ZONE
REV SPEED の取材 in しのい & 日光 ③

2009年05月19日(火)

今日は、先週金曜日に

行われました、

REV SPEED 取材 in 日光

のお話を。

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今回の取材は、

日光サーキットに、

ブレーキパッドメーカー9社が集結し、

同じ車輌(S15シルビア)、

同じドライバー(大井選手)で、

ガチンコ対決をするという企画でした。

 

大井選手は、全開で走り、

ブレーキパッドをコメントし、

助手席では、

スイフト王子(編集部の前田さん)が、

体感したことをコメント。

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そして、木下みつひろ 選手が、

コーナーの外から、

クルマの動きを見て、

ブレーキの効きを解説するという、

かなり豪華な企画です。

 

おまけに、

全メーカー、条件がそろうように、

パッド交換と同時に、ローターも新品にし、

キッチリ焼入れを行った後、

10LAP の全開アタックを行うのです。

 

そして、田中が用意した摩材は、

フロント 08H  リア 10F 

の組み合わせ。

(摩材の詳細はこちら)

 

ブレーキに厳しくない、

日光サーキットだということと、

1コーナーでの

リリースコントロール性の重要さ。

 

そして、リアにフロントより、

少しだけ、効きの強い摩材を入れて、

直線状態での「止まり感」 も、攻めてみました。

 

で、結果は?

ヘヘヘッーと!!

 

ZONE のポテンシャルと、

田中の摩材チョイスが、

完璧にリンクし、

すばらしい結果となりました。

(詳しくは、6/26発売のREV DVD で!)

 

大井選手、木下選手には、絶賛され、

王子にも、「助手席でも、

十分体感できました」 なんて、

うれしい言葉をいただきました。

 

また、この取材の中で、

木下選手が語っていた、

「ブレーキは、サスペンションの一部」

という言葉に、

かなり納得してしまいました。

 

だって、フロント荷重の大きさも、

荷重がかかってる時間の長さも、

すべて、ブレーキによって

作られるわけですから

まさに、サスペンションの一部ですね。

 

いやはや、深い!

田中が作ってきたブレーキパッドは、

止まるだけではなく、

曲がるために、積極的にブレーキを

使うわけですから、

まさに、この表現が、ピッタリです。

 

いやはや、ホント気持ちの良い、

会心の取材でした。

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ZONE
REV SPEED の取材 in しのい & 日光 ②

2009年05月18日(月)

では、今日は、

先週、行われました、

REV SPEEDの取材の話を。

 

まず、木曜日には、

栃木県の「ヒーローしのい」 サーキットで、

塚編号(塚本編集長のFD号)の

ブレーキセットアップに関する

取材だったのですが・・・、

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朝、いきなり、

大井さんに会ってら、

「あっ、フライング男だ!」 と、

まったく持って、意味の解らない?

ニックネームをつけられていました。

 

どうやら、ハイパーミーティングの

スイフトレースで、

私のクルマに車載カメラが

装着されていたようで、

事の一部始終が、映像に

残っているらしい・・・・・。

 

(ま、しらばっくれるのは、今月号の

REV SPEED DVDが出るまでのようですが・・・)

 で、取材の方は、

塚編号の、ブレーキをZONE にして、

前後の効きを変えることで、

クルマのバランスがどのように

変化するかという、

まさに、ZONE のためにあるような、

企画でした。

 

オッ、今日は気合が入ってる!!

オッ、今日は気合が入ってる!!

この日は、田中も、

ブレーキパッド交換人員でしたので、

アルボーのメカニックさんと一緒に、

楽しく作業。

 

 そして、

ブレーキの効きを合わせ込むのは、

ご存知、木下みつひろ 選手でした。 

 

あっ、となりは、いじめっ子の 大井選手 だー。

あっ、となりは、いじめっ子の 大井選手 だー。

 

そう、木下選手が、効きを合わせ込んでは、

塚編が、確認をしていくという企画です。

 

 

結果を言ってしまうと、

REV SPEED の編集部の方に

叱られそうなので、

言えませんが、

PIT では、異様な盛り上がりを

見せました。ハイ。

 

何に盛り上がったかって?

