HYPERCO
ZC31S マッチングデータ (トラスト社製車高調の場合)

2010年06月03日(木)

スイフトのリアサスペンションは、

ダンパーとスプリングが、セパレートのタイプですので、

ダンパーの長さによって、使用できるスプリング、

設定できる車高が決まってしまいます。

 

 

先日の「匠の日」 にて、

トラスト社製車高調に、HYPERCO を

装着したとき、データ取りを行いました。

 

マッチングデータ & お奨めスプリングは、以下のとなります。

 

 

① スプリングのチョイスによっては、

   スプリングアタッチメントは、不要ですので、

       HYPERCOスプリング4本のみの購入で装着が可能です。

  (要、ノーマルスプリングに使用されていた、リア側のゴムシート)

 

② スプリングのアイテムは、

   フロント ID60 7~8インチ (スプリングレートチョイスいただけます)

   リア   ID65 TM サーキットスプリング

 

③  車高

   フロント 全長調整部の範囲で、設定いただけます。

   リア   スプリングが遊ばない状況で、フェンダーアーチから地面まで、

         615mm(純正比、-30 ~ -35mm) まで、

        車高を下げることが出きます。

 

 

 

p1200381mozaiku

 

 

 

田中ミノル式、スプリングチョイスは、サーキット & ストリートの両立で、

フロント                     

ID60 7(8)インチ 350ポンド (6.3k)

ID60 7(8)インチ 450ポンド (8.0k)

ID60 7(8)インチ 500ポンド (8.9k)

以上から、チョイス

 
リア TM サーキットスプリング  

ID65 6.34イン 410ポンド (7.3k)

が、とってもよろしいかと思います。

 

 

車高のバランスは、

フロント  625mm(純正比 -20~-25mm) から、

       615mm(純正比 -30~-35mm) 

 

リア    615mm(純正比 -30~-35mm) 

 

あたりが、田中のお奨めです。

 

 

交換された方からは、すご~く、高評価をいただいておりますので、

トラストユーザーの方、ぜひ、お試しを!

 

 

 

 

また、リアスプリングに直巻きタイプを装着される場合は、

ID65スプリングのチョイスの場合は、ロアシート(¥4,000 × 2枚)

ID60スプリングのチョイスの場合は、

直巻きスプリングアタッチメント(¥32,000) が、別途必要となります。

 

 

設定できる車高は、スプリングの長さとレートにより違ってきます。

ジャッキアップ時に遊びがないように、車高を設定すると、

6インチスプリングで、610mm(純正比 -35~-40mm)近辺、

7インチスプリングで625mm(純正比 -20~-25mm)近辺です。

 

 

より詳しい、マッチング確認等は、

TEL 03-5706-1888

または、mail@tm-square.com まで!

サスペンション
TM ダンパーキット のオーバーホールについて

2010年06月02日(水)

WEB サイトに表記されているように、

TM-SQUARE のダンパーは、

オーバーホール が可能です。

(と言うか、どんなダンパーもオーバーホールは必要です・・・)

 

 

でね、最近、良くご質問をいただくのは、

WEB サイトにある、この文章です。

 

 

BEST な状態でご使用いただくためにも、

約2~3万キロの走行でのオーバーホールを

お願いします。

(使用状況により、オーバーホールの時期は、一定ではありません)

 

 

たとえば、年間2~3万キロの走行される方なら、

毎年オーバーホールが必要か、否かということですよね。

 

 

じつは、その答えは、とっても難しいです・・・。

 

 

メーカーサイドの回答としては、

やはり、安全面、機能面を重視しますので、

オーバーホールのタイミングは、早いに越したことはない・・・。

 

 

でも、みなさんのコスト面や、手間を考えると、

できるだけオーバーホールのスパンは長くしたい・・・。

 

 

だから、誤解を恐れずに、田中の見解を言うと、

「気になったら、オーバーホールする」 で

良いのではないでしょうか?

