BBSホイールのネーミング決定!

2010年04月05日(月)

昨年末のスーパーバトルでお披露目した、

田中ミノル オリジナル のBBSホイール。

 

 

そのネーミングが、決まりましたので、

ご報告しますね。

 

 

まず、ブランド名は、

 

CLEAR WAYS  (クリアウェイズ)


語源は、イギリス ブランズハッチ サーキットの

最終コーナーのネーミングです。

(正確には、ピット前がコーナーになっているので、

最終コーナーのひとつ手前のコーナーになりますが・・・)

 

 

 

今までタイトだったコース幅が、

このコ-ナーの出口で急に広くなり、

なんだか、いかにも、CLEAR WAYS という、

ネーミングどおり、気持ちのいいコーナーなんですね~。

 

 

 

そうです、ブランド名があるということは、

BBSホイールは、TM-SQUARE の商品ではなく、

ミノルインターナショナルの商品となります。

(オッと、これで5ブランド目だ!)

 

 

 

でもって、今回のデザインは、

TT-10F となります。

 

 

 

ですから、今回リリースしたBBS製のホイールは、

 

CLEAR WAYS  TT-10F


という、名称になりますので、

みなさん、「お見知りおき」 を。

 

 

 

でね、そのロゴデザインが、

出来上がってきたんですよ!

 

こんな感じになりました。

 

 

 

 

wheel_logo

 

 

 

 

なかなか、カッコいいでしょ?

 

 

ただ、CLEAR WAYS  TT-10F は、

お店で購入することができません・・・。

 

 

この商品は、WEB のみの限定販売となります。

そして、気になるお値段は、

 

 

1本 ¥70,000

 

 


そう、4本なら ¥280,000 となります。

 

 

この金額が、高いか、安いかは、

もちろん、みなさんが決める話なのですが、

田中は、ありえなく安いと、思っています。

 

 

 

安いと思う最大の理由は、

デザインや、ネームバリューではなく、

機能です。

 

 

 

この機能で、この価格、ホントたまりません。

 

 

 

元々、自分が欲しくて

作ってもらったホイールですからね・・・・・。

 

 

 

みなさん、

 

CLEAR WAYS  TT-10F


どーぞ、よろしくお願いします!

 

 

 

 

 

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2009_dec10-0436

2009_dec09-0495

 

サイズ  7.5j 16インチ +46  5HOLE 114.3

 

 


WEB サイト  本日開通です!

 

 

CLEAR WAYS  TT-10F

 

 


ハイパーミーティング まで あと1週間!

2010年04月03日(土)

いよいよ、来週末は、ハイパミ ですね!

 

走行会へ参加される方も、

たくさん、いらっしゃるのでは、ないでしょうか?

 

 

我々も、現在、準備でバタバタしておりますよ~。

 

 

タイムアタック&レースに出場するため

1号車は、月刊「匠の日」 の翌日から、

横浜市幸浦にある、あの場所(もうバレバレ?)に、

出張中です。

 

 

で、何をしているかというと、

ミッションのOH。

 

もう、7万キロ走ってて、

一回もOHしたことがなく、

オマケに、アクセル戻さず、

全開のまま、ギアチェンジしてましたからね・・・。

 

 

で、そのついでに、

こんなことも、やってます。

ほんのちょこっとですが・・・・・・。

 

 

 

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えっ?何やってんだって??

 

そんなこと言えませんよ~。

ハイパミが終わるまで・・・・・。

 

 

ま、所詮、ミッションOH のついでに、

行うような作業ですから・・・。

 

 

それより、

これらの作業が終わるかどうかの方が、

心配です。

 

 

だって、今週末は、岡山でGTがあり、

み~んな、昨日からいなくなっちゃいましたからね・・・・・。

 

 

来週の金曜日に、ハイパミ前の

テストを予定していますので、

月曜日から本格的に組み込んで、

木曜日までに終われば、

カッコよく、みなさんお前で、お披露目できるのですが、

もし、間に合わなければ・・・・・・、

 

どうしよう・・・。

 

そうなれば、2号車でも走らせますね。

 

 

 

でもって、販売イベントの方も、

気合入ってますよ~。

 

当日の取付けはできませんが、

パーツを購入(後送りも含めて)いただくと、

特権がいっぱい!