それは、塚編のラップタイムですよ。  

 

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一発、ラップタイムを出して、

ZONE のパフォーマンスを

見せつけて欲しい、田中と、

確実に速くなっては、いるのに、

なかなか、走りがまとまらない、

塚編・・・・・。

 

もう、PITでは、

田中の絶叫で、みんな大爆笑でした・・。

 

まあ、そんな、こんなで、

大盛り上がりの取材だったのです。

 

楽しかった~。

 

では、明日は、

「日光」 の話を!

ZONE
ヒール&トゥ ができない? ③

2009年03月26日(木)

では、今回は、今ひとつのヒール&トゥ のお話です。

 

では、グラフを見てください。

 

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これは、前回と同じコーナーですが、

レッド ライン のブレーキ踏力が、

明らかに、「ギクシャク」 していますよね?

 

こうなると、エンジン回転も、

等間隔のグラフとはなりません。

(もちろん、誰かは言えません・・・)

 

でもね、このグラフだけを見ると、

さぞかし、クルマも、「ギクシャク」 してるように

思えますが、じつは、クルマとしては

これでも非常に安定しています。

 

なぜなら、この車輌は、

ある程度、踏力が必要なブレーキパッドを

使用しているからです。

 

要するに、ある程度、

ブレーキ踏力が、ヒール&トゥ により変化しても、

全体から見ると、

半分になったり、倍になったりするほどではないので、

精度としては高くなくても、

クルマが「ギクシャク」 するレベルまでには、ならないのです。

 

どうです?

ブレーキパッドの効きって、大切でしょ??

適正なブレーキ踏力について、より詳しくは こちら  をどーぞ。

ZONE
ヒール&トゥ ができない? ②

2009年03月25日(水)

ヒール&トゥ の精度には、

ブレーキパッド摩材の特性が大きく関与していること、

理解いただけたでしょうか?

 

今回は、ヒール&トゥ の話を

もう少し突っ込んで、

ロガーで確認しながら、行いたいと思います。

 

まず、上手な ヒール&トゥ から。

 

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各ラインの詳細は、

ピンク ライン   スピード

ブルー ライン   エンジン回転

レッド ライン   ブレーキ踏力

ブッラク ライン  アクセル開度 (上が全開)

となります。

 

まず、下の方にある、

ブッラク ライン と、レッド ライン の

アクセルとブレーキの解説を少し。

 

ストレートを全開で来て、アクセルをOFFに

したと同時に、ブレーキ踏力が立ち上がります。

 

そして、そのあと、

ブレーキを踏みながら、アクセルが

ほんの少しだけ、計4回、開いています。

 

そう、これが、

ヒール&トゥ の正体です。

 

ブルー ライン のエンジン回転を

見ればわかるように、

アクセルに”アオリ”を入れた直後に、

シフトダウンをしますので、

エンジンブレーキにより回転が上がっています。

 

そして、そのとき、

レッド ライン のブレーキ踏力は変化していません。

 

このドライバーは、なかなか上手いですね!

(誰かは言えませんが・・・、もしかして、現役F1ドライバーかも!!)

 

次回は、今ひとつのヒール&トゥ をお伝えします。

ZONE
ヒール&トゥ ができない?

2009年03月23日(月)

サーキット走行の代表的なテクニックと言えば、

やっぱ、ヒール&トゥ ですよね。

 

サーキットビギナーには、

このヒール&トゥ の壁がまず立ちはだかるわけです。

 

もちろん、サーキットビギナーに限らず、

カタチとしてはできていても、

実際の効力を伴っていないドライバーも

かなりいると思われます。

 

そして、みんな、やり方は、知ってると思います。

 

しかし、ブレーキを踏みながらアクセルを”アオル”

ことが、なかなかできない? ってことですよね。

 

この、”アオリ”で、ブレーキの踏力が変化し、

クルマが「ギクシャク」 するのが、

典型的な、失敗のパターンです。

 

でもね、ヒール&トゥ を成功させる、

一番の近道は、ブレーキの摩材なんです。

 

たとえば、自分の最大踏力の20%ぐらいの力で、

ブレーキペダルを踏んだときにロックするような

効きの強いブレーキパッドでは、

さほど強い力でブレーキは踏めません。

 

この状態で、”G” や、振動の多い車内で、

それも、カカトが、浮いた状況で、アクセルを”アオル” と、

プロのレーシングドライバーが運転しても、

ブレーキ踏力は、微妙に変化してしまい、

例の「ギクシャク」 となってしまうのです。

 

そうです、サーキットビギナーが、

悪戦苦闘している、ヒール&トゥ は、

テクニックの問題ではなく、ブレーキ特性による部分が、

かなりあると、田中は思うのです。

 

だって、田中が走行会で、

みなさんのクルマに乗ったとき、

ブレーキが効き過ぎて、

ヒール&トゥ ができないクルマって、かなりありましたよ!