 

 

ダンパーの消耗品といえば、

ウェアリング&シール類ですので、

この部分が消耗すれば、

減衰が弱くなったり、オイルがリークしたりします。

 

 

そうなれば、そのときがオーバーホールの

タイミングであって、必ずしも、2~3万キロで、

オーバーホールしなければならないと言うことでは、ないと思います。

 

 

だって、使用用途や、使用スプリングによって、

ダンパーのオーバーホールのタイミングは、

大きく違ってきますからね。

 

 

一概には言えませんが、

トータルのストローク量(ストロークの回数)によって、

オーバーホールのタイミングは決まりますので、

スプリングレートがやわらかいほど、

走行している路面が悪いほど、

オーバーホールのタイミングは早まります。

 

 

でも、それが嫌だからといって、

不必要にスプリングレートを上げるのは、本末転倒。

 

クルマは、道具であって、

人間が道具に合わせる必要はないと思います。

 

だから、自分の使用用途でしっかり使って、

減衰の低下という不都合を感じれば、

オーバーホールすれば良いと思います。

 

 

ハンドルの切るタイミングを決めているのは、

ドライバーなんですから、

ダンパーのオーバーホールのタイミングも、

ドライバーが決めれば良いと、田中は思うのです。

 

 

 

 

TM-SQUARE ダンパーキット

 

 

 

2010_apr01-058111

サスペンション
TM ダンパーの個別プライスリスト

2010年06月01日(火)

最近、TMダンパーキットを導入予定の方々から、

「じつは、すでにHYPERCO を使用しているですが、

フルキットでしか、買えませんか?」 なんて

質問を受けます。

 

 

ということで、

すでに、HYPERCOスプリングや、

スプリングアタッチメントを導入されている方に、

より、TM ダンパーキットを導入していただきやすいように、

個別のプライスを設定しました。

 

構 成 品

価格(税込)

Fスプリング

Rスプリング

Rアタッチメント

\ 330,000

×

\ 310,000

×

\ 310,000

×

×

\ 290,000

×

\ 308,000

×

×

\ 288,000

×

×

\ 288,000

×

×

×

\ 268,000

 

たとえば、すでに、HYPERCO 4本を

お持ちなら、¥290,000 で、

 

また、HYPERCO 4本 と、

スプリングアタッチメントをお持ちなら、

¥268,000 で、フルキットとなります。

 

 

確かに、最近、他社製ダンパーに、HYPERCO を

装着されている方も、かなり多くなりましたので、

この個別の設定は、

より、次のステップへ、進化しやすいかもしれませんね。

 

 

 

要するに、TMダンパーキットの導入前に、

HYPERCO のみを装着しても、無駄にならないということです。

 

ただ、価格が安いからといって、

TMダンパーに、他社製のスプリングは、

組み合わせないでくださいね。

 

あくまでも、TMダンパーは、HYPERCO の

特性に合わせて、減衰設定を行っていますので、

必ず、スプリングは、HYPERCO をご使用下さい。

 

 

 

2010_apr01-05811

サスペンション
HYPERCO は、やっぱ スゴイ!(匠の日編)②

2010年04月30日(金)

 

 

いよいよスタートですね、

ゴールデンウィーク!

 

 

 

でも、田中は、5/2~5/4までの

4連休に向けて、今日も明日も仕事なのです。

 

 

 

 

 

さてさて、今回も、

スイフト & オー〇ンズ ダンパーの

リアスプリングのお話です。

 

 

 

 

 

前回、車高 -30mm なら、

TM ストリートスプリングがお奨めと書きましたが、

 

 

 

今日は、

 

もっと車高を下げたい!

もっと高いレートにしたい!!

 

 

というニーズのお話を。

 

 

 

 

スイフトのリアサスペンション は、

セパレートタイプのため、

スプリングの長さが、とっても重要です。

 

 

 

 

 

なぜなら、ダンパー全長が長くて、

スプリングが短いと、ジャッキアップ時に、

遊びが出てしまいます。

 

 

 

 

 

そこで、車高が落ちて、

全長の長い、プログレッシブ タイプが、

使用されるケースが、多いんです。

 

 

 

 

でも、ドライブフィールは、

前回書いたように、良くありません・・・。

 

 

 

 

 

そこで、HYPERCO スプリングの

登場となるのですが、

HYPERCO スプリング は、シングルレート タイプなので、

 

 

車高を落とすには、全長の短いスプリングを

使用するしか手がありません。

 

 

 

 

そうです、シングルレート タイプの

メリットは、素晴らしい乗り味 となり、

デメリットは、スプリングが遊ばないように、

全長の長いスプリングを入れると、

車高が落ちないことなんです。

 

 

 

 

こんなとき、

リアダンパーが、全長調整タイプなら、

ダンパー短くすることができますので、

短いスプリングを装着しても、遊びが出ません。

 

 

 

 

 

でも、オー〇ンズ ダンパーのように、

全長調整ができないタイプでは、

車高のために、短いスプリングが装着できません。

 

 

 

 

そこで!

