トーインに関して

まず、トーイン　＆　トーアウト　というのは、アライメント（タイヤがセットされる角度）の一種で、左右のタイヤを真上から見たとき、

となります。

また、この　トーイン値　は、角度の表記となり、
1°00’（1度00分）　＝　　0°60’（0度60分）の60進法　が採用され、トータルトー　と呼ばれる　左右のトーを合算した数値で表記されます。

左右を合算して、トータルトー　IN　1°20’（イン　1度20分）と、表記されます。

そして、リアトーインは、セットアップ （アンダー／オーバーのバランスを取る）といった観点では、とっても重要なファクターとなります。通常、リアトーインは、IN　0°00’（イン　0度0分）から、IN　1°30’（イン　1度30分）あたりにセットされており、少しのトーイン値の変更にてクルマのバランスは、大きく変化します。

リアトーインセットの基本となる考え方は、

1. リアトーイン値　が大きい　　→　　アンダーステア バランス　が強い
2. リアトーイン値　が小さい　　→　　アンダーステア バランス　が弱い
3. リアトーアウト　　　　　　　→　　オーバーステア バランス　になる可能性がある

となります。

たとえば、とあるクルマのトーイン値を計測したら、
IN　0°50’　　だったとしましょう。

そして、このクルマは、バランス的に、かなり、アンダーステアが強い状態なら、
IN　0°50’　　→　　イン　　0°20’

と、トーイン値を小さくすると、アンダーステアは、改善する方向となります。
もちろん、どれだけトーイン値を少なく設定できるかは、使用タイヤ／セットアップ等、
車両のバランスによって変化します。

また、車両のアンダーステア バランスがさほど強くない状況にて、
IN　0°50’　　→　　OUT　0°20’　

といったように、大きくトーイン値を変化させてしまうと、行き過ぎてオーバーステア バランスになることもあります。

要するに、装着前のアンダーステア バランスの強さで、トーイン値をどれぐらい少なくできるかが決まってきますので、付き過ぎているトーインを オーバーステア バランスにならない領域まで取る（適正な範囲の中で減少させる）というのが、トーイン値のセットアップポイントとなります。

なお、オーバーステア バランスにならない領域にて、トーイン値を少なく設定できると、走行抵抗が減少することから、ストレートのスピードUP　にも貢献します。

ご注意①

アンダーステア／オーバーステアのバランスは、サスペンションセット、タイヤチョイスを含め　トータルで考えるもので、リアトーインだけで、バランスを取るものではありません。
人間に個性があるように、車両本体の個体差、使用されているタイヤ、サスペンション、セットアップ等々の要因から、想定しているバランスにならないことも十分に考えられます。
リアトーインは、バランスを取るためのひとつの要素（要因）であることを十分にご理解いただいた上で、キャンバーシムをご使用下さい。

また、必ず装着前のトーイン値を計測し、装着後のトーイン値を確認してからご装着下さい。特に、トーアウトになる場合は、オーバーステアバランスになる可能性がございますので、十分ご注意ください。

ご注意②

上記の解説は、弊社デモカーによる走行DATAを元に、開発ドライバーである田中ミノルの私的な意見として掲載しており、車両のバランス、安全性を保障するものではございません。
キャンバーシム装着後は、安全が確保できる場所にて、バランスの変化を必ず事前に確認し、もし、オーバーステアバランスをはじめ、少しでもバランスが不安定な状況であれば、使用を中止してください。また、キャンバーシムの装着にて、バランスが変化したことにより発生したトラブル等に関しましては、田中ミノル および　㈱ミノルインターナショナルは、一切責任を負いませんので、すべて自己判断にて、チョイスを行ってください。