 

やっぱ、どんなスポーツでも同じですが、

ビギナーがトレーニングするときは、

絶対に適正な道具を使わないと、

進歩を遅れさせるだけです。

 

「自分はまだ、テクニックが・・・」 といって、

間違った道具で一生懸命練習している人、

マジで多いと思いますよ。

 

テクニック向上を目指すなら、

絶対の絶対に、適正な道具です。

 

曲がったゴルフクラブで、いくら練習しても、

何の意味もないように、

練習するなら、適正な道具が一番近道です。

 

 

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ZONE
ブレーキの踏み方 ⑦

2009年03月18日(水)

スピードにより、同じ踏力でも、μ が

違ってくるという話、理解してもらえましたか?

 

じつは、このスピードに対しての μ 変化には、

ほとんどのドライバーは対応することができます。

 

成功率は95%レベルでしょうか?

 

しかし、変化するものが、もうひとつ加われば、

ほとんどのドライバーは、

変化に対応することができなくなってしまうのです。

 

たとえばですが、踏力に対して、

ブレーキの効きが加速的に立ち上げるような、

ピーキーなブレーキ特性では、

まったくもって、ドライバーがブレーキを絶妙に

コントロールすることは、不可能です。

 

下のグラフを見て下さい。

 

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このグラフは、踏力を徐々に立ち上げたとき、

ブレーキパッドがどのような効きを示すかを

グラフ化したものです。

 

そうです、これにより、

ブレーキパッドの特性(キャラクターが)が

わかるのです。

 

もちろん、理想は、踏力のラインと同じように、

効きが立ち上がるのが、BEST です。

 

そして、特に  「D」  のような特性を持っている

ブレーキパッドは、最悪です。

 

こうなると、いくらドライバーが、

スピードにより、少しずつ変化する制動力を

コントロールしようとしても、

ブレーキの効きが途中で大きく変化し、

コントロールができなくなってしまいます。

 

でもね、この 「D」  タイプを

サーキットで使っている人、すごく多いと

田中は思います。

 

そして、そんなドライバーに限って、

うまく走れないのは、自分のドラテクが

まだまだだと、思ってるんですね~。

 

正直、このタイプのブレーキパッドでは、

レーシングドライバーが乗っても、

限界ではコントロールできないと、

思います。 いや、断言します!

 

自信を持って、初期の踏力を立ち上げるためにも、

ブレーキパッド摩材のキャラクターは、

とっても重要です。

 

やっぱり、ドラテクを磨くなら、

適正な道具で練習しないと、

いつまでたっても、ゴールにはたどり着かないのです。

ZONE
ブレーキの踏み方 ⑤

2009年03月17日(火)

ブレーキの踏み方 ④ は、

かなりマニアックでしたが、

理解できましたでしょうか?

 

今回は、一箇所のブレーキだけではなくて、

サーキットをトータルで考えてみましょう。

 

まずは、下のグラフを見てください。

 

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このグラフは、レーシングカーで、

岡山国際サーキットを走行したときの

スピードとブレーキ踏力のグラフ(データロガー)です。

 

ドライバーの感覚から、

減速(シフトダウン)を伴うコーナーでは、

すべて、ロックするかしないかの、

ギリギリを狙っているのにかかわらず、

ブレーキ踏力は、コーナーによってかなり違っています。

 

そして、この踏力は、スピードに比例しています。

 

要するに、高いスピードからの減速になればなるほど、

初期のブレーキ踏力は強くなっていますよね?

