開発秘話~必ずラップタイムが短縮できるエキマニができるまで~
今から4年前、TM-SQUARE では、エキマニおよびセンターパイプの開発を全開で行っていた時期がありました。
排気管のレイアウトや、スポーツ触媒の形状違いまで、何本も試作品を持ち込み、ベンチテストや、サーキットでの
走行テストを行ったのですが、排気効率を向上させると、「高回転域のパワーは出るけど、低・中回転でトルクが細る」
という結果となり、製品化を断念した経験があります。
そして、「ECUの書き換えが自由にできる」という状況になったことから、過去の教訓を生かして、昨年、エキマニの開発
を再開しました。まずは、細めのパイプ径にて4-2-1レイアウト(触媒×2個の仕様)の試作品を作り、低・中回転域にて
トルクが細らない仕様に成功!
この試作品 第1号に、ECU 適合を行い、2012年12月の筑波スーパーバトルに持ち込みました。
そして、エキマニのパフォーマンスが、かなり大きく関与し、ノーマルエンジンにて、TC20007秒4のラップタイム
を出すことができました。
それでも、開発の手を緩めることなく、今度は、メーカー系 スーパー耐久マシンに関わりが深いエキマニエキスパート
の助言により、各部の寸法を変更! 試作品 第2号を作りました。
なんと言っても、この「お方」は、排気量、使用回転数をはじめ、カムのプロフィール、燃焼室形状等々の
エンジンスペックで、エキマニ をどのパイプ径、各接合部と、どの距離で作ったら、「ラップタイムに直結する特性」
になるかを知っているのです・・・・・・・。(製作は、伝家の溶接技術 マキシムワークスさん です)
そして、完成した エキマニ に、ECU 適合を行うと、「驚愕の性能!」 となったのです!
(さすが、レーシングネットワーク ですね)
エキマニ というと、排気効率がクローズアップされがちですが、それ以上に、パイプ径やプライマリー/セカンダリー
の距離関係を変更し、数種類のサンプルを製作し、ベンチにかけてみると、排ガスの濃さが変化します
(A/Fと呼ばれる数値です)。
もし、ある回転域で「ガスが薄く」なる症状が出るエキマニがあれば、それが大当たり!
理由は、いままでと同じ、ガソリン量を噴射しても、ガスが薄くなるのですから、排気脈動の効果により、エンジン内に
「キレイな空気」がたくさん入っている証拠だからです。
ですから、そこにできたスペース(ガスを入れるためのスペースをエキマニで作るのです!)に、ECUを合わせ込み、
燃料増量を行うと、パワーは大きく向上します。
排気効率の向上で得られるパワーと、排気脈動の効果により発生した、そのスペースにを適合させることで
得られるパワーでは、圧倒的に ECU 合わせ込みによる方が、大きくなります。もちろん、一番ラップタイムに影響
する回転域に、ガスがたくさん入ることがエキマニの「キモ」となるのです。
以上のことから、TM-SQUAREでは、エキマニとその特性に完全適合したTMエキマニ専用DATAを、
同時にリリースしました。