなく、

熱収縮や空気の巻き込みによる、

特有の引け巣(アルミ粒子にエアが混入)が

発生することから、

強度にバラツキが出ることも、

デメリットのひとつとなります。

 

 

 

また、1c㎡あたりに、

4トン以上の圧力をかけることにより、

鍛流線(メタルフロー)と呼ばれる、

理想的な金属粒子の配列が生まれます。

 

 

img_9 BBS の鍛流線(メタルフロー)

 

 

この鍛流線が、荷重に対して、

直角に近い角度で得られることによって、

金属疲労強度が、飛躍的に向上し、

固くて、割れないホイールになるのです。

 

 

結果、同じ強度を確保するのに、

鋳造に比べて、

BBSの鍛造は、肉厚を薄くすることができ、

軽量/高剛性のホイールとなります。

 

 

要するに、同じ鍛造であっても、

強いか弱いか、

割れるか割れないかは、

この鍛流線の有無が大きなカギを握っているのです。

 

 

なかなか、奥が深いでしょ??

 

 

次回は、鍛造の種類について、

お話します。

鍛造 と 鋳造 の違いって、何なのよ。

2010年02月16日(火)

今回から、数回に分けて、

アルミホイールの神秘?をお届けしたいと思います。

 

今日は、その第一回目、

ホイールの豆知識、

鍛造 と 鋳造 の違いを少し。

 

でも、このブログを読んでる方には、

「そんなこと知ってるよ」 って、

言われそうですが・・・。

 

 

まず、鋳造とは、

アルミを高温で溶かし液状にして、

それを型に流し込み、成型するする手法。

 

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ま、プリンや、ゼリーを作るのと、

同じですね。

 

メリットは、

デザインに自由度があり、

大量生産に向き、

低コストでホイールが製造できること。

 

デメリットは、

強度の問題から、ある程度の

肉厚を確保しなければならないことから、

鍛造に比べて重量が重くなることです。

 

 

そして、鍛造とは、

大型のプレス機により、

アルミに圧力をかけて、

型に押し込み成型する手法です。

 

 

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メリットは、

圧力をかけることから、

アルミの金属粒子が緻密になり、

強度が上がることから、

非常に薄い肉厚で製造でき、

重量が軽く、剛性に優れます。

 

 

デメリットは、

設備、型、加工とも非常に高価で、

量産スピードが、鋳造より遅いことです。

 

次回は、

「なぜ、鍛造すると、強くなるのか」 を、

お届けしま~す。

HYPERCO
HYPERCO の新アイテム追加!

2010年02月15日(月)

今日は、HYPERCO スプリングの

新設定レートのお話を。

 

 

じつは、

一部のタイムアタック層の方々から、

スーパーハイレートの要望が、以前からあり、

今回の設定は、そのニーズに対応するためなのです。

 

 

だからレートは、すんごい ハイレート!

スーパー耐久をはじめとする

レーシングカーにも使用できる領域です。

 

 

今回の、設定は、下記の4アイテム。

 

 

HC65-06-1400 (25.0kg)

HC65-06-1500 (26.8kg)

HC65-07-1400 (25.0kg)

HC65-07-1500 (26.8kg)

 

 

これで、Zや、GT-R、ポルシェ、S2000等、

スーパー ハイレート ユーザー の方々の

お役に立てればと、思っております。

 

 

また、特注ということもあり、

お値段は、現行より、少し高くなって、

¥39,900(税込 2本プライス)

となります。

 

 

みなさん、もし、まわりに、

スーパー ハイレート ユーザー  がいれば、

ぜひお奨めしておいて下さいね!

 

 

以上、HYPERCO の新アイテムの

お話でした。

 

 

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エンジン
2型 M/T SPORT ECU Ver2 適合終了!