 

これこそが、スピードにより、μ が、

変化していることへの実証です。 

 

すいません、今回もマニアックな話で。

 

サーキット別のデータロガーは、こちら  をどーぞ。

ZONE
ブレーキの踏み方 ④

2009年03月16日(月)

今回は、ブレーキの踏み方の

もう少し、突っ込んだ、話を。

 

まず、下のグラフを見てください。

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これは、WEBサイト内に表記している、

富士スピードウェイの1コーナーをレーシングカーで走ったときの

データロガーです。

 

ここで見てもらいたいのは、

① のブレーキ踏力の立ち上がりです。

 

250km/h オーバーのスピードから、

一気に最大踏力まで立ち上がっていますよね。

 

また、グラフの下の目盛りは、距離となっていますので、

それを読み取ると、ブレーキの踏み始めから、

最大踏力まで、約15メートル !

 

これぐらい、躊躇なく、一気に踏んでも、

安定してブレーキが効いてくれる

ブレーキパッドでないと、サーキットでは使えないのです。

 

そして、最大踏力の状態から、距離が進むと、

少しずつ、踏力が緩んできています。

 

これが、前回話をした、

スピードが落ちることにより、

μ が上がってくることに対する、踏力の調整です。

 

ということは、この ① と ② の間では、

少し踏力が緩んではいるものの、

ブレーキから発生している、制動力は、

ロックするかしないかの、ぎりぎりのラインを

キープしているのです。

 

こうして、ロガーで見ると、

ハッキリわかりますね。

 

ではでは。

ZONE
ブレーキの踏み方 ③

2009年02月27日(金)

今回もブレーキの初期踏力のお話を少し。

 

そもそも、なぜ、ブレーキの初期は強い踏力が

必要なのでしょうか?

 

その理由は、ロータの回転スピードに秘密があります。

ブレーキは、回転するロータに摩材を こすり付けて、

その摩擦で制動力を生み出しますが、

ロータの回転が速い(スピードが高い)状態と、

ある程度、減速が進み、ロータの回転が、

遅くなってきた状態とでは、発生するμ(ミュー)が違うからです。

 

この場合、ロータの回転スピードが速いと、μは低くなり、

回転スピードが遅いと、μは高くなります。

 

だから、同じ減速でも、ストレートエンドの

スピードが高い状態からのブレーキでは、

踏力をガツンかけても大丈夫。

 

いや、ガツンと踏まないとシッカリ減速ができないのです。

反対に、テクニカルセクションのブレーキでは、

ロータの回転スピードが低いので、ガツンとかける必要はないのです。

 

もちろん、このロータの回転スピードによる、ブレーキの効き方は、

パッド摩材により違ってきます。

 

と、言うことで、ZONE の WEB サイトでは、

各摩材の特徴説明で、スピード域により、どのようにμが変化するか、

グラフで表記 しているのです。

(最下段 左側)

 

ZONE って、やっぱ、マニアって言うか、

サーキットで使うドライバーのこと、シッカリ考えてるでしょ?

ZONE
ブレーキの踏み方 ②

2009年02月26日(木)

先日、初期のブレーキの踏み方について書きましたが、

今回は、その続きです。

 

サーキットでブレーキの上手な人は、

絶対と言っていいほど、初期の踏力が強いです。

 

要するに、ガツンと強く踏んでも、

クルマをコントロールができる自信があるから、

強く踏めるのですが、

みんな、はじめから強く踏めたわけではないのです。

 

当然、はじめは強く踏めず、トライ&エラーを繰り返し、

強く踏めるようになったと思います。

 

その時、ドラテクの成長を大きく妨げるものがあります。

それは、ブレーキパッドの摩材チョイスです。

 

サーキットでラップタイムを出すためには、

初期の強いブレーキ踏力が必要不可欠です。

 

ブレーキが強く踏めない → 効きの強いパッドにする               

              は、NG。

 

ブレーキが強く踏めない → 強く踏めるように練習する

            が、◎ なのです。   

 

ここで、初期を強く踏んでも、安定して効いてくれるパッドを

チョイスできていれば、あとは、ブレーキパッドが、

どれぐらい強く踏むか教えてくれます。

 

ブレーキ摩材も、奥が深いでしょ?

ぜひ、ぜひ、ZONEで、ブレーキングのスキルアップに

挑戦してみてください!!

 

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