TM-SQUARE SPORT AT FLUID for ZC33S

「TM-SQUARE SPORT AT FLUID for ZC33S」は、スイフトスポーツZC33Sのオートマチック車両専用となるスポーツタイプの オートマチックトランスミッションフルード です。
最大の特徴は、粘度の高いベースオイルと、増摩擦性能を向上させた添加剤の採用により、油温が上昇してもオートマチックの滑りを抑制して、トラクション性能を維持し、キックダウンが発生しにくい特性としたことです。結果、加速時には、K14Cエンジンの武器である「低回転&高ブースト」といった状況をキープできることから、強力なエンジントルクを持続することが可能となりました。
また、オートマチックの滑りを抑制したことにより燃費性能も向上しましたので、サーキットやワインディングにて、スポーツドライビングを楽しみたい方はもちろん、ストリートにて燃費性能を重要視されるみなさんにもオススメのアイテムとなります。
開発ドライバー 田中ミノルが、サーキット/ワインディング/ストリートにて、多面的に、そして徹底的に、スイフトスポーツZC33Sに合わせ込みを行って誕生した オートマチックトランスミッションフルード。それが、TM-SQUARE SPORT AT FLUID for ZC33Sです。
外観 | : | 褐色 | ||||||
動粘度 | : |
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粘度指数 | : | 164 | ||||||
ベースオイル | : | 100%化学合成油 | ||||||
15℃密度 | : | 0.8412 g/cm3 |
ZC33Sのエンジン特性に関して
ZC33Sに搭載されているK14Cエンジンは、排気量1.4Lの直噴ダウンサイジングTURBOエンジンです。コンパクトサイズのタービンが使用されていることから、容量的に高回転域ではブーストが低下しますが、低回転域ではレスポンスよくブーストがかかり、強力な中低速トルクを発揮するエンジン特性となります。よって、スポーツドライビングにおいても、高回転域をキープするスタイルより、低回転域にて高いブーストをかけてコーナーを立ち上がるドライビングの方が、より有効にK14Cエンジンのパワーを活用することが可能となります。
キックダウンとは?
オートマチック トランスミッションは、現状のエンジン回転数とエンジン負荷、そして、アクセル開度(ドライバーからのパワー要求度)のバランスにて、現状ギアのまま加速するか、シフトダウンをして加速するかをコンピューターにより決定しています。そして、車両側からシフトダウンの指示が出て自動的に変速が行われることを「キックダウン」と呼びます。
キックダウンのメリット・デメリット
NAエンジンの場合は、基本的に低回転域より高回転域の方がパワー的に有利な場合が多く、キックダウンすることにより、高回転となることから加速力が向上します。しかし、コンパクトサイズのタービンが使用されているダウンサイジングTURBOの場合は、タービン容量が不足する高回転域より、ブーストがシッカリかかる低~中回転域の方が、発生するトルクが高くなる傾向があります。よって、キックダウンせずに現行ギアのまま加速する方が、パワー特性的に有利な状況があります。また、キックダウン中は、トラクション(加速性能)が一時的に弱くなってしまうこともデメリットとなります。
エンジン負荷とブーストの関係性
TURBOエンジンでは、エンジンへの負荷が大きいほど高ブーストになる傾向があります。たとえば、坂道の上りと下りでは、エンジン負荷は上りの方が大きいので、より高ブーストになるという特性があります。同様に、オートマチックの滑りによって、トラクション性能が低下すると、エンジンへの負荷が減少しブーストはかかりにくい状況となり、反対にオートマチックの滑りが抑制されると、ダイレクトにパワーが伝わることから、エンジンの負荷は大きくなりブーストがかかりやすい状況となります。そして、オートマチックの滑りを抑制すれば、加速中のエンジン回転数も低くなることから、より高いブーストを維持できるという相乗効果を生み出します。
ZC33Sオートマチック車両のドラテク
キックダウンするかしないかは、ドラテク(アクセルの踏み方)によっても大きく左右されます。一気に全開にするような急激なアクセル操作は、よりキックダウンしやすく、アクセルの踏みはじめを少しコントロールし、ジワ~ッとアクセルを踏み込むとキックダウンしにくくなります。イメージ的に、トラクションを確認しながら、アクセルを踏み足し徐々にトラクションを増やしていくといったドラテクを活用すれば、キックダウンを回避し、高ブーストを維持した非常にパワフルな加速を行うことが可能となります。
燃費性能が向上する
オートマチックの滑りを抑制したことにより、伝達ロスが減少し、走行中のエンジン回転数も下がることから燃費性能が向上します。もちろん、走行環境により大きく変化する部分となり、すべての条件を厳密に合わせ込んだ比較はできていませんので、数値を掲載することはできませんが、テスト車両での燃費性能の向上は、我々の想定以上な数値でした。
デメリット/注意事項
- 〇本製品は、ZC33Sスイフト オートマチック車両 専用品となります。CVT車両(スイフトの CVT車両を含む)には、ご使用いただけません。
- 〇純正フルードに比べてダイレクト感が強くなりますので、加減速時に変速ショックを感じる可能性があります。
- 〇本製品は、ATFの特性にて、オートマチック内の滑りを抑制しトラクション性能を向上させていますが、プログラミング等、オートマチックシステムの根幹部分には関与していません。
交換に関して
スイフトスポーツZC33Sのオートマチックトランスミッションフルード(ATF)は、全容量が約6Lとなり、以下2種類の交換方法があります。
ドレーンから手動にて抜き替えを行う場合
ドレーンから手動にてフルードを抜く場合、約4Lが抜き取れますので、一度に交換可能な容量は、約4Lとなります。また抜き取り後、新油を注入すると、約65%の新油と約35%の使用油がオートマチックトランスミッション内で混在することになります。交換するATFの劣化が限定的な場合は、この1回交換(約65%の交換)で、十分な効果が期待できると思います。ただ、使用油の劣化が著しい場合は、交換した後にフルードを循環させ再び抜き替えを行うか、1回交換後、数ヶ月から1年ぐらいで再び交換いただくことが推奨となります。
※2回抜き替えを行う場合は、8LのATFが必要量となります。
専用の交換機を使用する場合
圧送式と呼ばれる専用の交換機を使用して全量交換を行う場合は、約6L~8L(油面調整分含む)のATFが必要量となります。また、より完全に交換するためにフラッシングを行う場合は、別途フラッシング分のATFが必要となります。