2010年02月12日(金)

たった今、タッシーから

連絡が入りました。

 

「SPORT ECU の Ver2 適合

バッチリ取れたよ~」 とのことです。

 

 

なにやら、Ver2.0 は、裏技にて、

トルクの谷を埋めまくった仕様です。

 

MAXパワーは、変わりませんが、

4000rpm 付近では、

「なるほどね!」 と必ず感じていただけると思います。ハイ。

 

じつは、一足先に、このテクノロジーは、

1号車に投入されていましたが、

なかなかのものですよ~~~。

 

もちろん、お約束どおり、

Ver1.0 投入済みの方には、

「無償!」 で、ご対応いたします。

 

対応方法は、

TM-SQUARE の WEB サイトに

買い物カゴを作りましたので、

こちら から、ご連絡下さい。

 

 

それに、今回の適合で、

みなさんお待ちかねの、

「ビッグスロットル」 の適合も取りましたよ~。

 

こちらも、本日から、

対応可能となりますので、よろしくお願いします。

 

 

現在のところ、Ver2.0 も、

「ビッグスロットル」 への対応も、

2型 M/T のみとなりますが、

 

急いで、1型も適合を行いますので、

1型 のみなさん、

今しばらくお待ち下さい。

 

 

そうそう、本日より、

2型 M/T に関しては、

新規の書き換えの場合も、Ver2.0 となりますので!

 

 

タイトコーナーの立ち上がりで、

必ずや、ラップタイムに貢献する

中速トルクの底上げ。

 

ストリートでも、

きっと違いを感じていただけると思います!!

 

 

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エンジン
カーボンボンネット タイムアタック スペシャル ②

2010年02月10日(水)

昨日、見て来ましたよ~、物流で!!

なにがって、退院祝いのダブルカーボンのボンネットを。

 

 

 

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写真のように、表は、普通のカーボンボンネット。

でね、裏を見たときの感想を

一言でいいますと、 「ウオッ~」 てな感じです(マジですよ、マジ)。

「なんのこっちゃ~」 って??

いや~、見たら興奮しますよ・・・、絶対に。

ということで、写真も撮ってきましたので、お見せしましょう!

本邦初公開! カーボンボンネット タイムアタック スペシャル!!

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これは、もう言葉になりません!

間違いなく、一目ボレです・・・・・。

でも、ボンネットを持ったときは、あまりにもの軽さに、もっと驚きました。ハイ。

コレって、量産できないのかな・・・・・。

(また、田中の悪い虫が・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

ZONE
REV SPEED 取材 in 本庄サーキット

2010年02月10日(水)

昨日は、本庄サーキットで

取材でした。

 

SA浜松さんの

ご依頼で、Z34 用

ZONE ブレーキパッドのマッチング確認。

 

 

でね、使用した車輌は、

SA浜松さんのデモカーと思いきや、

 

 

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木下みつひろ選手 のマイカーでした!

 

 

 

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まずは、純正パッドで走行し、

 

 

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次々と、ZONE のブレーキパッドを投入。

 

 

 

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走っては、コメント取りを繰り返し、

 

 

 

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ま、最後は、こんな感じに。

 

 

 

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(やっぱり、田中、痩せましたよね~)

(後ろに写っている、変なオッサンは、無視無視・・・・・)

 

 

 

 

また、マッチング確認と同時進行で、

撮影(通称 ブツドリ)も、順調に進みましたが・・・・・・、

 

 

 

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やはり、この日も、

SA浜松 スポーツ担当の

鈴木さんのジーンズは、

 

 

 

ファンキーでした・・・。

 

 

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いったい、どこに、売っているのだろう・・・・・・。

ZONE
今週から、仕事に復帰です!

2010年02月08日(月)

療養も終わり、

今週から、仕事復帰です!

 

まだ、絶好調には程遠いですが、

仕事は、山積み・・・・・・。

 

ということで、今週から、

元気に?仕事へ復帰しました。

 

 

でね、今日は、

療養中に、思いついた

2つアイデアを実行するため、デザイナーと

いろいろ打ち合わせを行ってます。

 

 

両企画とも、みなさんとの

距離が、ググッと、近くなり、

きっと、楽しい企画になると

思いますね~。ハイ。

(クスクス・・・)

 

 

 

さぁ~、復帰早々ですが、

明日は、本庄サーキットに出張です。

 

Z33用に

ZONE の専用摩材を

取扱いいただいている、

SA浜松の鈴木さんが、

今度は、のZ34用をバリエーションされるので、

その開発テストで、出動となりました。

 

 

マニアな木下みつひろ選手?に、

納得いただけるよう、

また、新しい摩材も作りましたので、

準備は万端!