 

 

ダンパー本体には無加工で、

ショートストローク化ができる、

TM オリジナルの

ショートストローク化 アタッチメント さえあれば、

設定車高と、レートチョイスの選択肢が、

グッ、グッと増えるのです。

 

 

 

 

たとえば、HYPERCO

ID65 7インチ のチョイスなら、

 

 

 

 

レート         最低車高(純正比)

275ポンド(4.9k)     -34mm

350ポンド(6.3k)     -28mm

400ポンド(7.1k)     -24mm

450ポンド(8.0k)     -22mm

(ショートストローク化 アタッチメント 65タイプ使用時)

 

 

 

 

 

HYPERCO

ID60 6インチ のチョイスなら、

 

 

 

レート         最低車高(純正比)

350ポンド(6.3k)     -54mm

450ポンド(8.0k)     -48mm

500ポンド(8.9k)     -46mm

550ポンド(9.8k)     -44mm

600ポンド(10.7k)    -42mm

(ショートストローク化 アタッチメント 95タイプ使用時)

 

 

 

 

 

そして、

 

TMサーキットスプリング(6.3k)のチョイスなら

 

 

 

ショートストローク化 アタッチメント

65タイプ使用時で、-38mm

95タイプ使用時で、-58mm

の最低車高(純正比)となります。

 

 

 

 

 

もちろん、上記の最低車高から、

スプリングシートの位置を変更して、

車高を上げることは可能ですが、

スプリングにプリロードがかかりますので、

最低車高近辺で使用するか、

車高を上げたとしても、最低車高から、

+10mmぐらいの設定にすることを

田中は、お奨めしています。

 

 

 

 

 

p1170516_s

 

 

 

必要なパーツは、

 

 

 

スプリング 2本

ショートストローク化 アタッチメント (65または、95タイプ)

オリジナルスプリング アタッチメント

 

 

 

となります。

 

 

 

 

 

 

でね、先日の 「匠の日」 に、

田中と、ガッツリ打ち合わせを行い、

 

 

 

オー〇ンズ ダンパーに、

TMサーキットスプリング(6.3k) を

装着された方がいらっしゃいました。

 

 

 

 

 

その方から、

お礼のメールをいただきましたので、

ちょこっとご紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

 

以下、ユーザー様からのメールです。

 

 

 