 

 

その特権は・・・・・、

現在発売中のREV SPEED を見ていただければ、

 

 

p1140962

 

 

 

思わず 「ウォ・・」 と、いっていただけると思います。ハイ。

 

 

ちょこっとだけ、リークすれば・・・、

 

 

こんなのとか・・・・・、

 

 

p1140976

 

 

 

こんなのとか・・・・・、

 

 

p1140981

 

 

 

そして、こんなのまで・・・・・、

 

 

 

p1140986

 

 

 

ありますので、

みなさん、ぜひ、有効にご使用下さいね。

 

 

 

もちろん、アタック中以外は、田中もブースに、

ずっといますので、

パーツのこと、セッティングのこと、

そして、ドラテクのことなどなど

気軽に相談&情報収集に、来て下さい!

 

 

ハイパーミティングで、みなさんにお会いできること、

楽しみにしていま~す!!

 

 

※ イベントブースでの詳細が決まったら、また、ご案内します!

 

 

 

 

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サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットの詳細説明②

2010年04月02日(金)

TM-SQUARE のダンパーには、

減衰力の調整がついています。

 

 

フロント部分は、倒立なので、

ダンパーの下側に調整する部分があります。

 

 

 

p11509371

 

 

 

そして、リアは、正立なので、

ダンパーの上部に調整する部分があります。

 

 

p11505351

 

 

減衰力を調整するときは、

一番締め込んだ状態から、

何段階戻したかをデータとして、セッティングに役立てて下さいね。

(反対は、ダメですよ)

 

 

でもって、ひとつの目安として、

 

サーキットでは、1戻し~15戻しの全域を使用しますが、

田中が、基本的に使用しているのは、

 

フロント 5戻し~12戻し

リア   8戻し~15戻し

 

そして、ストリートでも、1戻し~15戻しの全域を使用しますが、

田中が、基本的に使用しているのは、

 

フロント 5戻し~15戻し

リア   5戻し~15戻し

 

レベルです。

 

 

また、TM-SQUAREダンパーキットは、

1way タイプですので、

ダイヤルを回すと、バンプ側/リバンプ側ともに、

減衰力が変化します。

 

(バンプ側/リバンプ側を個別に、

減衰力調整することは、できません)

 

 

 

 

もちろん、フロント/リアともに、

ダストブーツも、付属しています。

 

 

 

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p116001511

 

以上、スゴ~く長くなってしまいましたが、

TM-SQUARE ダンパーキットの説明でした!

サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットの詳細説明①

2010年04月01日(木)

桜、ぐぐっと、咲いてきましたね~。

我が家近くの公園の桜も、

現在、3分咲きといった感じでしょうか?

 

 

さて、今日は、ダンパーキットの

こだわりをいくつかご紹介しましょう。

 

 

まずは、ストラットブラケットの固定部分を

かなり頑丈に作りました。

 

 

p11509801

p11504921

 

 

この部分って、結構よく緩みますよね?

(特に左側)

 

開発テストで、何度か緩んで、

ホイールをやっつけたことがあったので、

ここは、ガッツリと強化しました。

 

 

 

お次は、

フロントスタビのブラケット部分を

ちょっとマニアックに作ってみました。

 

 

p11504651

(焼け色からも、溶接のクォリティが、わかるでしょ?)