 

 

病み上がり & 極寒の中

明日も元気に、頑張ってきます!!

ZONE
BBS鍛造ホイール誕生の歴史③

2010年02月06日(土)

さあ~、いよいよ、

鍛造アルミホイールの製造がはじまりました。

 

 

そこで、「ワシマイヤー社」 が、

パートナーに選んだ会社。

 

それが、当時ドイツのモータースポーツ界で、

モータースポーツ用パーツメーカーであり、

ホイールサプライヤーであった、「BBS社」 なのです。

 

ちなみに、社名は、

元カーレーサーのバウムガルトナー(B)、

共同出資者のブラント(B)、

そして、街の名前である、シルタッハ(S)

の頭文字から、「BBS」 と、なったということです。(豆知識・・・)

 

 

 

小野氏のラブコールで、

来日したバウムガルトナー氏は、

ワシマイヤーの工場を見学すると・・・・・、

即断で、提携を決めたといいます。

(それほどまで、すばらしい技術力だったそうです)

 

それからの、「ワシマイヤー社」 の功績は、

みなさんも、よ~く、ご存知ですよね。

 

当時、不可能といわれていた、

メッシュデザインの鍛造ワンピースホイールが生まれ、

レース用として、

数々のマグネシュウム鍛造ホイールが生まれました。

 

結果、フェラーリをはじめとする、F1チームでの

最大シェアーのホイール製造メーカーとなったのです。

(以来、数々のテスト機関にて、世界最強の称号が与えられ続けています)

 

もちろん、この間に、鍛造方法も、どんどん進化し、

世界中で、ワシマイヤー社しかできない、

密閉鍛造技術をはじめ、

鍛造機も、現在では、9000トンなんて、

すさまじい、ものまでもあります。

 

今でこそ、 BBS = 軽くて強い、

世界最強の鍛造ホイールメーカー

というイメージが強いですが、

これらの鍛造ホイールは、

すべて、富山県高岡市にある、

ワシマイヤーという工場が製造しています。

 

もちろん、F1のホイールも、

BBS マークのものは、

すべて、ワシマイヤーで製造されています。

 

いまでは、数社が、F1用鍛造ホイールを製造していますが、

ワシマイヤー社は、

いち早く、自動車用アルミホイールに鍛造技術を投入し、

試行錯誤の結果、数々の特殊技術を生み出しました。

(現在、これらの技術は、特許に守られています)

 

そして、その技術力は、

今もなお、進化し続けている、脅威の技術集団なのです。

 

また、このワシマイヤー社も、

日本BBS(BBSの日本法人)も、

小野氏が会長を勤める、小野グループ(本社 福井市)の

配下の企業となっています。

 

いや~、さすが、ものづくり大国、日本!

やっぱり、スゴイ製品には、スゴイ歴史があるんですね・・・。

 

以上、BBS 鍛造ホイールの生い立ちでした。

 

 

 

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ZONE
BBS鍛造ホイール誕生の歴史 ②

2010年02月05日(金)

では、昨日の続きを。

 

トーメンを円満退社し、

スタートした新会社は、

最初の数年は膨大な赤字となりましたが、

クォリティの高い、ドイツ製の紡績機械は、

徐々に売れ始め、

数年で、他社を圧倒する存在になったそうです。

 

 

「品質の良いものは、必ず売れる」 という、

ドイツ流商品哲学が、日本にも通用したということですね。

 

しかし、

順風が吹き始めたと思ったのも束の間、

オイルショックによる強烈なインフレにより、

負債は膨らみ、会社の経営は、危機を迎えたそうです。

 

おまけに、当時は、金融引き締め政策があり、

ドイツからの資金流入が許可されず、

かなり厳しい状態・・・・・。

 

でも、「良いものは必ず売れる」 という、

小野氏の人生哲学と、

社員の方々の頑張りで切り抜け、たそうです。

 

そんな中、小野氏は、

富山県高岡市に、

「ワシマイヤー」という会社を設立しました。

 

この会社は、

カール・マイヤー製の機械に使用する、

アルミ大型ビーム

(ミシンに使用する、糸巻きボビンの巨大なもの)

の製造を担当します。

 

 

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こんな感じの製品です。

 