25日、匠の日にオリジナル サーキットスプリング(リア用)とオー〇ンズDFV専用

ショートストローク化アタッチメントを取り付けしてもらった〇〇です。

本日、早速、箱根まで走りに行って来たので感想を送ります。

今回、リアスプリング交換の目的はTM SQUAREのダンパーキットの発売を

待ちきれずに買ってしまったオー〇ンズDFVの不満解消の為です。

私はバイクでオー〇ンズを装着していた時の好印象があったので車でも

オー〇ンズなら満足させてくれるだろうとTMダンパーを待ちきれずに導入して

しまいました。しかし実際は全く満足出来ず駄目でした。理由はリアのスプリングが

やたらと柔らかく、加速時にフロントの接地感が全く無くなってしまい、楽しく走る事が

出来ないからです。そこで今回のハイパコとショートストロークアタッチメントと

オリジナルスプリングアタッチメントのSET導入となった訳です。

結果は私の予想以上の変化でした。勿論、良い方向への変化です。

まず感じたのはハイパコのインプレッションとしてよく見かける『フラットライド』ですね。

箱根へ向かう途中の高速道路での印象は正にフラットライドのそれで、シートから

感じるインフォメーションが今までとは大違いです。

使い古した表現ですが まるで路面を舐めるような感じです。突き上げ感も皆無ですね。

スプリングレートがオー〇ンズのノーマル4kgf/mmから倍近く高い7.3kgf/mmに

なっているとは思えないほどの乗り心地良さと安定感が際立ちます。

この安定感と乗り心地は一般道でも全く変わらず箱根の峠道でも今までの様な

加速時の接地感の無さから解放されて気持ちよく走る事が出来ました。

ただ問題なのはリアが良くなり過ぎてしまったせいか、フロントにバタバタ感を

やたらと感じてしまい、『フロントも替えたら気持ちよさ倍増だな…』とか思いながら

時間を忘れて走りに集中してしまいました。

スイフトオーナーは私のように先急いでオー〇ンズDFVを導入してしまった人が

多いと思います。そしてネジ式車高調整故のスプリング交換が ほぼ不可能という

ジレンマに苦しんでいる人は多いのではないでしょうか。

しかしTM SQUAREのオリジナル サーキットスプリングSETさえ導入すれば一気に

不満解消間違い無しです。もっとTM SQUAREで積極的に宣伝すれば、

オーリンズオーナーは幸せになれるんじゃないかな~と思いますよ。

長くなりましたが感想は以上です。

それと取り付け時に走りの匠たる実さんのアドバイス、本当に参考になりました。

HPに書いてある通り、実さんって本当にスイフトが好き…というか愛しているんだ

なって伝わってきましたよ。また取り付けして下さったメカニックの匠である望月さん、

阿部さん(漢字あっていますよね?)、丁寧な仕事をありがとう御座いました。

次回、フロントスプリングの交換の時もよろしくお願いします。

良い製品の開発、ありがとう御座いました。

 

 

 

 

 

 

 

いや~、すごい内容でしょ?

あまりに嬉しくて、田中のブログで、ご紹介しました。

 

 

 

 

 

 

スイフトのサスペンションチューニングは、

やっぱ、リアが重要ですよね。

 

 

 

 

 

 

これからも、

そのことが、徐々に解明されて、

近い将来、スイフト いや、FFの

サスペンションチューニングのトレンドに

なるように感じている、今日この頃です。ハイ。

 

 

 

 

 

 

では、次回は、車高バランスの話しを少し。

 

 

 

 

サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットの詳細説明②

2010年04月02日(金)

TM-SQUARE のダンパーには、

減衰力の調整がついています。

 

 

フロント部分は、倒立なので、

ダンパーの下側に調整する部分があります。

 

 

 

p11509371

 

 

 

そして、リアは、正立なので、

ダンパーの上部に調整する部分があります。

 

 

p11505351

 

 

減衰力を調整するときは、

一番締め込んだ状態から、

何段階戻したかをデータとして、セッティングに役立てて下さいね。

(反対は、ダメですよ)

 

 

でもって、ひとつの目安として、

 

サーキットでは、1戻し~15戻しの全域を使用しますが、

田中が、基本的に使用しているのは、

 

フロント 5戻し~12戻し

リア   8戻し~15戻し

 

そして、ストリートでも、1戻し~15戻しの全域を使用しますが、

田中が、基本的に使用しているのは、

 

フロント 5戻し~15戻し

リア   5戻し~15戻し

 

レベルです。

 

 

また、TM-SQUAREダンパーキットは、

1way タイプですので、

ダイヤルを回すと、バンプ側/リバンプ側ともに、

減衰力が変化します。

 

(バンプ側/リバンプ側を個別に、

減衰力調整することは、できません)

 

 

 

 

もちろん、フロント/リアともに、

ダストブーツも、付属しています。

 

 

 

p11505891

p116001511

 

以上、スゴ~く長くなってしまいましたが、

TM-SQUARE ダンパーキットの説明でした!

サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットの詳細説明①

2010年04月01日(木)

桜、ぐぐっと、咲いてきましたね~。

我が家近くの公園の桜も、

現在、3分咲きといった感じでしょうか?

 

 

さて、今日は、ダンパーキットの

こだわりをいくつかご紹介しましょう。

 

 

まずは、ストラットブラケットの固定部分を

かなり頑丈に作りました。

 

 

p11509801

p11504921

 

 

この部分って、結構よく緩みますよね?