 

 

これは、割を入れて、締め付けて

固定するタイプとなります。

 

装着状態は、こんな感じです。

 

 

p11509661

 

 

でもね、コレは、ガッツリキャンバー仕様です。

 

大きくフロントキャンバーを付けると、

ちょうどこの部分(ブラケットの中央)に、

タイヤが干渉しますので、

できるだけスリムな形状にしたんです。

 

 

 

 

で、もし、そんなに、キャンバーを付けないなら、

このような、装着状態に、なります。

 

 

p116005011

 

 

スタビブラケットを、シートでサンドイッチです。

 

 

要するに、キャンバーを大きく付けて、

タイヤと干渉する可能性がある場合は、

シートを取外して、クリアランスを取り、

 

スペースがあるときには、

ブラケットの締め付けによって発生する

ダンパーフリクションを取り除こうという作戦です。

 

確かに、ビビたるものなのですが、

まあ、このあたりが、こだわりです。

 

 

ホイールのオフセットにもよりますが、

-3° 台ですと、シートの使用が可能だと思います。ハイ。

 

 

 

とま~、中身はもちろんのこと、

随所に、こだわりが、ギッシリです。

 

 

だって、スイフトのためだけに、作った、

ダンパーですからね・・・。

サスペンション
片山メカニックは、困った人・・・。

2010年04月01日(木)

 

 

先週末の 月刊 「匠の日」 では、大活躍の片山メカニック。

 

 

 

 

 

 

 

 

まあ、いつものように、作業中、ほんのちょっと、手から血が出ただけで、

「労災だ! 労災だ!」 って、叫んでましたが・・・。

 

 

 

でも、あまりにも、作業が集中してきて、バタバタになり、片山メカニックの

機嫌が悪くなってきたら、いい作戦があります。

 

 

 

 

その作戦は・・・・・、

 

 

 

 

 

〇ットカット、カスタードプリン味 作戦。

 

(みなさん、この献上品があれば、この男は、俄然、頑張りますよ~)

 

 

 

 

だいたい、大酒飲みなのに、チョコも大好きなようで、コレさえあれば、すぐにこんな顔になります。

 

 

 

 

(気持ちわりっ・・・)

 

 

 

 

 

 

あと、片山メカニックは、自分のものをとっても大切にします。

(と、いうか、独占欲が強い???)

 

 

 

 

だから、どんなものにも・・・・・・・、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分のマークを入れています。

(小学生みたい・・・・・)

 

 

 

 

やっぱ、自分のものがなくなったら、ショックですものね。

 

 

 

 

でも・・・・・・・・・・・・、

 

 

 

 

 

 

これって、パクってんじゃん!

 

 

 

 

コンさ~ん、HK〇のみなさ~ん、パクられてますよ!!

 

 

 

 

いやはや、さすが、片山メカニックです。

サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットのスペック

2010年03月31日(水)

では、今回は、

TM-SQUARE ダンパーキットのスペックのお話を。

TM-SQUAREダンパーキットは、

フロント   モノチューブ 倒立式  減衰力15段調整(1way)  全長調整式

リア      モノチューブ 正立式  減衰力15段調整(1way)  全長調整式

を採用しています。

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内部構造の中で、特に重点を置いたのは、

「ローフレクション」 であること。

ダンパーシャフトが、動き始めるとき、

いかにスムーズに、抵抗なく動き始めるかに、

こだわりを持ち、

ピストンバルブの形状をはじめ、シムの構成、

ウエアリング、シール類を選別し、

絶妙なクリアランスで組み上げています。

結果、ダンパーのバネ成分を限界まで抑制し、

荷重はスプリングが受け持ち、

スプリングの伸び縮みのスピードだけを

ダンパーが制御できるような、仕様としました。

そして、使用するスプリングは、

もちろん、HYPERCO スプリング。

レートも、レングスも、自由にチョイスしていただけるので、

使用目的に、バッチリ合わせ込んだ、

状態で納品されます。

もし、スプリングチョイスに自信がないなら、

よ~く話をお伺いし、田中が責任を持って、

決定いたします。ハイ。

また、TM-SQUARE  のダンパーキットの

減衰力は、どのスプリングをチョイスされても

バッチリな性能を発揮します。

よく、スプリングレートを上げたから、

ダンパーの減衰力の変更をするという

話を聞きますが、

それは、ダンパーにもバネ成分を持たせている証。

だから、スプリングレートが上がれば、

ダンパーの減衰力も上がるという発想になります。

でも、ダンパーとスプリングの分業ができていれば、

レートが違っても、減衰力の変更は、必要ないと、

田中は思います。

(もちろん、強い希望があれば、

O/H時に、減衰を変更することも可能です)

