FF特有のアンダーステアを減少させるためには、リアのトーイン調整は非常に有効な手段となります。アンダーステアが強い場合は、リアのトーインを少なくすることで、コーナリング中(特に進入部分)に、リアが回り込んでくれ、アンダーステアを抑制します。なお、このセットアップは、走行抵抗が減少することから、ストレートスピードにも、影響 を与えます。
また、トーションビーム式のサスペンションでは、ストロークによるキャンバー変化がほとんどありません。よって、クリッピングポイント近辺では、タイヤの外アタリ(タイヤの外側のみが接地している状態)が強くなりますので、コーナーにおいて、タイヤのグリップを有効活用するためにも、キャンバーが必要となります。
TM-SQUARE リア キャンバーシム は、通常トーションビーム式のサスペンションでは、調整の行えないトーイン値 & キャンバー値 の両方を変更できるよう ダブルテーパーのシム(2方向にテーパーになっているシム)を採用したセットアップアイテムです。車輌の状況や、セットアップに合わせてチョイスできるように、キャンバー値 が2種類(並盛仕様 & 大盛り仕様)また、変更できるトーイン値 が、2種類(0°40’レス仕様 & 1°00’レス仕様)の合計4アイテムをバリエーションしました。
TM-SQUARE 「ZC32S」 リアキャンバーシム アイテム表
アイテム (カラー) |
並盛 トーイン 0°40’レス (ブラック) |
並盛 トーイン 1°00’レス (グリーン) |
大盛 トーイン 0°40’レス (ゴールド) |
大盛 トーイン 1°00’レス (シルバー) |
---|---|---|---|---|
キャンバー (変化量) | 1°25’ネガ | 1°25’ネガ | 2°30’ネガ | 2°30’ネガ |
トーイン (変化量) | 0°40’レス | 1°00’レス | 0°40’レス | 1°00’レス |
※トーインは、左右のトーインを合算した「トータルトー」の表記となります。
トーイン値 & キャンバー値の変化量は、たとえば、並盛キャンバーシム(トーイン0°40’レス)を装着すると、上記のとおり、装着前よりキャンバーが、1°25’ネガ方向に変化し、トーインが、0°40’レス(アウト)方向に変化したアライメント値となります。
ちなみに、弊社デモカー(TM 5号車/ZC32S 2型)による実測値(キャンバーシム装着後のアライメント)は、以下のとおりです。
TM-SQUARE 「ZC32S」 リアキャンバーシム 装着後のアライメント (TM 5号車の場合)
アイテム (カラー) |
純正状態 イニシャル |
並盛 トーイン 0°40’レス (ブラック) |
並盛 トーイン 1°00’レス (グリーン) |
大盛 トーイン 0°40’レス (ゴールド) |
大盛 トーイン 1°00’レス (シルバー) |
---|---|---|---|---|---|
キャンバー(変化量) | 1°00’ネガ | 2°25’ネガ | 2°25’ネガ | 3°30’ネガ | 3°30’ネガ |
トーイン(変化量) | 0°50’IN | 0°10’IN | 0°10’OUT | 0°10’IN | 0°10’OUT |
※ トーションビームには、製造上の公差がありますので、純正状態でのアライメントは、すべての車両で
同一ではありません。よって、装着後のアライメント値は、上記と同一にならない場合があります。
※ 上記の数値は、車高40mm ダウンでの計測値です。
※ 純正車高では、上記数値からトーが、約 0°20’ マイナスになります(トーインが減る方向です)。
また、キャンバーシムの装着により、リアキャンバーがネガティブ方向に変化しますので、タイヤの上端部がフェンダー内に収まりやすくなり、ハブセンターならびに、タイヤの下端部は、外側に張り出します。タイヤ/ホイールの各部の位置は、下記のとおり変化します。
TM-SQUARE 「ZC32S」 リアキャンバーシム 装着後のフェンダークリアランス
アイテム/計測位置 | タイヤの上端部 | ハブセンターの位置 | タイヤの下端部 |
---|---|---|---|
並盛(0°40’レス) | -3.2mm | +4.5mm | +12.2mm |
並盛(1°00’レス) | -3.1mm | +4.4mm | +11.9mm |
大盛(0°40’レス) | -7.4mm | +6.5mm | +20.4mm |
大盛(1°00’レス) | -7.3mm | +6.1mm | +19.5mm |
※ 上記の数値は、計算上の数値で、実測とは異なる場合があります。
※ +表記 → タイヤが外に出る
-表記 → タイヤが内側に入る となります。
※ 大盛 (トー少なめ) と、大盛は、同じ数値です。