(特に左側)

 

開発テストで、何度か緩んで、

ホイールをやっつけたことがあったので、

ここは、ガッツリと強化しました。

 

 

 

お次は、

フロントスタビのブラケット部分を

ちょっとマニアックに作ってみました。

 

 

p11504651

(焼け色からも、溶接のクォリティが、わかるでしょ?)

 

 

これは、割を入れて、締め付けて

固定するタイプとなります。

 

装着状態は、こんな感じです。

 

 

p11509661

 

 

でもね、コレは、ガッツリキャンバー仕様です。

 

大きくフロントキャンバーを付けると、

ちょうどこの部分(ブラケットの中央)に、

タイヤが干渉しますので、

できるだけスリムな形状にしたんです。

 

 

 

 

で、もし、そんなに、キャンバーを付けないなら、

このような、装着状態に、なります。

 

 

p116005011

 

 

スタビブラケットを、シートでサンドイッチです。

 

 

要するに、キャンバーを大きく付けて、

タイヤと干渉する可能性がある場合は、

シートを取外して、クリアランスを取り、

 

スペースがあるときには、

ブラケットの締め付けによって発生する

ダンパーフリクションを取り除こうという作戦です。

 

確かに、ビビたるものなのですが、

まあ、このあたりが、こだわりです。

 

 

ホイールのオフセットにもよりますが、

-3° 台ですと、シートの使用が可能だと思います。ハイ。

 

 

 

とま~、中身はもちろんのこと、

随所に、こだわりが、ギッシリです。

 

 

だって、スイフトのためだけに、作った、

ダンパーですからね・・・。

サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットの秘密兵器!

2010年03月30日(火)

今日は、今まで、ずっと沈黙を守ってきた、

TM-SQUARE ダンパーキット の秘密兵器を

紹介しましょう。

 

 

フロントキャンバー調整をする場合、

一般的な車高調整式ダンパーでは、

ストラットブラケットプレートを、長穴加工して、

キャンバー調整を可能としていますよね?

 

でも、この方法では、「Gフォース」 や、

「縁石への乗り上げ」 等、大きな入力があると、

簡単に “ズレ” が生じてしまいます。

 

この、 “ズレ” が発生すると、

キャンバーだけではなく、トーインも狂いますので、

アライメントを取り直さなければ、走行ができません・・・・・。

 

そこで! TM-SQUARE のダンパーキットは、

フロントキャンバーを調整式にするために、

画期的なアイデアが採用されています。

 

 

それは、下図のように、上部の長穴部分に、

キャンバーパッドと呼ばれるパーツを挟みこみます。

じつは、このキャンバーパッドには、

設定するキャンバー角に合わせて、

穴位置の違う数種類が付属されているのです!!

 

 

e383ade383afbkt

e382ade383a3e383b3e38390e383bce38391e38383e38389e8aaace6988e

 

 

このキャンバーパッドを挟み込むことで、

上記5種類のキャンバー角から、

タイヤや、セットアップ、使用用途に合わせた、

キャンバー角をチョイスすることが可能となます。

もちろん、長穴内でボルトが左右にスライドすることがないので、

FF車のセッティングの「キモ」であるフロントキャンバーを、

走行中の“ズレ”を発生させることなく、調整式としました。

 

 

p1130902

 

 

 

装着は、ストラットブラケットプレートに、

挟み込むだけ。

 

 

 

p1130905

p1130906

p1130909

 

 

へ、へ、へ・・・、これで、キャンバーは、”ズレ” ません!!

 

 

かなりの優れものでしょ?

サスペンション
ダンパー講座④ HYPERCOの登場と減衰力の関係

2010年03月29日(月)

 

ダンパーに求められる、

「スプリングと分業化するための減衰力」 は、

HYPERCOスプリング の登場で、大きく変化しました。

 

 

 

なぜなら、HYPERCO 登場以前のスプリングは、

縮み始めのレート特性が、規定レートより低いタイプが、主流だったからです。

 

 

 

この、プログレッシブタイプのような特性を持ったスプリングでは、

同レートであっても 0G → 1Gまでのストローク量が、

大きくなってしまいます。

 

 

 

下の図を見てください。

 

 

 

 

wait_2

 

 