また、リアの車高を調整するため、

スプリングアタッチメントも、SET になっていますので、

HYPERCO 4本 =  ¥58,800

アタッチメント  =  ¥32,000

合計、¥90,800 のパーツが、ダンパー以外に

付属していることになります。

そう考えれば、¥330,000 の価格設定は、

決して高くないように、田中は思いますね~。

いよいよ、リリースがはじまった、

TM-SQUARE  のダンパーキット。

みなさん、よろしくお願いしま~す。

ちなみにですが、

高橋氏が、一本一本、魂を入れて?組み上げますので、

月間 5 set  の製造ペースです。

現在、ご注文いただければ、

5月~6月の納品予定となります!!

ご予約は、ぜひ、お早めに!

サスペンション
TM-SQUARE ダンパーキットの秘密兵器!

2010年03月30日(火)

今日は、今まで、ずっと沈黙を守ってきた、

TM-SQUARE ダンパーキット の秘密兵器を

紹介しましょう。

 

 

フロントキャンバー調整をする場合、

一般的な車高調整式ダンパーでは、

ストラットブラケットプレートを、長穴加工して、

キャンバー調整を可能としていますよね?

 

でも、この方法では、「Gフォース」 や、

「縁石への乗り上げ」 等、大きな入力があると、

簡単に “ズレ” が生じてしまいます。

 

この、 “ズレ” が発生すると、

キャンバーだけではなく、トーインも狂いますので、

アライメントを取り直さなければ、走行ができません・・・・・。

 

そこで! TM-SQUARE のダンパーキットは、

フロントキャンバーを調整式にするために、

画期的なアイデアが採用されています。

 

 

それは、下図のように、上部の長穴部分に、

キャンバーパッドと呼ばれるパーツを挟みこみます。

じつは、このキャンバーパッドには、

設定するキャンバー角に合わせて、

穴位置の違う数種類が付属されているのです!!

 

 

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このキャンバーパッドを挟み込むことで、

上記5種類のキャンバー角から、

タイヤや、セットアップ、使用用途に合わせた、

キャンバー角をチョイスすることが可能となます。

もちろん、長穴内でボルトが左右にスライドすることがないので、

FF車のセッティングの「キモ」であるフロントキャンバーを、

走行中の“ズレ”を発生させることなく、調整式としました。

 

 

p1130902

 

 

 

装着は、ストラットブラケットプレートに、

挟み込むだけ。

 

 

 

p1130905

p1130906

p1130909

 

 

へ、へ、へ・・・、これで、キャンバーは、”ズレ” ません!!

 

 

かなりの優れものでしょ?

サスペンション
ダンパー講座④ HYPERCOの登場と減衰力の関係

2010年03月29日(月)

 

ダンパーに求められる、

「スプリングと分業化するための減衰力」 は、

HYPERCOスプリング の登場で、大きく変化しました。

 

 

 

なぜなら、HYPERCO 登場以前のスプリングは、

縮み始めのレート特性が、規定レートより低いタイプが、主流だったからです。

 

 

 

この、プログレッシブタイプのような特性を持ったスプリングでは、

同レートであっても 0G → 1Gまでのストローク量が、

大きくなってしまいます。

 

 

 

下の図を見てください。

 

 

 

 

wait_2

 

 

 

 

たとえば、スプリングレートの表記が、

10kg/mm の2種類のスプリングがあったとしましょう。

 

 

 

これらのスプリングに、

コーナーウエイトに相当する300kgの荷重をかけると、

① のスプリングは、最初から、10kg/mmのレートを発生していますので、

300kg÷10kg/mm = 30mm のストロークとなります。

 

