FF特有のアンダーステアを減少させるためには、リアのトーイン調整は非常に有効な手段となります。アンダーステアが強い場合は、リアのトーインを少なくすることで、コーナリング中(特に進入部分)に、リアが回り込んでくれ、アンダーステアを抑制します。なお、このセットアップは、走行抵抗が減少することから、ストレートスピードにも、影響 を与えます。
また、トーションビーム式のサスペンションでは、ストロークによるキャンバー変化がほとんどありません。よって、クリッピングポイント近辺では、タイヤの外アタリ(タイヤの外側のみが接地している状態)が強くなりますので、コーナーにおいて、タイヤのグリップを有効活用するためにも、キャンバーが必要となります。
TM-SQUARE リア キャンバーシム は、通常トーションビーム式のサスペンションでは、調整の行えないトーイン値 & キャンバー値 の両方を変更できるよう ダブルテーパーのシム(2方向にテーパーになっているシム)を採用したセットアップアイテムです。車輌の状況や、セットアップに合わせてチョイスできるように、キャンバー値、トーイン値が異なる組み合わせにて、ZC31S では3種類をバリエーションしました。
TM-SQUARE 「ZC31S」 リアキャンバーシム アイテム表
アイテム (カラー) |
並盛 (ブルー) |
大盛 (ゴールド) |
大盛 (トー少なめ) (グリーン) |
---|---|---|---|
キャンバー (変化量) | 1°10’ネガ | 2°20’ネガ | 2°20’ネガ |
トーイン (変化量) | 0°40’レス | 0°50’レス | 0°30’レス |
※トーインは、左右のトーインを合算した「トータルトー」の表記となります。
トーイン値 & キャンバー値の変化量は、たとえば、並盛キャンバーシムを装着すると、上記のとおり、装着前よりキャンバーが、1°10’ネガ方向に変化し、トーインが、0°40’レス(アウト)方向に変化したアライメント値となります。
ちなみに、弊社デモカー(TM 2号車/ZC31S 2型)による実測値(キャンバーシム装着後のアライメント)は、以下のとおりです。
TM-SQUARE 「ZC31S」 リアキャンバーシム 装着後のアライメント (TM 2号車の場合)
アイテム (カラー) |
純正状態 イニシャル |
並盛 (ブルー) |
大盛 (ゴールド) |
大盛 (トー少なめ) (グリーン) |
---|---|---|---|---|
キャンバー | -1°00’ | -2°10’ | -3°20’ | -3°20’ |
トー | 1°00’IN | 0°20’IN | 0°10’IN | 0°30’IN |
※ トーションビームには、製造上の公差がありますので、純正状態でのアライメントは、すべての車両で
同一ではありません。よって、装着後のアライメント値は、上記と同一にならない場合があります。
※ 上記の数値は、車高40mm ダウンでの計測値です。
※ 純正車高では、上記数値からトーが、約 0°20’ マイナスになります(トーインが減る方向です)。
また、キャンバーシムの装着により、リアキャンバーがネガティブ方向に変化しますので、タイヤの上端部がフェンダー内に収まりやすくなり、ハブセンターならびに、タイヤの下端部は、外側に張り出します。タイヤ/ホイールの各部の位置は、下記のとおり変化します。
TM-SQUARE 「ZC31S」 リアキャンバーシム 装着後のフェンダークリアランス
アイテム/計測位置 | タイヤの上端部 | ハブセンターの位置 | タイヤの下端部 |
---|---|---|---|
並盛 | -2.2mm | +3.2mm | +8.6mm |
大盛 | -8.5mm | +3.6mm | +15.7mm |
※ 上記の数値は、計算上の数値で、実測とは異なる場合があります。
※ +表記 → タイヤが外に出る
-表記 → タイヤが内側に入る となります。
ZC31S用 キャンバーシム