 

 

たとえば、スプリングレートの表記が、

10kg/mm の2種類のスプリングがあったとしましょう。

 

 

 

これらのスプリングに、

コーナーウエイトに相当する300kgの荷重をかけると、

① のスプリングは、最初から、10kg/mmのレートを発生していますので、

300kg÷10kg/mm = 30mm のストロークとなります。

 

 

 

 

対して、② のスプリングは、初期のレートが表記より低く、

仮に縮みはじめ50mmまでの平均レートを6kg/mmとすると、

300kg÷6kg/mm = 50mm のストロークとなります。

 

 

 

 

そうです、この状態が、「1G」 と呼ばれる状態です。

 

 

 

そして、② のスプリングも、50mm以上のストロークでは、

表記どおり、10kg/mmのレートになると仮定すると、

「1G」 から、荷重が増える分には、両スプリングとも、

まったく同じ分だけ、荷重変化に対してストロークします。

 

 

 

が、しかし・・・、サスペンションは、縮むだけではありません。

「1G」 を境に、荷重によって、縮んだり、伸びたりします。

 

 

 

そして、縮むことに関しては、①も②も同等の変化となりますが、

伸びる部分では、大きな違いが発生します。

 

 

 

当然、1Gまでのストローク量の多い②は、

荷重が少なくなった状況では、伸び側のストロークが大きくなってしまうのです。

 

 

 

 

 

wait_1

 

 

 

 

 

 

この状況を抑制するため、

ダンパーのリバウンド側の減衰を強くし、

内側のスプリングの、伸び上がりを抑制するという、

ダンパーセットが、以前は主流でした。

 

 

 

しかし、HYPERCOスプリングの登場により、

荷重移動によるスプリングの伸びと縮み量が同じとなることから、

このリバウンド減衰による、制御は不要となりました。

 

 

 

結果、バンプとリバウンドの減衰力は、同じレベルとなり、

「スプリングとダンパーの分業化」 が、可能となったのです。

 

 

 

もちろん、リバウンドの減衰力が、弱くなったことで、

ストリートでの乗り心地も、大きく改善されたのです。

 

 

 

HYPERCO スプリングって、スゴイでしょ?

 

 

 

 

 

サスペンション
ダンパー講座③ 理想的なダンパーって?

2010年03月26日(金)

田中の思う、理想的なダンパーの条件は、2つ。

 

一つ目は、

「スプリングの動きに悪影響を与えないこと」 です。

 

スプリングは、荷重に比例して、

ストローク量(ロール量)を決定します。

 

この動きにダンパーが関与しないと、

荷重の移動量に比例して、クルマが傾いてくれますので、

ドライバーは、荷重の移動量が手に取るように把握できます。

 

要するに、「乗りやすい」 「限界がわかりやすい」 といった

ドライバビリティーの高いクルマになり、

セッティングの方向性も非常にシンプルになります。

 

 

二つ目は、

「ダンパーが動き始めた瞬間から、シッカリと減衰力が立ち上がること」 です。

 

みなさんのイメージでは、ダンパーが動き始めるのは、

ブレーキやコーナリングのアクションを起こした時ですよね。

 

でも、実際は、ずーっと、ダンパーは動いているのです。

 

下のグラフは、岡山国際サーキットの

裏ストレート部分のデータロガーです。

小刻みですが、かなり、動いているのが理解できると思います。

 

 

e38380e383b3e38391e383bce381aee68cafe58b95

 

 

ちょっと、見にくいですが、グラフ下の目盛りは、

時間軸となり、一番小さな目盛りが、コンマ1秒となります。

 

グラフから読み取ると、だいたい、1秒間に7~10回、

2mm程度、伸びたり縮んだりを繰り返していますよね?