 

この、アルミ大型ビーム(鋳造品)は、売れに売れ、

シェアーの90%を持つことになりましたが、

その後に、ドイツから、軽くて丈夫な鍛造品が

輸入され始めると、シェアーは逆転しました・・。

 

理由は、この糸巻きビームは、

約30インチの直径と大型で、

そこに、糸が巻かれると、100トンにも及ぶ、

側圧圧力がかかることから、

強度と軽さにアドバンテージがある、

鍛造品が主流となったのです。

 

このころ、日本には、鍛造で、

糸巻きビームを作る技術がありません。

 

そこで、小野氏は、

この糸巻きビームを鍛造で作る

プロジェクトを立ち上げました。

(なんとな~く、BBS鍛造ホイールの匂いがしてきましたね~)

 

 

まず、試したのが、「溶湯鍛造」という技術。

アルミをチョコレートのように半分解けた状態にして、

鍛造する手法なのですが、

強力な圧力でアルミを押し付けるからできる、

鍛流線もできず、

強度的にもドイツ製に敵いません。

(でも、昭和40年代に、すでに、溶湯鍛造を試していたのには、ビックリです!)

 

そして、幾度となく、試行錯誤を重ね、

セクション鍛造という技術が生み出されます。

これは、体重の軽い女性でも、

ハイヒールで踏まれたら痛いのと同じように、

圧力をかけるポイントを小さくする手法です。

 

そうです、1千トンの鍛造機から、

3万トンの鍛造機と同じ製品が

作れるようになったのです。(特許取得)

 

ここまで来ると、この先は、

なんとな~く、理解できますよね。

 

そうです、この鍛造技術を用いて、

自動車用アルミホイールの製造が始まるのです。

 

つづく

 

 

 

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ZONE
BBS鍛造ホイール誕生の歴史 ①

2010年02月04日(木)

なんとか、先週末に退院した田中です。

 

でも、まだ、体調が・・・、

まったく戻りません・・・・・。

 

ということで、まだ会社には、

出社できませんので、

自宅で、BBSホイールのことを

ブログに書こうと思います。

 

今日は、BBS鍛造ホイールの歴史

第一回目です。

 

 

まずは、鍛造ホイールのルーツから、

ごゆっくり、お楽しみ下さい!

 

 

 

BBS鍛造ホイールのルーツは、

1932年 北海道旭川市に、生まれた、

小野光太郎 氏 から始まります。

(なんと、お父さんは、教会の牧師さんです)

 

小野氏は、学生時代、

授業料をアルバイトで稼ぐという、ゆわえる「苦学生」。

 

明治学院大学(経済学部)を卒業後に、

大阪の総合商社「トーメン」に入社。

 

特に目立った存在ではなかったようで、

結婚後も、2DKの公団住宅に住む、

平凡なサラリーマンだったそうです。

 

でも、そんな平凡な生活を一変する、

チャンスが小野氏に、到来します。

 

 

それは、社内で、

海外要員試験制度というものが発足。

 

小野氏は、これを、BIGチャンスと捕らえ、

日夜、英語と貿易実務を懸命に勉強しました。

(このあたりが、なかなか、私のような凡人には、真似ができない・・・・・)

 

そして、努力の甲斐あって、422人の志願者中、

わずか24人の合格者の一人となったのです!

 

その後、小野氏の担当は、

ドイツ「カール・マイヤー社」 の国内担当となり、

日本とドイツを往復する、日々が続きました。

(この会社は、自社で紡績機械を作っている、大メーカーです)

 

小野氏の仕事ぶりは、

周囲の目を見張らせるものがあり、

次第に評価も上がっていった、ある日。

 

社長のカール・マイヤー氏から呼び出しがありました。

内容は、紡績機械を取り扱う、

「カール・マイヤー社の日本拠点を任せたい」 ということでした。

 

そう、カール・マイヤー社 日本支店の社長に

なるということです。

そこで、用意されたお金は、

なんと、10億円!

 

昭和43年当時の10億円ですから、

今のお金でいうところ、

約100億円です。

(もちろん、担保も、保証人もなし!)

 

 

いやはや、なんだかすごい話になってきました・・・。

続きは、また、明日にでも。

 

 

 

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