 

 

 

対して、② のスプリングは、初期のレートが表記より低く、

仮に縮みはじめ50mmまでの平均レートを6kg/mmとすると、

300kg÷6kg/mm = 50mm のストロークとなります。

 

 

 

 

そうです、この状態が、「1G」 と呼ばれる状態です。

 

 

 

そして、② のスプリングも、50mm以上のストロークでは、

表記どおり、10kg/mmのレートになると仮定すると、

「1G」 から、荷重が増える分には、両スプリングとも、

まったく同じ分だけ、荷重変化に対してストロークします。

 

 

 

が、しかし・・・、サスペンションは、縮むだけではありません。

「1G」 を境に、荷重によって、縮んだり、伸びたりします。

 

 

 

そして、縮むことに関しては、①も②も同等の変化となりますが、

伸びる部分では、大きな違いが発生します。

 

 

 

当然、1Gまでのストローク量の多い②は、

荷重が少なくなった状況では、伸び側のストロークが大きくなってしまうのです。

 

 

 

 

 

wait_1

 

 

 

 

 

 

この状況を抑制するため、

ダンパーのリバウンド側の減衰を強くし、

内側のスプリングの、伸び上がりを抑制するという、

ダンパーセットが、以前は主流でした。

 

 

 

しかし、HYPERCOスプリングの登場により、

荷重移動によるスプリングの伸びと縮み量が同じとなることから、

このリバウンド減衰による、制御は不要となりました。

 

 

 

結果、バンプとリバウンドの減衰力は、同じレベルとなり、

「スプリングとダンパーの分業化」 が、可能となったのです。

 

 

 

もちろん、リバウンドの減衰力が、弱くなったことで、

ストリートでの乗り心地も、大きく改善されたのです。

 

 

 

HYPERCO スプリングって、スゴイでしょ?

 

 

 

 

 

サスペンション
ダンパー講座③ 理想的なダンパーって?

2010年03月26日(金)

田中の思う、理想的なダンパーの条件は、2つ。

 

一つ目は、

「スプリングの動きに悪影響を与えないこと」 です。

 

スプリングは、荷重に比例して、

ストローク量(ロール量)を決定します。

 

この動きにダンパーが関与しないと、

荷重の移動量に比例して、クルマが傾いてくれますので、

ドライバーは、荷重の移動量が手に取るように把握できます。

 

要するに、「乗りやすい」 「限界がわかりやすい」 といった

ドライバビリティーの高いクルマになり、

セッティングの方向性も非常にシンプルになります。

 

 

二つ目は、

「ダンパーが動き始めた瞬間から、シッカリと減衰力が立ち上がること」 です。

 

みなさんのイメージでは、ダンパーが動き始めるのは、

ブレーキやコーナリングのアクションを起こした時ですよね。

 

でも、実際は、ずーっと、ダンパーは動いているのです。

 

下のグラフは、岡山国際サーキットの

裏ストレート部分のデータロガーです。

小刻みですが、かなり、動いているのが理解できると思います。

 

 

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ちょっと、見にくいですが、グラフ下の目盛りは、

時間軸となり、一番小さな目盛りが、コンマ1秒となります。

 

グラフから読み取ると、だいたい、1秒間に7~10回、

2mm程度、伸びたり縮んだりを繰り返していますよね?

 

 

ということは、ダンパーピストンも、

2mm程度、上下に動いているんですが、

この時、ピストンのシムの中に、

オイルが通過していないダンパーって、結構多いんです。

 

要するに、ステアリングでいうところの

「遊び」 が発生しているということです。

 

こうなると、動きはじめの最初の2mmは、

減衰が立ち上がらないダンパーとなり、

走行中の微振動で、上下4mmの間は、

減衰力がゼロとなってしまう場合があります。

 

この状態で、ギャップや荷重移動により、

急にダンパーが大きくストロークすると、

最大、動きはじめからの4mmの間、

減衰力がゼロの状態となり、

その後、急激に減衰が立ち上がってしまします。

 