 

 

ということは、ダンパーピストンも、

2mm程度、上下に動いているんですが、

この時、ピストンのシムの中に、

オイルが通過していないダンパーって、結構多いんです。

 

要するに、ステアリングでいうところの

「遊び」 が発生しているということです。

 

こうなると、動きはじめの最初の2mmは、

減衰が立ち上がらないダンパーとなり、

走行中の微振動で、上下4mmの間は、

減衰力がゼロとなってしまう場合があります。

 

この状態で、ギャップや荷重移動により、

急にダンパーが大きくストロークすると、

最大、動きはじめからの4mmの間、

減衰力がゼロの状態となり、

その後、急激に減衰が立ち上がってしまします。

 

 

また、減衰力がゼロだと、

当然、ダンパーのピストンスピードも上がってしまい、

その後、シムの間にオイルが通過しはじめる瞬間、

大きな減衰が突然発生してしまいます。

 

要するに、突っ張ってしまう、バネ成分の強いダンパーとなるのです。

 

 

反対に、最初の1mmに減衰があれば、

途中で、減衰に大きな変化がありませんので、

スムーズでしなやかな、スプリングと荷重の変化量に

的確に応じる、リニアな足廻りとなります。

 

 

 

これが、田中が求めている、理想的なダンパーの

2つの条件なのです。

サスペンション
ダンパー講座② ダンパーでロール量をセットアップするデメリット

2010年03月25日(木)

以前は、車高調と言うと、

ノーマルに比べ、ストローク量が少なくなることから、

その分、強い減衰が必要と考えられ、

レースの世界でも、10~15年ぐらい前までは、

バンプもリバンプも”ガチガチ”の時代がありました。

 

しかし、減衰力の高いダンパーを装着すると、

どうしてもダンパー自体がバネ成分をもってしまいます。

 

たとえば、スプリングレートは、10 Kgf/mmなのに、

それに、ダンパーの減衰力から発生するレート(バネ成分)、10 Kgf/mmが加わり、

ある部分では、20 Kgf/mmになってしまうこともあるのです。

 

 

では、ダンパーの減衰力調整を利用して、

「ロール量」 を変えると、何がいけないかを説明しましょう。

 

 

もし、スプリングのレートではなく、ダンパーの減衰で、

「ロール量」 を変えてしまうと・・・・・、

 

① ダンパーのストロークするスピードによって、減衰(スプリングレート)が変化する。

② ダンパーオイルの温度により、減衰(スプリングレート)が変化する。

 

といった理由で、不都合が発生します。

 

①の場合、ダンパーは、ストロークするスピードが速いと、

大きな減衰力が発生しますので、

コーナーの種類によってダンパー減衰を加味した

全体のバネレートが変化してしまいます。

 

たとえば、ハイスピードコーナーでは、

20 Kgf/mmのバネレートなのに、

ロースピードコーナーでは、12 Kgf/mmになったり、

コーナーの入口では、20 Kgf/mmのバネレートが、

コーナーの中では、15 Kgf/mm → 12 Kgf/mm と

いったように変化します。

 

 

また、②の場合、

ダンパーは、ダンパーオイルの温度が高くなると、

減衰が弱くなりますので、

同じコーナーの同じ場所でも、

最初のラップでは、20 Kgf/mmだったものの、

連続ラップで、ダンパーオイルの温度が上昇すると、

15 Kgf/mm → 12 Kgf/mm と変化します。

 

 

こうなると、ダンパーのバネ成分を加味した、

全体のスプリングレートが変化することから、

タイヤにかかる荷重の増減も変化し、

結局、ピーキーな特性から、

タイヤのグリップがうまく使えなくなってしまいます。

 

もちろん、その時々で、スプリングレートが変化することから、

ドライバビリティも、著しく低下してしまいます。

 

 

要するに、「ロール量」 が多いならば、

「ロール量」 を決めるスプリングのレートを上げるべきです。

 

 

そうすると、どこのコーナーでも、コーナーのどの部分でも、

荷重にリンクした、「ロール量」 となり、セットアップもシンプルで、

ドライバーも動きを把握しやすくなります。

 

これをダンパーで行うと、あまりにも変化してしまう要素が多すぎて、

セッティングもドライビングも複雑になるだけなのです。

 

ダンパーの減衰で、セットアップするのは、

「ロール量」 ではなく、「ロールスピード」 です。

 

スプリング →  荷重の増減によって、”ロール量”を決定する

ダンパー  →  ロールのスピードを決定する

 

 

といった、完全分業が、一番シンプルで、

ドライバーは荷重移動のインフォメーションが把握しやすく、

タイヤのグリップを最大限に活用できるのです。