 

また、減衰力がゼロだと、

当然、ダンパーのピストンスピードも上がってしまい、

その後、シムの間にオイルが通過しはじめる瞬間、

大きな減衰が突然発生してしまいます。

 

要するに、突っ張ってしまう、バネ成分の強いダンパーとなるのです。

 

 

反対に、最初の1mmに減衰があれば、

途中で、減衰に大きな変化がありませんので、

スムーズでしなやかな、スプリングと荷重の変化量に

的確に応じる、リニアな足廻りとなります。

 

 

 

これが、田中が求めている、理想的なダンパーの

2つの条件なのです。

サスペンション
ダンパー講座② ダンパーでロール量をセットアップするデメリット

2010年03月25日(木)

以前は、車高調と言うと、

ノーマルに比べ、ストローク量が少なくなることから、

その分、強い減衰が必要と考えられ、

レースの世界でも、10~15年ぐらい前までは、

バンプもリバンプも”ガチガチ”の時代がありました。

 

しかし、減衰力の高いダンパーを装着すると、

どうしてもダンパー自体がバネ成分をもってしまいます。

 

たとえば、スプリングレートは、10 Kgf/mmなのに、

それに、ダンパーの減衰力から発生するレート(バネ成分)、10 Kgf/mmが加わり、

ある部分では、20 Kgf/mmになってしまうこともあるのです。

 

 

では、ダンパーの減衰力調整を利用して、

「ロール量」 を変えると、何がいけないかを説明しましょう。

 

 

もし、スプリングのレートではなく、ダンパーの減衰で、

「ロール量」 を変えてしまうと・・・・・、

 

① ダンパーのストロークするスピードによって、減衰(スプリングレート)が変化する。

② ダンパーオイルの温度により、減衰(スプリングレート)が変化する。

 

といった理由で、不都合が発生します。

 

①の場合、ダンパーは、ストロークするスピードが速いと、

大きな減衰力が発生しますので、

コーナーの種類によってダンパー減衰を加味した

全体のバネレートが変化してしまいます。

 

たとえば、ハイスピードコーナーでは、

20 Kgf/mmのバネレートなのに、

ロースピードコーナーでは、12 Kgf/mmになったり、

コーナーの入口では、20 Kgf/mmのバネレートが、

コーナーの中では、15 Kgf/mm → 12 Kgf/mm と

いったように変化します。

 

 

また、②の場合、

ダンパーは、ダンパーオイルの温度が高くなると、

減衰が弱くなりますので、

同じコーナーの同じ場所でも、

最初のラップでは、20 Kgf/mmだったものの、

連続ラップで、ダンパーオイルの温度が上昇すると、

15 Kgf/mm → 12 Kgf/mm と変化します。

 

 

こうなると、ダンパーのバネ成分を加味した、

全体のスプリングレートが変化することから、

タイヤにかかる荷重の増減も変化し、

結局、ピーキーな特性から、

タイヤのグリップがうまく使えなくなってしまいます。

 

もちろん、その時々で、スプリングレートが変化することから、

ドライバビリティも、著しく低下してしまいます。

 

 

要するに、「ロール量」 が多いならば、

「ロール量」 を決めるスプリングのレートを上げるべきです。

 

 

そうすると、どこのコーナーでも、コーナーのどの部分でも、

荷重にリンクした、「ロール量」 となり、セットアップもシンプルで、

ドライバーも動きを把握しやすくなります。

 

これをダンパーで行うと、あまりにも変化してしまう要素が多すぎて、

セッティングもドライビングも複雑になるだけなのです。

 

ダンパーの減衰で、セットアップするのは、

「ロール量」 ではなく、「ロールスピード」 です。

 

スプリング →  荷重の増減によって、”ロール量”を決定する

ダンパー  →  ロールのスピードを決定する

 

 

といった、完全分業が、一番シンプルで、

ドライバーは荷重移動のインフォメーションが把握しやすく、

タイヤのグリップを最大限に活用できるのです。